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2013/04/15 15:31

ジョージ・クリントン来日公演、“ファンクは地球を救う―”

 1曲目の「コズミック・スロップ」が始まって、ちょっと驚いた。バンドの演奏が、実に引き締まっている。3人のギターが曲を引っ張り、4人のヴォーカルがグイグイと空気を煽っていく。こんなにタイトなジョージ・クリントンのバンドの演奏は聴いたことがない。

 壮絶だった89年の初来日公演以来、僕はジョージ・クリントンのコンサートを何度か見ている。90年代にはロンドンでプライマル・スクリームとのダブル・ヘッドライナーのコンサートも見た。しかし、今回ほどタイトな演奏を聴かせるクリントンのバンドは初めてだ。ステージの上には常に15人前後のメンバーがいたのだが、平均年齢がいつになく若そうなのがその要因に違いない。

 「フラッシュ・ライト」や「ニー・ディープ」など、パーラメントとファンカデリックの代表曲が次々に演奏される。もちろん曲は長いジャムになり、アジア系のルックスをした女性がラップを聴かせに出てきたり、黒人女性がミディアム・スロウのR&Bを歌いに出てきたりもする。バック・ヴォーカル3人のうちのひとりは、白いバニー・ガールのコスチュームにローラースケートを履いたブロンドの美女。彼女が盛んにクリントンと絡んで場を盛り上げていたのも、今までのコンサートには見られなかったことだろう。

 当のクリントンは、何と黒のダブルのジャケット姿。メンバーの中でもっとも紳士的な衣装だったが、歌声と存在感に衰えはない。というか、今でもなお、メンバーの全員がクリントンの音楽を敬愛し、それを盛り上げるために本当に楽しそうに歌い演奏をする、そんな姿を見て胸が熱くなったのは僕だけではないだろう。

 ファンクは地球を救う――。終盤の「マザーシップ・コネクション」と「ギヴ・アップ・ザ・ファンク」では、六本木にマザーシップが降りてきたような高揚をしっかりと感じることができた。そして、2時間に及ぶコンサートのエンディングは、マイケル・ハンプトンのギターが映える「マゴット・ブレイン」。そこでは、89年の東京でギターを炸裂させたエディ・ヘイゼルの魂までが、確かに降りてきたのだった。


Text:宮子和眞(2013.4.14 2nd Stage)
Photo:成瀬正規(2013.4.12 1st Stage)

◎ライブ情報
日時:2013年4月12日(金)~14日(日)
会場:ビルボードライブ東京
日時:2013年4月16日(火)
会場:ビルボードライブ大阪
More Info:http://www.billboard-live.com/

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