香取慎吾が【Black Rabbit】の東京公演を1月21日、22日、有明アリーナにて開催した。

　自身初のアリーナワンマンとなる今回のライブは、2日間で計2万人を動員。アイデア満載のステージで、集まったオーディエンスと幸せな時間を共有した。本稿では2日目となる22日の模様をレポートする。

　この日のセットリストは、これまでにリリースされた2作のソロアルバム『20200101（読み：ニワニワワイワイ）』と『東京SNG』の楽曲を中心に編成された。オープニング・ナンバーの「Metropolis」では、純白の衣装に身を包んだ香取が立ち位置を変えず淡々とラップをまくし立て、その周りで黒いスーツのダンサーが代わる代わる踊りを披露。白と黒、静と動のコントラストが際立つ印象的な演出で、1曲目から観客の目をくぎ付けにした。

　クールな雰囲気の冒頭から打って変わり、「I’m so tired」ではど派手なホーンセクションが会場をファニーなムードに変える。ストレートのマイクスタンドで格好つけながら、ケレン味たっぷりに歌い上げる香取。ダンサーたちとのシアトリカルなやり取りもチャーミングだ。

　ノンストップで走り抜けた前半パートが終わり、この日初めてのMCに入ると、香取の息切れっぷりに客席からは思わず笑い声が。それに対し「久々のスタンディングでみんなも同じ感じでしょ？」とジョークで返す、和やかなシーンも垣間見られた。

　「最後まで思いっきり楽しもうね！」と客席に呼びかけていったんステージをはけた後は、“SNG DANCERS”のソロ＆紹介VTRを挟み、タキシード姿で再登場。またステージ後方には総勢9人からなる“SNG BAND”が登場し、そのまま「こんがらがって」へ突入。カラフルなスーツのダンサーとビックバンドサウンドが華やかなムードをさらに盛り上げる。

　「一人でこんな大きな会場でやるとは思わなかったです、ありがとう」と感慨深げにゆっくり客席を見渡す香取。客席からは長い拍手が巻き起こり、これには思わず「泣かせるなよ～！」と照れを隠せない様子。また昨日のライブを見た稲垣吾郎から電話があり、「よかったって（言っていました）。嬉しかった」とやり取りがあったことを話した。さらに草彅剛は、現在放送中のドラマ『罠の戦争』の撮影のため今回は来られなかったと言い、「ドラマ、最後まで応援しましょうね！」と客席に語りかけた。

　「今日誕生日の人、昨日の人も明日の人も、みんなおめでとう！！」と叫び、「Happy BBB」が始まると、パーティーモールを首にかけたダンサーたちと、ライブタイトルにも掲げられた香取考案のキャラクター「くろうさぎ」の着ぐるみが登場。ステージ上はたくさんの人で溢れかえり、まさにパーティーのような盛り上がりを見せた。ラスサビではセンターステージに移動し、オーディエンスと一緒に掛け合いを楽しむ場面も見られた。

　本編ラストのMCでは、デビュー前に先輩の後ろで踊っていた時のこと、マイケル・ジャクソンの来日公演の後、自身も東京ドームに立った時のことなど、これまでの思い出をいくつか振り返りながら、一言一言噛みしめるようにオーディエンスに語りかける。「改めてみなさんとこんな大きな会場で楽しい時間を過ごせているのが嬉しくて信じられない。大好きな歌、ダンス、みんなの笑顔が見られて本当に幸せです。これからもずっとずっと、楽しい時間を過ごしましょう。一緒に明日を生きましょう。がんばりましょう！」

　アンコールでは、1月17日にリリースしたばかりの新曲「BETTING」をパフォーマンス。黒とゴールドのゴージャスな衣装に見を包んだ香取がステージに現れると、炎の特効が飛び出し、会場の熱気はぐんと高まる。楽曲のアートワークを彷彿とさせる紫色の照明が妖しげな雰囲気を醸し出すなか、ウィットに富んだボーカルワークを繰り広げ、新たな魅力を炸裂させた。そしてラストには「東京SNG」を披露し、きらびやかなムードのままこの日のライブを締めくくった。

　楽しむこと、楽しませること、そのどちらも全力でやることがエンタテイメントなのだと、強く伝わってくるライブだった。ステージも客席も一緒に、「楽しい！」という気持ちをシェアできるこの空間は、演者にとってもオーディエンスにとっても、かけがえのないものであっただろう。

　なお本公演は、3月14日と15日に兵庫・神戸ワールド記念ホールでも開催される。

◎香取慎吾 コメント全文
最高でした。
香取慎吾史上アリーナ規模でのライブデビュー日になりました。
ここが新たな始まりで、
応援してくれる皆さんと音楽でもっとつながって
いつまでも笑顔をつむいでいきたいです。

◎公演情報
【香取慎吾『Black Rabbit』】
＜東京公演＞
2023年1月21日（土）22日（日）
東京・有明アリーナ
＜神戸公演＞
2023年3月14日（火）15日（水）
兵庫・神戸ワールド記念ホール