5月には鈴木茂（完熟トリオ、ex.はっぴいえんど）をゲストに迎えた企画ライブの開催も決定している井乃頭蓄音団。メンバーの松尾よういちろう（vo,g）が4月8日に歌舞伎町 GOLDEN EGGで、自身の誕生日を祝うソロライブを行った。

　このイベントはタイトルに冠された【松尾よういちろう 生誕30＋2周年記念ワンマンショー】が表す通り、松尾の32歳の誕生日を祝して行われた。アコギを手にした彼が一人でステージに立つソロワンマンになるが、サポートやギターのチューニングは井乃頭蓄音団のメンバーたちが担当。2部構成であますことなく、松尾の持ち歌が披露された形だ。

　その楽曲なのだが、ともすれば最近の井乃頭蓄音団以上に凄い。もっといえばヒドいのだ。試しにこの日披露された楽曲をザッと挙げてみよう。

・母親から「仕事をしなさい」と急かされる妄想に背筋を凍らせる「金縛り」
・女性から出る赤と男性が出す白を混ぜてピンクにしようと微笑む「ピンク色の部屋」
・コンドーム三部作の一角にして、初めての相手が処女じゃなかったと慟哭する「コンドームの付け方がわからなかった」
・土下座で頼み込んで己の欲望を満たさんとする「元恋人」
・時代や女性のせいにして“僕は何にも悪くない”と開き直る「産まれる時代を間違えた」

　あまりに露骨であけすけな歌詞の数々は2ちゃんねるならVIPPER、ラジオなら『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』のリスナー、通称ゲスナーの心にジャストミートしそうな下衆っぷりなのである。

　さらには、ジャッキー・チェンの名作主題歌のカバーや、カラオケトラックを流してディナーショー風に場内を闊歩する「カントリーロード」。井乃頭蓄音団でもおなじみの名曲をリアレンジを施しラップ調でたたみかける迷曲「TOMODACHI」から、果ては詳細を割愛したい「スメルズライク北朝鮮」まで、まさに圧巻のセットリストに。最後には先日加入が発表されたばかりの新メンバー 大貫（b）よりバースデーケーキが渡され、イベントは大団円を迎えた。

　この生誕ショーは4月14日に大阪 谷町四丁目SKIPPYでも開催されるが、井乃頭蓄音団としては4月19日 仙台FLYINGSONで行われるイベントで新体制の初お披露目に。また、7月6日に開催される大阪アメリカ村サーキットフェス【見放題2013】への出演も決定している。

◎井乃頭蓄音団 歌詞一覧
http://inokashira.jp/pc/uta.html

◎【松尾よういちろう 生誕30＋2周年記念ワンマンショー】
2013/04/08（月） at 歌舞伎町 GOLDEN EGG
セットリスト：
［第一部］
01.ともだち
02.ともだち（イントロのみ）
03.公衆便所で
04.金縛り
05.この指とまれ
06.ピンク色の部屋
07.ネッシー
08.コンドームの付け方がわからなかった
09.元恋人
10.なにがなんだかわからない
11.100円玉～赤紙～ラブレター～請求書～婚姻届
13.縁起の良い歌
14.英雄故事（映画『ポリス・ストーリー』より、原曲：ジャッキー・チェン）
15.東方的威風（映画『プロジェクトA』より、原曲：ジャッキー・チェン）
16.素直な自分

［第二部］
17.デスコ
18.TOMODACHI
19.産まれる時代を間違えた
20.人生
21.誕生日
22.白い白人達
23.ギョニソフレンズ
24.冬～夏～秋
25.腰痛
26.親が泣く
27.カントリーロード
28.スメルズライク北朝鮮

［アンコール］
En1.コンドームになりたい
En2.コンドームの歌
En3.帰れなくなるじゃないか