2022/04/27
ラッパーとして音楽活動をスタートさせたマシン・ガン・ケリー(MGK)だが、ここ最近はポップ・パンク・リバイバルの立役者としてのイメージがすっかり定着し、ブリンク182のトラヴィス・バーカーと共に『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』と『メインストリーム・セルアウト』という2枚のポップ・パンク・アルバムを制作し商業的に大成功を収めた。
そんな32歳の彼が、次の作品では自身の原点に立ち返るつもりだと最近の『Audacy Check In with Kevan Kenney』のインタビューで明かした。次のアルバムは、自身の最初の4つのフル・アルバム、2012年の『レイス・アップ』、2015年の『ジェネラル・アドミッション』、2017年の『ブルーム』、そして2019年の『ホテル・ディアブロ』に近いラップ・アルバムになると彼は語っている。
マシン・ガン・ケリーことコールソン・ベイカーはこのインタビューで、「自分のためにラップ・アルバムを作るんだ。他に理由はないし、証明するような言い分もないし、不満があるわけでもない。もし人に何かを証明するために物事をやり続けたら、1つは自分自身が発狂するだろうし、2つは良い作品を作れなくなる」と述べている。
だからといって、ここ数年自身が切り開いてきたモダン・パンク・ロックのモデルに完全に別れを告げるつもりはないようで、「“ティケッツ(・トゥ・マイ・ダウンフォール)”と“メインストリーム・セルアウト”を作ったのは、作りたかったからだよ。今度は(ポップ・パンクの)音を懐かしんでもらうことも必要なんだ。このツアーをやってから、“ホテル・ディアブロ”で中断したところに踏み込んで、ラッパーとしてのストーリーテリングを広げ、ヒップホップのマシン・ガン・ケリーのための新しい革新的なサウンドを見つけるつもりだ。俺が興奮する場所はそこで、音楽考古学者としての自分が探求したい場所なんだ」と彼は続けている。
MGKの現在のジャンルからの脱却は、彼のパンク・ロッカーとしてのペルソナを気に入っているファン層を動揺させるかもしれない。その中にはミック・ジャガーも含まれており、彼は最近MGKと英アーティストのヤングブラッドの名前を挙げ、二人の「ポスト・パンクなバイブスが、ロックンロールにまだ少しは命があると思わせてくれる」と語っていた。
だがMGK本人が指摘するように、彼のラップ・アルバムでさえ、独自のパンク・ロック的な気合いが入っていた。彼は、「トラヴィスを例に挙げると、僕はブリンクが大好きで、ずっとバンドのファンだったんだけど、自分がずっと好きだったヒップホップと自分が作っているものとの間で、自分なりのバランスを取るようになった。自分のアルバム・サウンドに(ロックを)取り入れようと思った時、“ブルーム”という3枚目のアルバムで試したんだ。歌いながらギターを弾いていたんだけど、(思い描くスタイルまで)あと一歩だった」と振り返っている。
そして、『ホテル・ディアブロ』でトラヴィスとヤンブラッドとコラボした「アイ・シンク・アイム・オーケイ」が実現した。彼は、「あれが起こって聴いたとき、“ああ、これこそ俺が何年もやろうとしていたことだ”と思ったんだ」と語っている。
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