2022/04/20
エアロスミスの結成50周年を記念して、初期の音源の1つである『1971: ザ・ロード・スターツ・ヒア』の日本盤CDが2022年4月20日に発売となった(デジタル・輸入盤は4月8日に発売)。
1971年に録音されたこの貴重な音源は、エアロスミスのアーカイブ保管庫ヴィンダルー・ヴォールツで最近になって発見されたものだ。元々は2021年の【レコード・ストア・デイ】(RSD)に合わせて、カセット・テープとアナログ盤レコードのみが限定発売されていた。高い人気を集めたこのRSD限定版は即座に完売した。米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”にもチャートインを果たし、トップ・ハード・ロック・アルバム・チャートで2位、トップ・ロック・アルバム・チャートで12位、アナログ・アルバム・チャートで13位、トップ・アルバム・セールス・チャートで19位を記録した。
画期的な発見となったこの初期音源は、かの悪名高い移動車の所有者でエアロスミスのロードクルー役を一人で切り盛りしていたマーク・リーマンが、ジョー・ペリー所有のウォレンサック社製オープン・リール式テープ・レコーダーを使い1971年に録音したものとなっている。ここで聴けるのは、米ボストンにあったエアロスミスのリハーサル・ルームで数人の選ばれた友人達を前に披露した演奏か、もしくは初期ライブのサウンドチェック中にバンドが行ったリハーサルの様子だ。確実に言えるのは、ハングリー精神溢れる若きロック・バンドがコロンビア・レコードに見出されて契約を交わす1年前、そして彼らを史上最大級のロック・バンドへと押し上げる躍進のきっかけとなったメジャー・デビュー作『野獣生誕(原題;Aerosmith)』がリリースされる2年前のその姿が、このテープに収められているということだ。本作のプロデュースを手掛けたのは、スティーヴン・タイラー、ジョー・ペリー、スティーヴ・バーコウィッツとなっている。
『1971: ザ・ロード・スターツ・ヒア』には、未公開アーカイブ写真やオリジナル・カセットテープのレーベル画像が装丁に使用されているのに加え、米ローリング・ストーン誌のデイヴィッド・フリックが執筆したライナーノーツには、長い間忘れられていたこの音源についてバンドが語った新たなインタビューやコメントが掲載されている。日本盤は全訳付きとなっている。本アルバムに参加しているのは、エアロスミスのオリジナル・メンバーと現役メンバー、スティーヴン・タイラー、ジョー・ペリー、トム・ハミルトン、ジョーイ・クレイマー、ブラッド・ウィットフォードといった面々だ。
この歴史的音源には、後に正式な形でレコーディングされ、1973年のメジャー・デビュー曲となった「ドリーム・オン」の初期バージョンを含む、7曲が収録されている。未来の【ロックの殿堂】入りメンバー達がキャリア初期に発揮していた、奔放な才能がそこに示されている。エアロスミスは、最初の発表から半世紀近くを経た後、同じ曲で再チャートインを果たした数少ないバンドの一つだ。その「ドリーム・オン」は、1973年に米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で59位を記録するヒットとなった後、2020年に再びハードロック・ストリーミング・ソング・チャートで4位を記録している。
本作には他にも、「サムバディ」、「ムーヴィン・アウト」、「ウォーキン・ザ・ドッグ」、「ママ・キン」など、どれも後に彼らの画期的デビュー・アルバムに収録されることになる珠玉の楽曲群の初期音源が収録されている。さらには、後に1979年のアルバム『ナイト・イン・ザ・ラッツ(原題:Night In The Ruts)』に収録された「リーファー・ヘッド・ウーマン」や、1986年にリリースされた『ライヴ・クラシックス(原題:Classics Live)』収録の「メジャー・バーバラ」等も含まれている。
◎リリース情報
アルバム『1971: ザ・ロード・スターツ・ヒア』
2022/4/20 RELEASE
UICY-16056 2,750円(tax incl.)
※日本盤のみSHM-CD仕様
https://umj.lnk.to/Aerosmith_1971trshPR
Photo by Zack Whitford
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