2022/11/15
テイラー・スウィフトの「アンチ・ヒーロー」が3週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
初登場の11月5日付から3週目の首位を獲得した「アンチ・ヒーロー」は、今週の集計期間中(11月4日~11月10日)に以下7種のリミックスをリリースしたことで、セールスが前週から1,793%増加の327,000に跳ね上がり、Sales Gainerを獲得してデジタル・ソング・セールス・チャートでも先週の4位から1位に、自身25曲目のNo.1タイトルを獲得した。
11月7日 ブリーチャーズ・リミックス[エクスプリシット・バージョン](公式ウェブサイト限定)
11月7日 ブリーチャーズ・リミックス[クリーン・バージョン](公式ウェブサイト限定)
11月8日 ブリーチャーズ・リミックス[エクスプリシット・バージョン](配信開始)
11月8日 ブリーチャーズ・リミックス[クリーン・バージョン](配信開始)
11月9日 ルーズベルト・リミックス(公式ウェブサイト限定)
11月10日 ルーズベルト・リミックス(配信開始)
11月10日 ジェイダ・G・リミックス(配信開始)
11月10日 クングス・リミックス(配信開始)
11月10日 クングス・エクステンデッド・リミックス(配信開始)
11月10日 アコースティック・バージョン(配信開始)
今週記録した週間セールス327,000は、2017年9月16日付で自身の「ルック・ホワット・ユー・メイド・ミー・ドゥ」が売り上げた353,000以来、過去5年間の最高記録で、登場3週目の週間セールスとしては、2015年11月28日付でアデルの「ハロー」が売り上げた480,000以来の最高記録となる。「ハロー」との売上対比は以下のとおりで、「アンチ・ヒーロー」は3週目(今週)が現時点で最も高い売上枚数となった。
「ハロー」
1週目(2015年11月14日) 1,100,000
2週目(2015年11月21日) 635,000
3週目(2015年11月28日) 480,000
「アンチ・ヒーロー」
1週目(2022年11月5日) 13,000
2週目(2022年11月12日) 17,000
3週目(2022年11月19日) 327,000
ラジオも好調で、前週から37%増加の5,130万回を記録してエアプレイ・チャートでも14位から9位にTOP10入りしている。 エアプレイ・チャートでのTOP10入りは、2019年5月~6月に最高7位を記録した「ME! feat. ブレンドン・ユーリー」以来約3年半ぶり、通算16曲目のタイトルとなる。
ストリーミングは13%減少したものの、3週目としては高い3,110万回を記録してストリーミング・ソング・チャートでも9位にランクインし、3つの主要チャートすべてでTOP10入りを果たした。なお、ストリーミング・チャートでは初登場から2週連続で首位を獲得したが、今週順位が急落したのは、以下ドレイクと21サヴェージのコラボレーション・アルバム『ハー・ロス』から8曲がTOP10にランクインしたため。
ストリーミング・チャートに初登場したその8曲は、Hot 100でもTOP10に同順位でデビューを果たしている。TOP10以下にも8曲がランクインし、収録曲全16タイトルが今週のTOP30にデビューを果たした。その16曲を輩出した『ハー・ロス』は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で1位に初登場している。
アーティスト名の記載がない曲は全てドレイクと21サヴェージのコラボレーション
2位「Rich Flex」
3位「Major Distribution」
4位「On BS」
5位「Spin Bout U」
6位「Pussy & Millions feat. トラヴィス・スコット」
7位「Privileged Rappers」
8位「Circo Loco」
9位「BackOutsideBoyz」(ドレイク)
11位「Hours in Silence」
12位「Broke Boys」
14位「Treacherous Twins」
15位「Middle of the Ocean」(ドレイク)
16位「Jumbotron Shit Poppin」(ドレイク)
18位「More M’s」
19位「I Guess It’s Fuck Me」(ドレイク)
27位「3AM on Glenwood」(21サヴェージ)
ドレイクは、これでHot 100のTOP10ランクイン総数を67曲目に更新し、2位のテイラー・スウィフトを大きく離してトップを独走。21サヴェージは6曲から13曲に2倍以上タイトル数を増やし、「Pussy & Millions」にゲストとして参加したトラヴィス・スコットも通算11曲目に記録を更新した。
67曲 ドレイク
40曲 テイラー・スウィフト
38曲 マドンナ
34曲 ザ・ビートルズ
32曲 リアーナ
30曲 マイケル・ジャクソン
29曲 エルトン・ジョン
28曲 マライア・キャリー
28曲 スティーヴィー・ワンダー
27曲 ジャネット・ジャクソン
26曲 ジャスティン・ビーバー
25曲 リル・ウェイン
25曲 エルヴィス・プレスリー
その67曲中、リード・アーティストとしてランクインしたタイトルは49曲で、フィーチャリング・アーティストとしてランクインした曲を除いても、2位のテイラー・スウィフトを上回りトップに立つことになる。なお、2位のテイラー・スウィフト、3位のマドンナは、ランクインした曲全てがリード・アーティストとしてのタイトルで、ゲストとして参加した曲はない。
TOP10に8曲以上同時(同週)にランクインさせたのは、過去ドレイクとテイラー・スウィフトの2組だけで、ドレイクはその快挙を2度達成した初のアーティストとなった。21サヴェージも、今週の記録により4位タイに浮上している。
10曲 テイラー・スウィフト(2022年11月5日)
9曲 ドレイク(2021年9月18日)
8曲 ドレイク(2022年11月19日)
7曲 21サヴェージ(2022年11月19日)
7曲 ドレイク(2018年7月14日)
5曲 ジュース・ワールド(2020年7月25日)
5曲 ザ・ビートルズ(1964年4月4日)
5曲 ザ・ビートルズ(1964年4月11日)
上記のうち、2週連続で5曲以上を送り込んだのはザ・ビートルズのみで、その他のアーティストは初週のみにとどまっている。また、ザ・ビートルズ以外の記録はいずれも2018年以降に達成されたもので、近年その傾向が強まっていることがわかる。これは、アルバムが発売された週に収録曲のストリーミングが急増することで、正式なシングル以外のアルバム曲がランクインするためであり、ストリーミングの強いヒップホップ系アーティストが上位を占めているのも、そういった理由が挙げられる。ストリーミングが集計に含まれるようになった2014年以前は、こういったチャート・アクションは起こり得なかった。
今週2位にデビューした「Rich Flex」は、初週5,890万回を記録してストリーミング・ソング・チャートでは1位に初登場した。同チャートでの首位獲得は、ドレイクが15曲目、21サヴェージは3曲目のタイトルで、2022年の週間ストリーミングとしては、1位の「アンチ・ヒーロー」が初週(11月5日付)で打ち出した5,970万回に次ぐ、2番目に高い記録を更新した。
「Rich Flex」は、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでも1位に初登場し、ドレイクは前者で26曲目、後者で27曲目、21サヴェージは両チャート4曲目のNo.1タイトルを獲得している。
全16曲中、初週のセールスが最も高かったのはその「Rich Flex」で2,600、エアプレイは8位の「Circo Loco」で500万回、続いて「Rich Flex」の310万回だった。
『ハー・ロス』の収録曲がTOP10に8曲デビューしたことで、先週3位に復帰したサム・スミス&キム・ペトラスの「アンホーリー」は今週再び10位に順位を下げたが、前週から39%増加の5,670万回を記録して、エアプレイ・チャートでは12位から5位に大きく順位を上げている。エアプレイ・チャートでのTOP10入りは、キム・ペトラスが初、サム・スミスは2019年に首位を獲得した「ダンシング・ウィズ・ア・ストレンジャー with ノーマニ」以来約3年ぶり、6曲目のタイトルとなる。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは11月18日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「アンチ・ヒーロー」テイラー・スウィフト
2位「Rich Flex」ドレイク&21サヴェージ
3位「Major Distribution」ドレイク&21サヴェージ
4位「On BS」ドレイク&21サヴェージ
5位「Spin Bout U」ドレイク&21サヴェージ
6位「Pussy & Millions」ドレイク&21サヴェージ feat. トラヴィス・スコット
7位「Privileged Rappers」ドレイク&21サヴェージ
8位「Circo Loco」ドレイク&21サヴェージ
9位「BackOutsideBoyz」ドレイク
10位「アンホーリー」サム・スミス&キム・ペトラス
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