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2022/03/25

<インタビュー>ソフィア・カーソン、デビューALで紡ぐ一人の女性の物語「目指していたのは真実、誠実さ、無防備さ」

 ディズニー・チャンネルの人気シリーズ『ディセンダント』のイヴィ役でブレイクを果たしたソフィア・カーソンが、ソロ・アーティストとしてスタート切ってから約6年の時を経て、ついにデビュー・アルバムを完成させた。彼女の名前を冠した本作『ソフィア・カーソン』には、自ら作詞に携わった楽曲が複数収められており、一人の女性が恋に落ち、絶望を味わうも、立ち直る様子が力強く描かれている。

 「これまでで初めて、音楽に自分の全てを捧げた」というソフィアは、2022年3月25日にリリースされる今作で、音楽に加えてビジュアル面でもストーリーテラーとしての才能を発揮し、本格派女性アーティストへと成長を遂げている。ここでは、コロナ禍でのアルバム制作、歌詞のインスピレーション源、スペイン語詞への初挑戦、さらには今年公開予定の新作映画『Purple Hearts』について、余すことなく語ってくれたオフィシャル・インタビューを紹介する。


――ようやくデビュー・アルバム『ソフィア・カーソン』が完成しましたね。今の率直な気分を教えて下さい。

ソフィア・カーソン:“私のデビュー・アルバム”という言葉を口にするだけでもシュールな気分がするし、心の底からハッピーで、感謝の想いで一杯で、同時に怖い気持ちもある(笑)。でもそれは、最高にビューティフルな意味での怖さ、なのよね。なぜって、これらの曲は、このアルバムは、このストーリーは、私のハートそのもの。それをこうして包み隠さずに、世界とそっくり分かち合おうとしているんだから。

――自分が目指していた場所に到達したと感じていますか?
ソフィア:私が目指していたのは真実であり、誠実さであり、無防備さであり、自分の心の中にあるストーリーを伝えることだった。アルバムでそれを実現できたことをすごくうれしく思っているわ。

――世界的なパンデミックが起きている中で制作したことは、アルバムに何らかの影響を与えましたか?
ソフィア:いい質問ね。私はこれまでで初めて、音楽に自分の全てを捧げることができた。数カ月間、曲の世界に完全に没入して、ほかのことは何も考えずに、自分が伝えたいストーリーに集中することができた。それは美しい体験だったし、カタルシスを得られたし、それが、世界的にも個人的にも殊の外エモーショナルな時期と重なったのよね。だから、感情的にも精神的にも肉体的にも自分の心の中にあるストーリーを伝えることに没頭し、音楽に夢中になれたことは素晴らしかった。そして、パンデミックの最中にアートを創造できるというのも美しい体験だったわ。アルバムは、パンデミック前に書かれた曲と、パンデミック中に書かれた曲、両方を含んでいるの。私のアルバム――そう口にするだけでシュールな気分がするんだけど(笑)――は完成までに数年かかっているから。例えば「スティル・ラブ・ユー」は数年前に書いた曲で、心の中に自分だけの秘密としてとっておいたの。「ステイ」もパンデミックの前にマックス・マーティンのスタジオで書いた曲で、パンデミック中に完成させた。「ラウド」はちょうどパンデミックが始まった頃にZoom越しに書いた曲で、残りの曲はみんなパンデミック中に生まれたわ。

 

 

――だとすると、共作者たちと同じ部屋で、膝を突き合わせて書くこともできたんですね。
ソフィア:ええ。まさに同じ部屋で、これらの素晴らしいアーティストやプロデューサーたちと音楽を作れたのは、素晴らしい体験だった。

――その共作者やプロデューサーの人選は、どのように行なったのですか?
ソフィア:キャリアの最初からずっと一緒に仕事をしている、ミオという素晴らしいA&Rがいて、これらのアーティストを紹介してくれたの。そして時間をかけて彼らと人間関係を築いた。だから、中には数年前から親交を深めてきた人もいるわ。例えば、アルバムで数曲を一緒に書いたほかに、Netflixで配信される新作映画『Purple Hearts』の曲も共作した、ジャスティン・トランターがそうね。ほかにも、今の時代を代表するような偉大なプロデューサーやソングライターとコラボできて、本当に光栄に感じているの。ジャスティンからオーク・フェルダー、スターゲイト、マックス・マーティンのチームに属するラミ・ヤコブとヨハン・カールソン、アリ・タンポジに至るまで。彼らは、私の心の中にあったストーリーに命を吹き込む手助けをしてくれたわ。

――あなたは収録曲の大半の曲作りに自ら関わっています。作詞のインスピレーション源は実体験なのですか?
ソフィア:私は昔からストーリーを伝えることとソングライティングが大好きで、自分は何よりもまずストーリーテラーなんだと考えているの。そしてこのアルバムに関しても、始まりと終わりがあるストーリーを綴りたいと思った。ラブに関するストーリーを。インスピレーションについては、自分の体験に加えて、私が最も愛する人たちの体験も含まれているわ。私が伝えたかったのは、恋に落ちるんだけど、でも絶望を味わい、そこから立ち直る女性のストーリー。だから、毎回ソングライティングのセッションに際して、自分が伝えたいストーリーについて、その時々にコラボするチームに説明したの。そしてみんなで一緒にそのストーリーを作り上げた。私のケータイには数え切れないほどの歌詞の断片や曲のタイトルやアイデアや言葉が貯まっていて、曲として世に出る日を待っていたから、先にタイトルを決めてスタジオに行くこともよくあったわ。例えば「シュガー」を書いた時は、「今日は“シュガー”というタイトルの曲を書きたいんです。恋の始まりについての曲を。それはまさにお砂糖のような味がするから」と、みんなに言ったの。そうやってあの曲が生まれて、「タイムレス」や「ヒー・ラブズ・ミー、バット…」も似たような経緯で生まれた。一旦アルバムを完成させた時点で、私は曲のタイトルを使って、ストーリーを始まりから終わりまでつなぐ文章を書いたんだけど、聞きたい?

――ぜひお願いします。
ソフィア:私はこんなストーリーを書いたの――彼女がのめりこんだのは見かけだおしの(Fool's Gold)恋だった。キスはお砂糖(Sugar)みたいな味がして、ふたりで一緒にいると、この恋は永遠に続く(Timeless)ように思えた。でもある日彼は彼女の目を見て、“君を愛している、でも…(He Loves Me, But...)”と告げた。涙が頬を伝って落ちたけど、彼女は胸を張って、“彼のために流す涙はバケツに二粒(Two Tears In A Bucket)で充分”と言い聞かせた。もちろん彼に留まって(Stay)欲しいと切望していた。なぜってどれだけ抗おうとしても、どれだけ否定しようとしても、“今もあなたを愛している(Still Love You)”というのが彼女の正直な気持ちだったから。そして毎晩空を見上げて、“どんな風に、いつ、どこで?(Cómo, Cuándo Y Dónde)”と思いを巡らせた。そのうちに彼女は悟った、自分は挫けないし、ラウド(LOUD)だし、どれだけ傷が深くても立ち直る力を秘めていると。なぜって、これは恋に過ぎなくて、誰かが死ぬわけじゃない(It’s Only Love, Nobody Dies)から。

――素晴らしいですね。これには曲はつけないんですか?
ソフィア:今進めているところよ(笑)。収録されている順番は違うんだけど、私はこういう流れでアルバムを作ったから、この文章をファンと分かち合う方法を探しているの。

――でも、「トゥー・ティアーズ・イン・ア・バケット」でアルバムを終えたことで、うまくストーリーが完結した気がするんです。この曲では、傷付いた女性が自信を取り戻し、人生の主導権を奪還していますよね。
ソフィア:ありがとう。曲を気に入ってくれてうれしいわ。なぜってこの曲はアルバムの中でも私のお気に入りで、それだけでなく、これまでに関わった全ての曲の中でもフェイバリットだと呼べるから。私はこの曲を、1年弱前にジャスティンとオークとキャロライン・ペネルという素晴らしいソングライターと一緒に書いたの。「ヒー・ラブズ・ミー、バット…」を書いた日の翌日で、まさにあなたが言った通りの内容の曲を作りたかった。自由と自己の奪還のセレブレーションを歌う曲ね。彼が主人公に“I love you but…”と告げたあとに起きることを、伝えているのよ。そう言われたことで、自分の世界が崩壊してしまうような気がした。彼がいなくても世界が成立していたこと、彼がいなくても彼女自身の人生が成立していたことを、すっかり忘れてしまっていたのね。そして涙がとめどもなく流れ落ちる中、彼女は毅然として“彼のために二粒以上の涙を流す必要はない”と気付いて、この世で最も重要な人物と改めて恋に落ちるわけ。それはつまり自分自身であり、だからあの曲でアルバムを終えたかったの。

 

 

――このアルバムには、五大元素を通じて世界を捉えるというテーマがあるそうですね。どんな経緯でこのコンセプトを選んだのですか?
ソフィア:昔からストーリーテリングが大好きだった私は、ストーリーを伝えるあらゆる手法に興味を持っていた。ソングライティングもそうだし、自分の音楽のビジュアル・ストーリーを作ることも。だから自分の音楽のビジュアル・ストーリーはすごく重要だったわ。それは、私の音楽のハートの部分にあるストーリーを表現するための、素晴らしい芸術形式だから。そんなわけで、このアルバムを作りながら、曲に寄り添うビジュアル・ストーリーを作る必要性を感じていた。そこで私のチームと一緒に、五大元素というテーマを選んだの。元素はまさに生命の本質よね。私たち自身を形作っているものであり、音楽は私という人間のハートであり本質だから、アルバムのビジュアル・ストーリーはこれらの元素を通じて伝えられている。そして、シングルを発表するたびにひとつの元素を用いて、それに根差したビジュアル・ストーリーを作った。そうすることで、ファンにひとつの旅を提供したの。世界中のファンが、コマをひとつひとつあてはめてパズルを完成できるように。地に根差したセカンド・シングル「ヒー・ラブズ・ミー、バット…」がリリースされた時点でファンは気付いてくれて、私たちは一緒にパズルの完成に取り組み始めた。ストーリーは物事の起源にあたる元素からスタートしたわ。つまり火ね。そのあとに地、風、水と続いて、アルバムそのものを指す空で完結したのよ。

――アルバムそのものの象徴としての空の意味合いとは?
ソフィア:空という元素の意味は、アルバムを作りながら知ったんだけど、まさに宇宙で最も強い力を備えた元素であり、生命の力なのよ。だから、全ての元素の中で空がアルバムに該当することは、筋が通っていると思った。人生における私の現在地点を表しているアルバムの象徴として。

――サウンド面については、あなたの声を引き立てる、ファンキーでミニマルなプロダクションだという印象を受けました。どんな意図でアプローチしたのですか?
ソフィア:いい質問ね。私は常に、踊らずにはいられないのに泣きたくもなるような音楽が大好きだった。ボディとソウルを同時に揺さぶる音楽ね。つまり、ソウルフルなメロディや、ディープでパワフルな趣を踊りたくなるリズムと対比させたような音楽に、私は惹かれるということ。だからアップテンポの曲であっても、リズムに深みとソウルが感じられるのよ。そしてストーリー主導である以上、ミニマルなプロダクションが合っているんじゃないかしら。

――またこのアルバムは、歌い手としての表現力を見せつける作品でもあります。例えば「ラウド」と「シュガー」は、あなたの異なる面を引き出していますよね。ボーカリストとしては、どんな風にアプローチしたのでしょう?
ソフィア:本当に素晴らしい質問だわ。私は昔から、歌うことと演じることはすごく似ていると思っていた。演じる時には新しいキャラクターになり切って、そのキャラクターのストーリーを伝える。歌う時も同様に、それが起きた時と場所に立ち返ってストーリーを伝えていて、パフォーマンスを行なっている。どの曲も、私という人間の異なるバージョンであり、それぞれに異なる表現が必要とされるのよ。そして私の中から異なる側面を引き出す。曲ごとに異なるトーンやエモーションや姿勢が必要とされて、囁いたり、力強く歌ったり、ディープな声を出したり、そういったディテールの全て、癖の全てが、ストーリーを表現する上で不可欠なのよね。だから、発端から、声を発して心の中にあった言葉を実際に歌う瞬間まで、曲に命を吹き込むプロセスを見届けることは、ボーカリストとして常にスリリングな体験なのよ。そしてレコーディングの際には、とにかく自由に歌いたいの。心を込めて、完全に無防備になって歌いたい。我を忘れてしまうくらいに。ボーカリストとしてこれまで以上に深い表現ができたわ。

――「コモ、クアンド・イ・ドンデ」は初めてのスペイン語詞の曲です。なぜスペイン語でも歌いたいと思ったのですか?
ソフィア:私は二つのカルチャーを受け継いで生まれ育った。英語でもスペイン語でも歌い、曲を書いてきたし、このアルバムが私という人間を映した作品である以上、スペイン語の曲を収録するのが当然だと思えたの。それに「コモ、クアンド・イ・ドンデ」はパーフェクトな曲だと言える。私のハートを見事に捉えていて、これまで話してきたようなストーリーを巧みに伝えているから。

――あなたにとって、スペイン語でしか表現できない感情があるのでしょうか?
ソフィア:ええ。スペイン語を話す人間として、真にロマンティックな言語だと常々感じていたし、ふたつの言語を使うソングライターとして、スペイン語で表現することによって、自分により強く訴えかけるエモーションがあるのよね。すごく興味深いことだわ。

――いつかスペイン語アルバムを作りたい?
ソフィア:そうね、ぜひやってみたいわ。

――「ラウド」は間違いなくアルバムのハイライトだと思います。この曲の冒頭であなたは、“正面から人とぶつかるのは、ずっと苦手だった”と宣言しますよね。あなた自身も苦手だったのですか?
ソフィア:“正面から人とぶつかるのは、ずっと苦手だった”というのは、長い間私の現実だったの。前から自分がどういう人間で、どういうことを信じているのか分かっていた。でも正面から人と対峙することを避けていたのよね。それが、時間が経つにつれて、自分なりに“ラウドになる”方法を見出したの。私にとって“ラウドになる”とは、その場所で一番大きな声で主張する人になるってことではなくて、恐れずに自分の声を使って、自分らしさを、自分の信条を、自分のハートにある真実を貫く力を備えていることを意味する。最近ラジオでインタビューを受けた時、「ラウド」をかけるにあたって“自分の心の中のボリュームのスイッチを探して、そのボリュームをアップすることが重要”と言ってくれたの。素晴らしい表現だと思うわ。

 

 

――あなたが“ラウドになる”過程において、お手本にした女性と言えば誰でしょう?
ソフィア:私は偉大な女性に育てられたことに感謝しているの。つまりそれは私の母なんだけど、彼女は、ラウドで恐れを知らない人間の典型例であり続け、娘たちにもラウドであるようにと育ててくれた。そして女性であっても不可能なことはないのだと教えてくれた。母と祖母と妹は私にとって、昔から女性としてのお手本だったわ。この業界においても、先駆者である女性たちを敬愛してきた。オードリー・ヘップバーンやシェールやバーブラ・ストライサンドといったアーティストをお手本にしてきたし、彼女たちのように生きたい。なぜって彼女たちは、ショウビジネスにおける女性の立ち位置を刷新したから。単にシンガーやソングライターやパフォーマーであるのみならず、監督でありプロデューサーであり、社会活動家でもある。そしてみんな恐れることなくラウドであり続けた。だから昔から尊敬してきたわ。

――タイトルは非常にシンプルです。なぜ自分の名前を選んだのですか?
ソフィア:デビュー・アルバムのタイトルに関しては、記憶にある限り、ずっと考えてきた。恐らく10年以上にわたって、数え切れないほどの候補を書き溜めてきたわ。でも最終的にタイトルを選ぶ段になると、すごくシンプルな決断をしたの。私の音楽は私という人間そのもので、私のハートであり、だからタイトルは『ソフィア・カーソン』なのよ。

――究極的に、聴き手にはどんなことを感じて欲しいと願っていますか?
ソフィア:そうね……いえ、ひとつのストーリーを話すわね。私は11歳の時に初めて曲を書いた。当時、どこに行く時にも肌身離さず持ち歩いていた、曲を綴るための日記があったんだけど、その1ぺージ目に、「私の音楽を聴いた人が、自分自身のストーリーを私のストーリーの中に見出してくれたらうれしい」と綴ったの。私は常にそれを目標に掲げているわ。

――このアルバムの場合も同様だということですね。
ソフィア:ええ。

――先ほどあなたが触れた、今年公開予定の新作映画『Purple Hearts』について伺います。劇中歌も書いたそうですが、架空のキャラクターの視点からのソングライティングは、どんな体験でしたか?
ソフィア:私の人生で、最もエキサイティングで充実した体験のひとつであり、同時に一番怖い体験でもあったわ。実際に曲を書き始める前に、3年かけて、私が演じる主人公のキャシーというキャラクターを練り、この映画そのものの企画を進めてきたの。だから私は長い間、キャシーについて色々想像を膨らませ、どんな音楽にするべきか思い描いていたのよね。だから曲作りを始めるにあたって、自分自身を一旦忘れて、全てをキャシーに注いで、彼女になり切らなければならないと思った。彼女の考えや恐れやソウルや音楽に注がなければならなかった。今回はジャスティンと共作したんだけど、ほかにも素晴らしいコラボレーターたちの力を借りてキャシーの音楽を作り上げたわ。しかも、インディ・ロックという自分にとって全く新しいジャンルの音楽に挑戦したの。今まで一度も歌ったことがないジャンルだった。で、このプロセスを通じて私は、自分が完全にキャシーになれたように感じるわ。彼女について知り尽くし、これまでに演じたキャラクターとは異なる体験をした。ある意味で、キャシーの音楽を作ることで、彼女のハートを描いた気がするのよね。だから私にとってこれまでで最も美しい体験のひとつだったし、世界と分かち合うのが待ち切れない。昨日も監督と編集作業に立ち会って、映画が少しずつ形になっていくのを目の当たりにできたんだけど、本当に公開が待ち切れないわ。

――キャシーはあなたとは異なるタイプの女性なのでしょうか?
ソフィア:そうね。共通項もたくさんあって、キャシーもラウドな女性になるように育てられた。自分の信条を貫くことを恐れない女性になるように。そして、お手本的存在であるすごくパワフルな母親に育てられたの。そういう出自は私と似ているわ。でもその一方で違う部分もたくさんあって、みんなにキャシーを知ってもらいたい。彼女になり切るために、本当に自分から距離を置かなくてはいけなくて、それはすごくエキサイティングだった。

――この映画であなたはプロデューサーも務めています。今後もっと積極的に取り組みたい仕事なんでしょうか?
ソフィア:その通りよ。私を信じてくれた監督のエリザベス・アレン・ローゼンバウムに心から感謝しているの。何年も前に彼女は脚本をくれて、私と組んでこの作品を作りたいと言ってくれた。役者としてというより、むしろプロデューサーとして。この映画のストーリーテリングのプロセスのあらゆる側面に関わるのは夢みたいなことだったし、始まりから終わりまで映画制作の過程を見届けることができて、全人生で体験した最も美しい旅のひとつだったわ。今後も掘り下げたいと思っているし、いつか監督にも挑戦したい。

――すでにシンガー・ソングライター、俳優、慈善家という顔もありますが、様々な役割を並行してこなすコツは?
ソフィア:(笑)いい質問ね。それは私自身、日々学んで、向上させようとしていることなの。私はまずアーティスト、つまりクリエイティブな人間よね。俳優でありソングライターでありパフォーマーなんだけど、同時に、プロデューサーかつビジネスウーマンとして、カメラの反対側に立つ人間でもある。それはすごくエキサイティングなことなんだけど、同時に、複数のバージョンの自分を必要とするのよね。もしくは、ふたつの異なる存在になることを求められる。そういう意味で、重要なのは、アーティストであるべき時には、何かを創造できるスペースを確保すること。例えば『Purple Hearts』の撮影中は、ソフィアという人間とソフィアとしての日常生活を、完全に切り離すことを学んだわ。控室にケータイを残して、その日の仕事が終わるまで、もしくはその週の終わりまで、世界で何が起きているかとか、業界で何が起きているかとか、そういうことが全く分からない状態に自分を置いたの。スタジオでソングライティングしている時も同じことで、クリエイティブなプロセスに完全に没入できる状態にする。そうしないと、誠実に、直感的に、自然発生的に何かを作ることが難しくなるから。

Interview: 新谷洋子 / Photo: (C) 2022 Hollywood Records, Inc.

◎リリース情報
アルバム『ソフィア・カーソン』
2022/3/25 DIGITAL RELEASE
2022/4/6 RELEASE
UICH-1018 3,630円(tax incl.)
https://umj.lnk.to/SofiaCarson_AlbumPR

 

 

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