2022/03/25
来る【第64回グラミー賞】で主要4部門を含む7つのノミネーションを受けているオリヴィア・ロドリゴは、2020年代を代表する女性シンガー・ソングライターといっても過言ではない。デビュー曲「drivers license」で世界中の老若男女の心をつかんだ若きスターは、全米No.1記録はもちろん、米ビルボードや米タイム誌が選ぶ“今年の顔”、そしてバイデン大統領とともに新型コロナウイルスのワクチン接種を促す活動を展開するなど、多くのエンターテイナーが欲する功績と地位の多くを弱冠18歳で手にした。希代の新人シンガーの大ヒット・アルバム『サワー』の制作舞台裏を追ったドキュメンタリー『オリヴィア・ロドリゴ:ドライビング・ホーム・2・ユー』がディズニープラスの「スター」で独占配信スタート。各国メディア向けに開かれた会見で、彼女が語った言葉をお伝えする。
――この映画でアルバム『サワー』の制作過程の全てを見せています。このアルバムはあなたのキャリアにとって、そしてあなた自身にとってどんな意味を持っていますか?
オリヴィア・ロドリゴ:このアルバムはとても特別な作品です。多くの新しい感情を初めて経験した思春期に書いたもので、アルバムの曲を書くことは、私がこれらの感情すべてを飲み込む方法でもありました。個人的に、それをやることにとても意味があったんです。(アルバムに)多くの人がとてもポジティブな反応をくれたのは本当にありがたく、私の人生の大きな部分にもなりました。
――とても素晴らしい映画でした。Red Rock Canyon State Parkでのオーケストラとの「good 4 u」やガソリンスタンドでループ・ステーションを使った「traitor」など、道中の様々なロケーションで披露される『サワー』収録曲のパフォーマンスは、原曲に新たな息を吹き込んでいますが、特に印象に残っているものは?
オリヴィア:素晴らしい質問ですね。まず、ありがとうございます。「jealousy, jealousy」の新しいアレンジがとても気に入っていて、高速道路のオーバーパス(高架交差路)の下で演奏しました。パンクロック・バージョンみたいで、バンドメンバーたちとの演奏はすごく楽しかったです。特に印象に残っているのは……あまりネタバレしたくないんですけど、ビーチでプレイした「hope ur ok」ですね。私はビーチが大好きなので、あの曲の撮影はとても楽しかったです。
――ある曲のレコーディングで、あなたが泣き出すシーンがあります。レコーディングは、どれほど感情的で大変なことでしたか?
オリヴィア:レコーディングしたり、歌を書いたりすることで疲れることはないと思うんです。それよりも、カタルシスを感じることのほうが多いですね。何か処理するのが難しいことを経験している時に、それについて曲を書いていると、混乱がぐっと収まってきて、理解しやすくなります。それがレコーディング・プロセスの素晴らしい部分でもありますね。
――ここまでの軌跡と、あなたがどのように成長していったかを見て、どう感じましたか?
オリヴィア:すごくノスタルジックな気持ちになりました。特にGoProの映像のところで、今はまったく違う意味を持ち、まったく違う生命を持つ楽曲たちのかなり初期の段階を見られて、とても良いと思いましたね。
――映画の中で見せるのがもっとも難しかったことは何ですか?
オリヴィア:最初、GoProの映像を入れることに少し緊張しました。なぜなら、その映像はスタジオにいる私とプロデューサーのダン(・ニグロ)のとても親密な様子を映したものだからです。あの映像を、どのようにでも解釈されるこの世界に送り出すのは、ある意味恐ろしいことでしたね。でも今見直すと、あのシーンがこの映画の中で一番好きな部分だと思います。そして、音楽作りという、とても魅力的なプロセスを見ることができて、本当にクールだと思いましたね。
――この映画で明らかにしたいと思う、あなたについての誤解は何かありますか?
オリヴィア:そういうものはないです。この映画のポイントは、私のツアーに来ることができないファンのために何かコンテンツを作りたいと思ったからで、そして、楽曲を再考して、これらの曲を作ることがどういうことだったかを皆さんに共有したかったんです。
――本作には、女性だけで構成されたバンドがよく出てきます。あなたにとって女性を代表することは、どれほど重要なのか知りたいです、特に音楽業界において。
オリヴィア:とても重要ですね。私は女性と一緒に仕事をするのが大好きで、女性同士の友情は世界でもっとも充実した関係だとも思っています。大好きな女性たちと全曲を演奏できて、とても楽しかったですし、特に彼女たちとロックを演奏するのが好きです。私が子供の頃、ロックの世界には男性ほど女性はたくさんいませんでした。女の子がギターをかき鳴らして素晴らしい演奏をするのを見て、いつも勇気を与えられていました。本作にもそういうシーンがたくさん出てきますし、全米ツアーでもそういうプレイをたくさんやるつもりなので、とても楽しみです。
――マイクを手に持つ子供の時の映像が流れますが、当時からすでに歌手になる夢を持っていたんですか?
オリヴィア:はい。私はいつも歌うのが大好きで、覚えている限り、いつも曲を書いていましたね。そういう場面を写した写真をいくつも両親が持っていて、6歳の私が自分で書いた曲を歌っているホームビデオなんかもあります。それらの曲の中には、訳のわからないものもありますが……。去年起きたような素晴らしいことが自分に起こるなんて想像もしていなかったので、とても感謝しています。
――ベッドルームで音楽を作る若いアーティストやあなたのファンたちがこの映画を見ると思います。もし彼らが音楽業界でキャリアを築きたいと思ったら、心に留めておくべきもっとも重要なことは何ですか?
オリヴィア:オーマイゴッド、そうですね……自分のための音楽を作らないといけないということでしょうか。誰かを喜ばせたいとか、人気者になりたい、ということで曲を書いても、決してうまくいかないと思います。少なくとも、私がそう思って書く曲は、いつもとてもひどい出来になりますね(笑)。自分が作る歌に心を込めて、自分にとって意味のある曲を書いている限り、それは決して間違いないと思います。
◎作品情報
『オリヴィア・ロドリゴ:ドライビング・ホーム・2・ユー』
ディズニープラスのスターで独占配信中
(C) 2022 Disney and its related entities
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