2022/08/09
ビヨンセの「ブレイク・マイ・ソウル」が1位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
6月20日にリリースされた「ブレイク・マイ・ソウル」は、7月2日付で15位に初登場した後、翌9日付で7位にTOP10入り、9位、9位、7位、6位と上位をキープして、登場6週目で首位に到達した。
Hot 100での首位獲得は以下に続く8曲目のタイトルで、グループとして活動していたデスティニーズ・チャイルドのタイトル4曲を含めると、通算12曲目に記録を更新した。
ビヨンセ 首位獲得曲
「クレイジー・イン・ラヴ feat. ジェイ・Z」(2003年)
「ベイビー・ボーイ feat. ショーン・ポール」(2003年)
「チェック・オン・イット feat. スリム・サグ」(2006年)
「イレプレイスブル」(2006年)
「シングル・レディース(プット・ア・リング・オン・イット)」 (2008年)
エド・シーラン「パーフェクト with ビヨンセ」(2017年)
メーガン・ザ・スタリオン「サヴェージ feat. ビヨンセ」(2020年)
「ブレイク・マイ・ソウル」(2022年)
デスティニーズ・チャイルド 首位獲得曲
「ビルズ・ビルズ・ビルズ」(1999年)
「セイ・マイ・ネーム」(2000年)
「インディペンデント・ウーマン Part 1」(2000年)
「ブーティリシャス」(2001年)
「ブレイク・マイ・ソウル」は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で1位に初登場した新作『ルネッサンス』からのリード・シングルで、今週はアルバムに収録された全16曲が70位内にランクインしている。
1位「ブレイク・マイ・ソウル」
13位「カフ・イット」
19位「エイリアン・スーパースター」
22位「チャーチ・ガール」
26位「アイム・ザット・ガール」
27位「エナジー」
30位「コージー」
41位「プラスチック・オフ・ザ・ソファー」
43位「ヴァーゴズ・グルーヴ」
47位「サマー・ルネッサンス」
51位「ヒーテッド」
53位「シーク」
55位「ムーヴ」
64位「ピュア/ハニー」
69位「アメリカ・ハズ・ア・プロブレム」
70位「オール・アップ・イン・ユア・マインド」
アルバムのリリース効果により、前週から114%増加の1,890万回を記録してストリーミング・ソング・チャートでは25位から3位に急上昇。8%増加の6,170万回を記録して、エアプレイ・チャートでは4位をキープした。セールスも113%増加の13,000に上昇していて、今週のSales Gainer、Streaming Gainerの2冠を達成している。
今週の集計期間中(8月3日)には、オリジナル・バージョンに加えて6つのリミックスが追加されたEPがリリースされ、ポイントの上昇に繋げた。その2日後の8月5日には、マドンナの「ヴォーグ」をサンプリングした「The Queens Remix」がリリースされたため、次週もリミックスの反響によりポイントが上昇する可能性が高い。
ソロとして初めて首位を獲得した「クレイジー・イン・ラヴ」(2003年7月12日付)から今週(2022年8月13日付)「ブレイク・マイ・ソウル」がトップに立つまでの期間は19年1か月で、初週から最終週までのブランク記録を歴代9番目に更新した。
マライア・キャリー 31年5か月1週間(1990年8月4日~2022年1月8日)
シェール 28年5か月 (1971年11月6日~1999年4月3日)
エルトン・ジョン 24年11か月1週間(1973年2月3日~1998年1月10日)
ビーチ・ボーイズ 24年4か月 (1964年7月4日~1988年11月5日)
マイケル・ジャクソン 22年10か月3週間 (1972年10月14日~1995年9月2日)
スティーヴィー・ワンダー 22年6か月 (1963年8月10日~1986年2月8日)
ロッド・スチュワート 22年4か月 (1971年10月2日~1994年2月5日)
アレサ・フランクリン 19年10か月2週間 (1967年6月3日~1987年4月18日)
ビヨンセ 19年1か月 (2003年7月12日~2022年8月13日)
ジョージ・ハリスン 17年3週間 (1970年12月26日~1988年1月16日)
マドンナ 15年9か月1週間 (1984年12月22 日~2000年10月7日)
なお、デスティニーズ・チャイルドとして初めて首位を獲得した「ビルズ・ビルズ・ビルズ」(1999年7月17日)から今週までの期間は23年3週間で、上記のアーティストではシェールがソニー&シェールの記録を含めると33年7か月2週間 (1965年~1999年) 、マイケル・ジャクソンがジャクソン5の記録を含めて25年7か月1週間 (1970年~1995年) 、ジョージ・ハリスンがザ・ビートルズの記録を含めると23年11か月2週間(1964年~1988年) になる。
ビヨンセは、マライア・キャリーに続き、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4年代で1位を獲得した(デスティニーズ・チャイルドの記録を含む)。
前曲「サヴェージ」はメーガン・ザ・スタリオン、その前の「パーフェクト」もエド・シーラン名義のシングルということで、リード曲としては「シングル・レディース(プット・ア・リング・オン・イット)」以来、13年7か月ぶりの首位獲得となる。 前回首位を獲得してからの期間としては、シェールが「ダーク・レディ」(1974年3月)から「ビリーブ」(1999年3月)で打ち出した25年10日以来のブランク記録を更新した。
今週「ブレイク・マイ・ソウル」が1位を獲得したことで、ビヨンセは首位獲得総週を通算43週に更新し、歴代7番目に浮上した。
87週 マライア・キャリー
60週 リアーナ
59週 ザ・ビートルズ
52週 ドレイク
50週 ボーイズIIメン
47週 アッシャー
43週 ビヨンセ
デスティニーズ・チャイルドとして首位を獲得した4曲の総週は17週で、グループとしてのタイトルを含めると60週に、リアーナと記録を並べている。
「ブレイク・マイ・ソウル」は、1993年6月に最高5位を記録したロビンSの「Show Me Love」がサンプリングされていて、間接的ではあるがこの曲を制作したアレン・ジョージとフレッド・マクファーレンも初のNo.1タイトルを獲得したことになる。
タイトルに「ブレイク(Break)」が含まれる曲が首位を獲得したのは以下に続く3曲目で、「ソウル(Soul)」が含まれる曲では7曲目に記録を更新し、女性アーティストとしては初の快挙を達成した。
「ブレイク(Break)」
コニー・フランシス「ドント・ブレイク・ザ・ハート・ザット・ラヴズ・ユー」(1962年)
ニール・セダカ「悲しき慕情(Breaking Up Is Hard To Do)」(1962年)
エルトン・ジョン&キキ・ディー「ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート」(1976年)
トニー・ブラクストン「アンブレイク・マイ・ハート」(1996~97年)
マライア・キャリー「ハートブレイカー feat. ジェイ・Z」(1999年)
タイオ・クルーズ「ブレイク・ユア・ハート feat. リュダクリス」(2010年)
ビヨンセ「ブレイク・マイ・ソウル」(2022年)
「ソウル(Soul)」
ライチャス・ブラザーズ「ソウル&インスピレーション」(1966年)
ソウルジャ・ボーイ「クランク・ザット(ソウルジャ・ボーイ)」(2007年)
ビヨンセ「ブレイク・マイ・ソウル」(2022年)
その他、今週R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとR&Bソング・チャートでも首位に到達し、前者で10曲目、後者では3曲目のNo.1タイトルを獲得した。既に首位を獲得しているダンス/エレクトロニック・ソング・チャートでは、初登場から6週目をキープしている。なお、Hot 100、R&B/ヒップホップ・ソング・チャート、R&Bソング・チャート、ダンス/エレクトロニック・ソング・チャートの4冠を制したのは、「ブレイク・マイ・ソウル」が初の快挙。
「ブレイク・マイ・ソウル」の上昇により、先週まで2週間トップに立ったリゾの「アバウト・ダム・タイム」は2位にダウンしたが、前週から3%増加の9,390万回を記録して、エアプレイ・チャートでは5週目の首位を獲得している。
ハリー・スタイルズの「アズ・イット・ワズ」も2位から3位に順位を下げたが、今年のソング・オブ・ザ・サマーでは10週目の首位をキープしていて、今週も「レイト・ナイト・トーキング」(10位)の2曲をTOP10に送り込んでいる。
ケイト・ブッシュの「神秘の丘/Running Up That Hill (A Deal With God)」(1985年)も3位から4位にダウンしたが、ロック・ソング・チャート、ロック&オルタナティブ・ソング・チャート、オルタナティブ・ソング・チャートでは各9週目の首位をキープした。5位はフューチャーの「Wait for U feat. ドレイク&テムズ」が同位にランクインして、ラップ・ソング・チャートでは2週目の首位をキープ。ジャック・ハーロウの「ファースト・クラス」は、4位から6位に順位を下げた。
続いて7位には、スティーヴ・レイシーの「バッド・ハビット」が先週の11位から上昇し、自身初のTOP10入りを果たした。前週から8%増加の2,000万回を記録して、ストリーミング・ソング・チャートでも初のNo.1を獲得。エアプレイは247%増加の1,000万回、セールスも26%増加の800にそれぞれ上昇している。
「バッド・ハビット」は、7月16日に100位に初登場した後、7月30日付のアルバム・チャート“Billboard 200”で7位、R&B/ヒップホップ・アルバム・チャートで3位、ロック&オルタナティブ・アルバム・チャートでは1位に初登場した新作『ジェミニ・ライツ』のリリース効果によりポイントが上昇し、登場5週目で7位に到達した。
8位にバッド・バニーの「Me Porto Bonito with チェンチョ・コルレオーネ」を挟み、9位にもニッキー・ユーア&デイジーの「サンルーフ」が先週の12位からTOP10入りを果たしている。主要ポイントの上昇率も良く、セールスは21%増加の3,000、ストリーミングは6%増加の860万回、エアプレイは18%増加の5,570万回に急増し、今週のAirplay Gainerも獲得した。
ニッキー・ユーアは米カリフォルニア州オレンジ郡出身のシンガー・ソングライターで、LAを拠点とするプロデューサーのデイジーがSNSでダイレクト・メッセージを送ったことをキッカケに完成させ、2021年12月にリリースされた。TikTokでバイラル・ヒットしたことでブレイクし、その他の主要国でもチャートを上昇している。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは8月12日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「ブレイク・マイ・ソウル」ビヨンセ
2位「アバウト・ダム・タイム」リゾ
3位「アズ・イット・ワズ」ハリー・スタイルズ
4位「神秘の丘」ケイト・ブッシュ
5位「Wait for U」フューチャー feat. ドレイク&テムズ
6位「ファースト・クラス」ジャック・ハーロウ
7位「バッド・ハビット」スティーヴ・レイシー
8位「Me Porto Bonito」バッド・バニー with チェンチョ・コルレオーネ
9位「サンルーフ」ニッキー・ユーア&デイジー
10位「レイト・ナイト・トーキング」ハリー・スタイルズ
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