2022/10/30 14:00
2022年10月26日公開(集計期間:2022年10月17日~10月23日)のBillboard JAPAN週間シングル・セールス・チャート“Top Singles Sales”で、AKB48の『久しぶりのリップグロス』が429,419枚を売り上げて首位を獲得した。
本作は、AKB48にとって通算60枚目となるシングル。表題曲は千葉恵里が初のセンターを務め、茂木忍と佐藤綺星が初めて選抜メンバーに選ばれた。初動3日間の集計(集計期間:10月17日~10月19日)では380,902枚を売り上げ、週後半でさらに約4.8万枚数字を伸ばし、週間チャートで首位に輝いた。
本記事では『久しぶりのリップグロス』をはじめとする、コロナ禍以降にリリースされたAKB48のシングル3作の販売動向を調査する。図1(http://www.billboard-japan.com/d_news/image/118160/2)は、『久しぶりのリップグロス』と、2022年5月にリリースされた59thシングル『元カレです』、2021年9月にリリースされた58thシングル『根も葉もRumor』の実店舗での発売初週の地域別販売比率のグラフとなる。また一般的なシングルと比較するため、2022年に販売されたシングルの地域別販売比率を全シングルとしてグラフに追加している。
グラフでまず目立つのが関東の大きさだ。『根も葉もRumor』の時点で半分近くを占めていた関東だが、『元カレです』で全シングル以上のパーセンテージとなり、『久しぶりのリップグロス』では7割近くを占めている。『根も葉もRumor』以降のシングルには、東京以外の都市を拠点とする姉妹グループのメンバーが参加しておらず、その代わりに関東出身のAKB48のメンバーの参加が増えたことが、これらの結果に繋がったと考えられる。なお『久しぶりのリップグロス』の表題曲の選抜メンバー16人のうち、12人が関東出身である。
また、初週セールスは直近3作とも42万枚前後と安定したセールスとなっているが、『久しぶりのリップグロス』は、他2作よりも実店舗での売上が増加している。特に東京の初週売上枚数は『根も葉もRumor』のおよそ4倍となり、この1年で実店舗に足を運ぶファンが急増したことが推測できる。もちろんコロナウイルスの流行が落ち着き、CDショップに足を運ぶファンが戻ってきた可能性も考えられるが、「根も葉もRumor」と「元カレです」で難易度の高いダンスをセールスポイントにしたり、AKB48単独での露出が増え“箱推し”がしやすくなったことで、新しいファン層が開拓された可能性も考えられるだろう。
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