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2022/12/10

<ライブレポート>Murakami Keisuke、5年の活動と「その先」を描いた恒例ライブ【Kei’s room】開催

 Murakami Keisukeが、2022年12月4日に弾き語りライブ【Kei’s room vol.10 ~5th Anniversary & Birthday Live~】を東京・eplus LIVING ROOM CAFE & DININGで開催した。

 2022年は、新たな季節の始まりを爽快に表現した「Alright」、心の中にある不安や孤独と向きあいながらも前に進む勇気を与えたバラード「なんのために」、そして自身のルーツであるソウル・ミュージックへの思いを表現している「Midnight Train」と、異なるタイプの楽曲を発表しリスナーを魅了させた、Murakami Keisuke。その充実の1年を締めくくり、さらにデビュー5周年と、自身の誕生日を記念したアコースティック・ギターの弾き語りライブが敢行された。

 パフォーマンスは2ステージで行われ、1stショーではこれまで発表されたシングル曲やライブであまり披露されていなかった楽曲を中心とした構成、そして2ndでは、自身の音楽的ルーツであるソウル・ミュージックの要素に日本人のアイデンティティーを加えた独自の音楽スタイル「ブラウンアイド・ソウル」な楽曲を中心にしたセレクトに。ゆえに、2ndステージに彼はブラウンのセットアップで登場。観客の温かな拍手に包まれながら、「ファンファーレ」(2017年発表)や「モノクロ世界」(18年)を、伸びやかな歌声と胸を高鳴らせるギターで披露した。さらに「これをアコースティックでパフォーマンスするのが心配。爪が割れてしまいそうで(笑)」と、久しぶりのライブ披露になった「Never Give Up」(18年)などを、暗闇を引き裂くくらいのエモーショナルがこもったパフォーマンスで、会場を熱くさせた。

 残念ながら歓声を響かせることはできなかったものの、それを凌ぐ拍手や手拍子、そしてリヴィング・ルームのような会場の雰囲気も相まってか、冒頭ですっかりホームパーティーのような和やかな雰囲気が生まれていた。Murakamiはギターのチューニングをしながらジョン・メイヤーの楽曲を即興で演奏するなど、リラックスしているというか、純粋に音楽を演奏することを楽しんでいる様子。その勢いにのって、本邦初公開となる新曲「Strawberry Girl」を披露した。

 「これはセクシーな楽曲。官能的に聴こえるかもしれませんが、実はその逆の誠実さを表現している」というナンバー。アメリカのソウルやR&Bの流れを感じさせる流麗なメロディーは、これまでの爽快でポップなイメージとは少し異なる濃密さが伝わる。新たな彼の魅力を伝える作品になりそうな予感がした。実は、この楽曲のほかにも北海道で制作したという新曲がいくつかストックされているそうで、今後の音楽性の一端を垣間見られたような気がした。

 さらに、自身の今後の音楽の方向性を示せたという最新シングル「Midnight Train」(22年)では、シンプルなアコースティックになったことにより、透明感のあるヴォーカル、楽曲の持つ高揚感がさらに際立つものに。新たな音楽の旅が始まりそうな予感を与えた。

 Murakami Keisukeの新たな魅力、世界を堪能できた前半のステージから、後半ではバラードを中心にした構成に。まず、デュエット曲ゆえにこれまでライブで披露していなかったという「RED」(村上佳佑×Beverly、17年)を、抽選で選ばれた観客の女性を隣に、語りかけるように歌い上げる。ステージ上に飾られたクリスマス・ツリーが放つ光も加わって、甘い空気が会場を包み込んだ。さらに「みなさんの心の凹みを埋めるような楽曲になれば」と、「なんのために」(22年)などを、観客ひとりひとりに語りかけるように丁寧にパフォーマンス。そこにいる誰もが、音の余韻に浸っていた。

 またMurakami自身も、音楽を演奏する喜びを噛み締めていた様子で、「皆さんひとりひとりの存在が、自分が音楽活動を続ける糧になっている」と感謝の思いをコメント。さらに「今後、音楽がさらに新しい場所へと自分を導いてくれるはず。だからこれからも一生懸命に向き合っていきたい」という決意を告げるとともに「風の名前」(21年)をパフォーマンスした。これからどんな風が吹いたとしても、大地にしっかりと足をつけて前進し続けたいという強い意思を感じることができた。

 アンコールでは、誕生日ライブということもあり、サンタクロースがバースデー・スイーツを持ってお祝いする演出や、本編で本来だったら動画撮影OKだったことを伝え忘れたため「Midnight Train」を再びパフォーマンスするというサプライズを交えながら、最後は自身が初めて制作したという「空に笑う」(17年)を披露。「すべての愛をこめて楽曲を届けたい」という魂が伝わる感動的な歌声とギターで、約2時間に及んだステージは終了した。これまでの5年の活動に思いを巡らせながらも、同じ場所にとどまることなく「その先」を見続けているMurakami Keisukeのピュアな衝動が伝わってくるライブになったと思う。
 

Text by 松永尚久
Photos by ゆうゆう

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