2022/05/19 11:45
現地時間2022年5月18日、テイラー・スウィフトが米ブロンクスのヤンキー・スタジアムで行われたニューヨーク大学(NYU)の学位授与式で名誉芸術博士号を授与され、スピーチを行った。
紫の博士ガウンとキャップ、お決まりの赤いリップを塗ったテイラーは、「私が最後にこのサイズのスタジアムにいた時は、ヒールを履いてキラキラしたレオタードを着て踊っていました」と、今年3月に名誉学位の授与が発表されて以来、彼女の登場を待ちわびていた約3,000人のNYUの学生に向かって述べ、「今日の服装の方がずっと快適です」と続けた。
テイラーは、音楽業界における壁を打ち破った功績、業界の固定観念に対する大胆な挑戦、慈善活動やアクティビズムが評価され、NYUの2022年度卒業生のスピーカーとして選出された。新型コロナウイルスのパンデミック以来初となる同大学の対面での学位授与式への彼女の登場は、チケットの転売禁止や規則違反者から学位を取り消すという通達にもかかわらず、卒業する学生(2枚のチケットが与えられる)とチケットを求める学生以外のファンとの間でチケットが不正に取引される事態を引き起こした。
彼女は、「厳密に言えば、少なくとも書類上で、私をドクター(博士号取得者)にしてくれたNYUに感謝したいと思います」と述べた。そして「キャッチーなフックと強烈なカタルシスを引き起こすブリッジを持つ曲をどうしても聴く必要があるというかなり具体的なものでない限り、緊急事態が発生した時に周りにいて欲しいタイプのドクターではありません。あるいは、1分間で50種類以上の猫の種類の名前を言える人が必要という緊急事態でなければ」と冗談を言った。
ドクターに関する冗談や歌詞の引用はさておき、彼女は卒業生に人生の知恵も共有した。実際の大学生活を経験していないテイラーは、各地のラジオ局へのプロモーション・ツアーをこなす中、大学でのおとぎ話のような出会いを夢見ながら、“空港のターミナル”で高校を卒業したと振り返り、それが「ラヴ・ストーリー」のMVのインスピレーションになったと話した。
キャリアを振り返る彼女のスピーチは、彼女が有名になったのと同じ時期に成人した卒業生たちの間で共感を呼んだ。今年初め、NYUのクライヴ・デイヴィス・インスティチュートは、テイラーに関するコースを開講したが、長いキャンセル待ちが出るほど学生たちの間で人気が高かった。講師は、米ローリング・ストーン誌のシニア・ライターであるブリタニー・スパノスが担当した。
ジャーナリズムと社会・文化分析の学位を取得し、この日卒業したNYUの学生である21歳のAnna Cuciurean-Zapanは、テイラーの熱心な長年のファンだ。彼女にとっては、テイラーのスピーチの中で完璧主義がもたらすプレッシャーについての部分が特に印象的だったようだ。また、マサチューセッツ工科大学初の女性学長を務めたスーザン・ホックフィールドや有色人種・ラテンアメリカ人として初めてニューヨーク市立大学の学長となったフェリックス・V・マトス・ロドリゲスなど、一緒に名誉学位を授与された学者の功績にテイラーが言及したことを高く評価した。 Annaは、「テイラーは、“私の人生はまったくまともではない”というようなことについて話していました」と述べ、「彼女は今でも、音楽ビジネスに入ったばかりの頃の話に共感が持てるようです。自分がなりたいものになるために、ただ一生懸命になることは誰もが共感できることです」と説明した。
名誉学位授与者の推薦プロセスは極秘であるが、NYUの主任広報担当者のジョン・ベックマンは米ニューヨーク・タイムズ紙に「名誉学位の授与は、NYUが非常に真剣に取り組んでいるものです」と語った。「NYUコミュニティのメンバーによる書面での正式な推薦に始まり、スタッフによる吟味、そして大学議会による審査と承認、最終的に理事会による承認という、広範囲にわたる選考過程を経ています」と説明した。
2014年、NYUは故アレサ・フランクリンに名誉芸術博士号を授与し、2011年にはソニー・ミュージックの重要人物であり、NYUのクライヴ・デイヴィス・インスティチュート・オブ・レコーデッド・ミュージックの名前の由来となったクライヴ・デイヴィスが、ビル・クリントン元大統領と共に名誉学位を授与されている。
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