2022/08/08
ビヨンセの『ルネッサンス』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作『ルネッサンス』は、2016年4月に発表した前作『レモネード』から約6年ぶり、ソロとしては通算7枚目のスタジオ・アルバムで、Billboard 200ではその7作すべてが1位に初登場している。
1位『デンジャラスリィ・イン・ラヴ』(2003年)
1位『B'DAY』(2006年)
1位『アイ・アム...サーシャ・フィアース』(2008年)
1位『4』(2011年)
1位『ビヨンセ』(2013年)
1位『レモネード』(2016年)
1位『ルネッサンス』(2022年)
その他、ジェイ・Zとのユニット=ザ・カーターズ名義のアルバム『エヴリシング・イズ・ラヴ』(2018年)が2位、ライブ・アルバムの『ホームカミング:ザ・ライブ・アルバム』(2019年)が4位、映画『ライオン・キング』のインスパイアード・アルバム『ライオン・キング:ザ・ギフト』(2019年)が2位を獲得していて、通算10作目のTOP5入りを果たした。なお、デスティニーズ・チャイルド名義では以下の4作がランクインしていて、これを含めると通算14作目のTOP5入り、9作目の首位獲得となる。
5位『ライティングズ・オン・ザ・ウォール 』(1999年)
1位『サヴァイヴァー 』(2001年)
2位『デスティニー・フルフィルド』(2004年)
1位『ナンバーワンズ』(2005年)
Billboard 200で女性アーティストの作品が首位を獲得したのは、アデルの『30』(2021年12月4日~2022年1月8日付)以来30週ぶりで、レディー・ガガの『ジョアン』(2016年11月12日付)からホールジーの『ホープレス・ファウンテン・キングダム』(2017年6月24日付)の31週に次ぐブランク記録を達成した。
なお、アデルの『30』も2022年度のチャートでは1位(2021年12月4日~2022年1月8日付の6週)を獲得しているが、リリースは2021年11月で、2022年にリリースされた女性アーティストの作品としては 『ルネッサンス』 が現時点で初めて1位に初登場したアルバムとなる。
本作は、サプライズ・リリースされた『ビヨンセ』や『レモネード』と異なり、6月中旬に告知された後、6月20日にリード・シングル「ブレイク・マイ・ソウル」が解禁され、翌7月29日にリリースされた。また、『ビヨンセ』と『レモネード』は発売当初ストリーミングとデジタル・ダウンロードのみ可能だったが、『ルネッサンス』は発売日にCDとアナログ盤(LP)も発売されている。対して、『ビヨンセ』と『レモネード』は全ての曲のミュージック・ビデオが制作、公開されたビジュアル・アルバムの形態だったが、『ルネッサンス』から公式ミュージック・ビデオはまだ解禁されておらず、現時点ではビジュアライザーとリリック・ビデオのみが公開されている。
『ルネッサンス』の初動ユニットは332,000で、その内訳アルバム・セールスが190,000、アルバム・ストリーミング(SEA)が138,000、トラックによるユニット(TEA)が4,000だった。今年リリースした作品の週間ユニットとしては、6月4日付で1位に初登場したハリー・スタイルズの『ハリーズ・ハウス』(今週5位)が打ち出した521,000ユニットに次ぐ2番目に高い記録で、女性アーティストとしては7月30日付で2位に初登場したリゾの『スペシャル』が記録した69,000ユニットを大きく上回る、週間最高ユニットを更新した。
アルバムの週間ストリーミングは1億7,906万回で、2022年にリリースしたアルバムの週間ストリーミング数としては7番目、女性アーティストの作品としては最高記録を更新した。なお、女性アーティストによる2022年の週間最高ストリーミングは、2月12日付でドージャ・キャットの『プラネット・ハー』が記録した4,668万回で、初週の記録では前述の『スペシャル』が記録した3,707万回だった。
『ルネッサンス』は、2022年にリリースしたアルバムの週間セールスとしても、ハリー・スタイルズの『ハリーズ・ハウス』(6月4日付)が記録した330,000枚、BTSの『Proof』(6月25日付)が記録した266,000枚に次ぐ3番目、女性アーティストの作品としては最高売上を更新している。今週獲得した190,000枚の内訳、CDの売上が121,000枚、デジタル・ダウンロードは43,000枚、アナログ盤(LP)が26,000枚で、1991年に集計が始まったMRCデータによるアナログ盤の週間セールスでは、R&B/ヒップホップにカテゴライズされる女性アーティストの最高売上を更新した。売上(190,000枚)の72%はインターネット販売によるもので、公式ウェブサイトでリリースされた4つの限定版ボックス・セットCDとアナログの限定プレス盤は、発売日の前に完売している。
インターネットで販売されたフィジカルが好調だったとはいえ、セールスを除くストリーミングのみの記録だけでも138,000を獲得していて、今週2位にダウンしたバッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』が獲得した週間ユニット104,000(7%増加)を上回り、1位に初登場していたことになる。なお『Un Verano Sin Ti』は8月5日にCDがリリースされたため、次週のチャートではセールスが急増することが予想される。
続いて今週3位には、韓国の8人組男性ユニット=ATEEZの『THE WORLD EP.1: MOVEMENT』が初登場し、グループ初のTOP10入りを果たした。なお、これまでの最高位は2021年に『ZERO : FEVER Part.3』が記録した42位で、大きく順位を上げている。
『THE WORLD EP.1: MOVEMENT』の初動ユニットは50,000で、その内訳47,000がアルバム・セールス、3,000がアルバム・ストリーミング (全7曲 / 402万回) だった。多くのK-POPアルバムと同様に、本作も数種類のパッケージによるCDの売上がセールス全体の97%を占め、デジタル・ダウンロードはわずか3%程度(1,000枚強)だった。なお、現時点ではアナログ盤(LP)とカセットテープはリリースされていない。
4位にモーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(49,000ユニット/ 1%増加)、5位にハリー・スタイルズの『ハリーズ・ハウス』(46,000ユニット/ 4%減少)を挟み、6位にも韓国の人気ボーイズ・グループ=ENHYPENの『MANIFESTO : DAY 1』がデビューし、今週はK-POP作品がTOP10に2作初登場した。これまでの最高位は、2021年10月に『Dimension: Dilemma』が記録した11位で、グループ初のTOP10入り、4作目のTOP20入りを果たしている。
『MANIFESTO : DAY 1』の初動ユニットは39,000で、その内訳38,000がアルバム・セールス、アルバム・ストリーミングはわずか1,000 (129万回) だった。本作は、ターゲット限定で販売されたものを含む数種類のパッケージ等によるCDの売上が全体のほとんどを占めていて、デジタル・ダウンロードはごくわずかだった。『MANIFESTO : DAY 1』も、現時点ではアナログ盤(LP)とカセットテープの販売はしていない。
続いて7位には、米ルイジアナ州出身のヒップホップ・デュオ=スーサイドボーイズの3rdアルバム『Sing Me a Lullaby, My Sweet Temptation』が初登場し、1stアルバム『I Want to Die in New Orleans』(2018年 / 9位)、2ndアルバム『Long Term Effects of Suffering』(2021年 / 7位)に続く3作目のTOP10入りを果たした。初動ユニットは37,000で、その内訳33,000がアルバム・ストリーミング(4,531万回)、4,000がアルバム・セールス、トラックによるユニットはわずかだった。
今週は、8位にも米カリフォルニア州出身の5人組ハードコア・バンド=ダンス・ギャヴィン・ダンスの新作『ジャックポット・ジューサー』が初登場し、TOP10に5作がデビューしている。
『ジャックポット・ジューサー』は、2020年4月にリリースした前作『アフターバーナー』(最高14位)以来約2年ぶり、10枚目のスタジオ・アルバムで、これまでランクインした11作中5作がTOP40入りしているが、TOP10入りは本作が初の快挙となる。初動ユニットは33,500の内訳、25,500がアルバム・セールス、8,000がアルバム・ストリーミング(1,037万回)で、週間セールスとしてはグループの過去最高売上を更新した。セールス25,500枚のうち14,000枚がアナログ盤による売上で、1位の『ルネッサンス』に次ぐ週間LPセールスを記録している。
以下、9位は先週の5位からフューチャーの『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』 (31,000ユニット / 7%減少)が、10位もドレイクの『オネストリー、ネヴァーマインド』(29,000ユニット / 9%減少)が先週の6位からそれぞれランクダウンしている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは8月12日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ルネッサンス』ビヨンセ
2位『Un Verano Sin Ti』バッド・バニー
3位『THE WORLD EP.1: MOVEMENT』ATEEZ
4位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
5位『ハリーズ・ハウス』ハリー・スタイルズ
6位『MANIFESTO : DAY 1』ENHYPEN
7位『Sing Me a Lullaby, My Sweet Temptation』スーサイドボーイズ
8位『ジャックポット・ジューサー』ダンス・ギャヴィン・ダンス
9位『アイ・ネヴァー・ライクド・ユー』フューチャー
10位『オネストリー、ネヴァーマインド』ドレイク
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