2022/10/18
aikoが、2022年10月12日に東京・Zepp Hanedaにて、ライブツアー【Love Like Rock Limited vol.2】の最終公演を行った。アンコール、18曲目の「ストロー」を歌い終えたaikoはバンドメンバーと手を繋ぎ終演の挨拶をして大団円……かと思いきや、再び演奏開始。「ボーイフレンド」など数曲を歌い挨拶をしてライブ終了、と思わせておいてさらに演奏開始と、アドリブを交えながら三度のアンコールで、終わってみれば3時間24曲(うち1曲はメドレー)の大熱演となった。
ファンクラブ「Baby Peenats」&モバイルサイト「team aiko」会員限定ライブとして行われたこのツアーは、8月6日のZepp Hanedaから始まり当初は16公演が予定されていたものの、Zepp Nagoya2日間、Zepp Fukuoka2日間、Zepp Osaka Baysideの1日は2023年に延期に。この日のZepp Hanedaが一旦のツアーファイナルだ。
緩やかなグルーヴがやがて熱を帯びてくる「ゆあそん」でライブの幕が開くと、「最終日だぜ~!みなさん今日は楽しんで帰ってください。aikoです!」との第一声から、「させないで」へと続く。リズミカルにテンポアップした「ねがう夜」ではサブステージをぐるりと取り囲んだ大勢のオーディエンスに前のめりに近づいて歌う。1階フロアも2階席もギッシリとお客さんが入っていて、ものすごい熱気が渦巻いている。
煌びやかなライティングの中、バンド(浜口高知(Gt.)設楽博臣(Gt.)須長和広(Ba.)神谷洵平(Dr.)朝倉真司(Per.)佐藤達哉(Key.)島田昌典(Key.))の疾走感溢れる演奏とオーディエンスのハンドクラップで一体となった「その目に映して」、ピアノのパーカッシブで明るい音色に導かれた「beat」と、aikoならではのポップロックが心地良く会場に響く。「エナジー」では、文字通り会場からのものすごい熱量のエナジーを、余裕しゃくしゃくの様子で受け止めながらパフォーマンス。歌い終わると、「楽しい!楽しすぎる!」と呟いた。
カルビーのポテトチップスCMソングとなっている「夏恋のライフ」を歌う前には、ポテトチップスにまつわるクイズをメンバーに出題する愉快なトークも展開。歌い出すとガラッと雰囲気が変わり、寂しさが漂うメロディに乗せて、独白するように〈自分らしくない毎日を無理やり忙しく過ごしてる〉と歌う。抑えた歌い回しながら感情が伝わってきて胸に迫った。この日は、「夏恋のライフ」も収録されている43枚目のシングル『果てしない二人』の発売日ということもあり、「帰りに会場を出たらCD売ってますから買って帰ってください!」とアピールすることも忘れない。フロアには購入したCDを掲げるファンの姿も見られた。
ファンクラブツアーということもあり、ライブはアットホームな雰囲気で進む。リズミカルなパーカッションと鍵盤がリードするダンサブルな「アスパラ」では、セカンドラインのリズムでステージ上とフロアが一体化する賑やかさの中、aikoの伸びやかな歌声が広がって行った。
「今日、なんか空気が違いますね。みんなのおかげでそういう空気な気がする。久しぶりの人とか、いつも来てくれている人がステージから見えることで、すごく勇気をいただいています。ありがとうございます」と感謝を伝えてから、「格好いいな」から「カブトムシ」まで、10曲をメドレーで披露した。緩急自在なボーカルを、メインステージとサブステージを動き回りお立ち台に腰掛けたりしながら、次々とテンポよく歌い上げるaiko。特に、情熱的なサウンドとソウルフルな歌唱による「Last」、サブステージで天井に伸びて行くライティングに包まれてしっとりと歌い上げた「カブトムシ」は名演だった。万雷の拍手がしばらく続いた後、「ありがとうございます。ファンクラブのライブなのでやりたい曲が多すぎて久しぶりにメドレーをやりました」と明かした。
アンコール1曲目では、新曲「果てしない二人」が披露された。ホーンセクションが加わり再現された華やかなサウンドに乗せて、ステップを踏みながら軽やかに歌うと、MCでは、再びCDの話題に触れた。「今、家にCDプレイヤーがないっていう人も多い。でも、CDをここまでずっと大事にしてきたし、これからもずっと大事にしていきたい。1人でも多くの人に曲を聴いてもらえるきっかけがいっぱいあったらいいなと思うから、みなさん1人ひとり宣伝部長になってaikoを宣伝してください。これからもみんなが胸を張って「aiko好きやねん」って言ってくれるように、そんな自分でいられるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします」と思いを伝えるaikoに大きな拍手が送られた。
メンバーと再び掛け算トークを繰り広げた後、唐突に始まった「帽子と水着と水平線」ではいったん曲が止まった後、途中からサンバ調のアレンジとなって右手をヒラヒラさせて踊りながら歌い、オーディエンスも踊り出す。カウントから再び元アレンジに戻ると、疾走する熱い演奏と歌で一体となった。続く「ストロー」で終演かと思いきや、バンドメンバーとステージ前で何やら相談している様子を見せるaiko。「終わりたくないんだよ!」と叫んで、「ドライブモード」「未来を拾いに」、さらに「もっと、もっとすごいことにしてやるぜ!」と煽りまくってから始まった「ボーイフレンド」で熱狂的な盛り上がりとなった。
さらに「be master of life」では凄まじいシャウトを聴かせる。激しく動き回りながらパフォーマンスしながら、こんな終盤にきてこの声量。無尽蔵のスタミナにあっけにとられた。曲が終わるとステージ前に全員集合して礼をしてから、なんとメンバーが三度セッション開始。「milk」を歌いながら、サブステージ前のカメラマンからカメラを奪取して撮影を始めるなど、自由すぎるステージングで楽しませた。「本当に最後!いこうぜー!」と叫んで始まったのは、ついさっき披露したばかりの「be master of life」を、BPMを思いっきり加速してパンキッシュにしたバージョン。全力疾走で駆け抜けるように歌ったaikoは、「本当に楽しかったです! みなさんと必ずまた会えますように。どうもありがとうございました!」と感謝して、とてつもないボリュームで楽しませたライブは幕を下ろした。2023年でデビュー25周年を迎えるaikoの、ますます魅力を増した歌声と音楽へのパッション、自由な魂を存分に受け取ることができた最高に熱い一日だった。
Text:岡本貴之
Photo:岡田貴之
◎ライブ情報
【aiko『Love Like Rock Limited vol.2』】
2022年10月12日(水)
東京・Zepp Haneda(TOKYO)
〈セットリスト〉
1.ゆあそん
2.させないで
3.ねがう夜
4.くちびる
5.その目に映して
6.赤いランプ
7.beat
8.エナジー
9.夏恋のライフ
10.雨踏むオーバーオール
11.アスパラ
12.メドレー(格好いいな~リップ~うん。~マント~戻れない明日~夏が帰る~遊園地~Last~犬になる~カブトムシ)
13.クラスメイト
14.花火
15.列車
<アンコール>
1. 果てしない二人
2. 帽子と水着と水平線
3. ストロー
4. ドライブモード
5. 未来を拾いに
6. ボーイフレンド
7. be master of life
8. milk
9. be master of life
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