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2022/04/05

【米ビルボード・ソング・チャート】 グラス・アニマルズ5週連続首位、ラトー「ビッグ・エナジー」3位へ急上昇

 グラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」が5週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 初登場から59週目の2022年3月12日付で1位に到達してから、今週で5週連続の快挙を達成した「ヒート・ウェイヴス」。その他、週間6,510万回を記録してエアプレイ・チャートで4週目、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートでも、それぞれ28週目に首位獲得週を更新。ストリーミング・ソング・チャートでは、1,480万回(2%減少)を記録して3位(TOP3)をキープしている。

 「ヒート・ウェイヴス」は、フロントマンのデイヴ・ベイリーが単独でソングライター/プロデュースを務めた曲で、この曲が首位を獲得する前の2月5日から3月5日付までの同5週を記録した「秘密のブルーノ」(今週8位)もリン=マニュエル・ミランダが単独で書いた曲となる。合算するとソングライターのクレジットが一人のみの曲が今週で10週連続で1位を獲得したことになる。これは2014年3月から10週をマークしたファレル・ウィリアムスの「ハッピー」以来で、それ以前には、1994年8月から11月にリサ・ローブ&ナイン・ストーリーズの「ステイ」(リサ・ローブ作 / 3週1位)と、ボーイズIIメンの「メイク・ラヴ・トゥ・ユー」(ベイビーフェイス作 / 14週1位)が計17週の連続記録を達成している。

 また、一人のソングライターによる楽曲が2曲連続で5週以上首位を獲得したのは、1980年11月15日から12月20日まで6週を記録したケニー・ロジャースの「レイディー」(ライオネル・リッチー作)と、12月27日から1981年1月24日まで5週を記録したジョン・レノンの「スターティング・オーヴァー」(ジョン・レノン作)が計11週を記録して以来、約41年ぶりの記録となる。

 イギリス出身のグループによる楽曲が5週以上首位を獲得したのは、1993年7月24日から9月4日付まで7週を記録したUB40の「好きにならずにいられない」以来約29年ぶりで、ザ・ビートルズ、ウイングスと並ぶ4位に記録を更新した。

9週 ザ・ビートルズ「ヘイ・ジュード」(1968年)
8週 ポリス「見つめていたい」(1983年)
8週 ビー・ジーズ「恋のナイト・フィーバー」(1978年)
7週 UB40「好きにならずにいられない」(1993年)
7週 ザ・ビートルズ「抱きしめたい」(1964年)
5週 ウイングス「心のラヴ・ソング」(1976年)
5週 ザ・ビートルズ「ゲット・バック with ビリー・プレストン」(1969年)
5週 ザ・ビートルズ「キャント・バイ・ミー・ラヴ」(1964年)

※ビージーズは幼少期にオーストラリアへ移住しているが生まれがマン島であり、ポリスとウイングスも米国(アメリカ)出身のメンバーがいるが、フロントマンとその他のメンバーがイギリス出身のため、この記録に含まれている。

 なお、イギリス出身のアーティストの最長記録はマーク・ロンソンの「アップタウン・ファンク with ブルーノ・マーズ(米国出身)」(2015年)、エルトン・ジョンの「サムシング・アバウト・ザ・ウェイ・ユールック・トゥナイト / キャンドル・イン・ザ・ウインド1997」(1997~98年)で、それぞれ14週をマークした。

 2週前に2位に再浮上したジャスティン・ビーバー&ザ・キッド・ラロイの「ステイ」は今週も同位に、3週連続で2位をキープした。これで、2位にランクインした総週を今週で14週目に、1位を含むTOP2にランクインした総週を21週目に、TOP3にランクインした総週を23週目にそれぞれ更新している。

 また、3位に初登場した2021年7月24日付から今週でTOP10の連続ランクイン記録を38週目に更新し、同38週を記録したポスト・マローンの「サークルズ」(2019年~20年)の歴代最長記録に並んだ。現時点で2位にランクインしているため、次週単独トップに立つ可能性が高い。Hot 100の他、6,150万回(2%増加)を記録してエアプレイ・チャートでも同2位に、1,100万回を記録してストリーミング・チャートでは8位から7位に再浮上している。

 続いて今週3位にランクインしたのは、米ジョージア州アトランタ出身の女性ラッパー=ラトーの「ビッグ・エナジー」。リリースは昨年の9月だが、3月25日に同曲を含む2ndアルバム『777』が、3月28日にマライア・キャリーとDJキャレドをフィーチャーしたリミックスがリリースされ、今週各ポイントが急増し先週の11位からジャンプアップした。なお、今週はそのリミックスがオリジナルのポイントを上回っていないため、マライア・キャリーとDJキャレドのクレジットはなく、チャートの記録にも含まれていない。

 「ビッグ・エナジー」には、1981年に同チャート31位を記録したトム・トム・クラブ「悪魔のラヴ・ソング」がサンプリングされているが、マライアはこの曲を使用した自身の「ファンタジー」の一部をリミックスで披露している。「ファンタジー」は1995年に8週間1位を獲得していて、今後「ビッグ・エナジー」が首位に到達すれば、マライアとトム・トム・クラブは同じ曲で2曲目の快挙を達成することになる。なお、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは今週1位に上昇し、ラトーは自身初のNo.1タイトルを獲得した。

 そのリミックスの反響により、前週から146%増加の12,900を記録して、デジタル・ソング・セールス・チャートで5位から2位、8%増加の5,270万回を記録して、エアプレイ・チャートでも7位から6位にそれぞれ上昇。36%増加の950万回を記録して、ストリーミング・チャートでは14位に初登場した。その主要3チャートでは、それぞれその週最も伸びた曲に贈られるSales、Airplay、Streaming Gainerを獲得していて、2021年10月30日付でアデルの「イージー・オン・ミー」が達成して以来約5か月ぶりに、3チャート同時の受賞を果たした。

 「ビッグ・エナジー」がTOP3入りしたことで、先週3位にランクインしていたコダック・ブラックの「スーパー・グレムリン」は4位にダウン。一方、先週7位に浮上したイマジン・ドラゴンズとJ.I.Dのコラボレーション「エネミー」は5位に最高位を更新した。イマジン・ドラゴンズは、「レディオアクティヴ」(2013年 / 3位)、「ビリーヴァー」(2017年 / 4位)、「サンダー」(2017年 / 4位)に続く4曲目、J.I.Dは初のTOP5入りとなる。

 以下、ジャスティン・ビーバーの「ゴースト」が5位から6位、ゲイルの「abcdefu」が4位から7位、前述の「秘密のブルーノ」が6位から8位、先週8位に上昇したリル・ナズ・Xの「ザッツ・ホワット・アイ・ウォント」も9位に、ドージャ・キャットの「ウーマン」も9位から10位にそれぞれ順位を下げた。「秘密のブルーノ」は1,860万回(4%減少)を記録してストリーミング・チャートで13週目、ドージャ・キャットの「ウーマン」はR&Bソング・チャートで5週目の首位をそれぞれ獲得している。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは4月8日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
2位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
3位「ビッグ・エナジー」ラトー
4位「スーパー・グレムリン」コダック・ブラック
5位「エネミー」イマジン・ドラゴンズ&J.I.D
6位「ゴースト」ジャスティン・ビーバー
7位「abcdefu」ゲイル
8位「秘密のブルーノ」カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティーリョ、アダーサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレーロ、ステファニー・ベアトリス、エンカント・キャスト
9位「ザッツ・ワット・アイ・ウォント」リル・ナズ・X
10位「ウーマン」ドージャ・キャット

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