2022/06/10
2022年上半期Billboard JAPANトップ・アーティスト・チャート“Artist 100”で、YOASOBIが総合首位を獲得した。
昨年度年間では下半期でBTSに逆転されたYOASOBIだったが、“HOT 100”に8曲、“HOT Albums”に2タイトルをチャートイン。ストリーミング1位、ダウンロード3位、動画再生6位、CD 12位、ラジオ21位、Twitter 18位、カラオケ6位と、特にストリーミングとダウンロードが牽引し、総合首位となった。これら8指標のうち、Chart insight plus( https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/113097/2 )を用いた下図のとおり、“HOT 100”におけるストリーミング指標推移と当アーティスト楽曲が露出された地上波番組の視聴率合算棒グラフが近似していることがわかる。上半期で最も視聴率合算が高かった2021年12月6日週の、高視聴率(≒露出効果が高かった)番組トップ3は『新・情報7daysニュースキャスター』『シューイチ』『ニュースウォッチ9』で、ストリーミング・ポイントもピークとなった。
同じように総合2位となった優里も見てみよう。“HOT 100”には5曲、“HOT Albums”には1タイトルがチャートイン。カラオケ1位、ストリーミング2位、ダウンロード5位、動画再生8位、CD 27位、ラジオ45位、Twitter 36位と、YOASOBI同様ストリーミングとダウンロードが牽引していることに加え、カラオケ指標が総合順位を押し上げている。一方、Chart insight plusのストリーミング推移をみると、YOASOBIとは異なり、今年2月以降のストリーミング推移と視聴率合算グラフが近似しなくなっている。最もストリーミング・ポイントが高かったのは22年1月10日週で、今年度上半期期間における露出番組の合算視聴率では第3位の週にあたる。その週で視聴率が高かった番組トップ3は『シューイチ』『ミュージックステーション2時間SP』『めざましテレビ(1月13日放送回)』だった。
“HOT 100”同様、複数曲のチャートインが上位入りの必須条件である“Artist 100”でも、ニューカマーの健闘が目立ち、総合6位にAdo、7位にVaundy、11位にSaucy Dog、12位にマカロニえんぴつ、13位に藤井 風、19位にBE:FIRSTが並んでいる。本人露出が少ないAdoとVaundyのChart insight plusにおけるストリーミング図をみると、ストリーミング推移と視聴率合算棒グラフが近似していることが明らかだ。また、Adoの楽曲は週ごとに継続的に使用されているためにストリーミングのポイントをコンスタントに上げているが、Vaundyは断続的な使用に留まり、それがストリーミング・ポイントの増減の大きさの一因となっている。最もストリーミング・ポイントと視聴率合算が高い週は双方とも一致し、Adoは1月24日週で、トップ3は『シューイチ』『ドクターホワイト(Ado主題歌起用)』『Nスタ』、Vaundyは2月21日週で『シューイチ』『めざましテレビ(2月21日放送回)』『ZIP!(2月21日放送回)』だった。
以上のことから、地上波における楽曲の露出がプロモーション効果としては有効であることが分かった。本人の露出は必ずしも必要ではなく、かつ音楽番組での露出である必要もないが、継続的な露出がアーティストの認知を広げ、ファンダムの活性化に繋がる傾向にあるようだ。ただし、一方の反例として、優里のストリーミング推移が番組露出との相関を外れてきていることから、地上波露出がビッグヒットのための絶対条件ではないことも示しており、認知を広げる新たなサイクルが生まれつつあることも確かだろう。そして、そのサイクルをキャッチすることが、昔ほどの訴求力が無くなったと言われて久しい地上波の活性化に繋がることを翻って示しているとも言えるだろう。
Text by 礒﨑誠二
◎YOASOBI・Ayase コメント
めちゃくちゃ嬉しいです。去年は上半期で首位だったけど、年間では2位ですごく悔しかったので。この半年間で音源のリリースは「ミスター」だけなので、びっくり嬉しいみたいな感じです。今までに比べると、みんながYOASOBIに触れてくれる機会は決して多いわけではなかったし、そんななかでもたくさん聴いてくれたというのは本当に嬉しいなと。
◎YOASOBI・ikura コメント
私も驚き嬉しいって感じで。アルバムのチャートを見ると今でも『THE BOOK』も『THE BOOK 2』も入っていて、たくさんの方に長く聴いていただいているんだなという実感があって、嬉しい気持ちでいっぱいです。
【2022年上半期Billboard JAPAN “Artist 100”】トップ10
1位 YOASOBI
2位 優里
3位 BTS
4位 King Gnu
5位 Official髭男dism
6位 Ado
7位 Vaundy
8位 back number
9位 あいみょん
10位 Aimer
集計期間:2021年11月29日(月)~2022年5月29日(日)
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像