2022/02/24
2022年3月4日より公開の映画『ブルーサーマル』で主人公・都留たまき(通称・つるたま)の声を担当した堀田真由と主題歌・挿入歌担当のSHE’S 井上竜馬(Key / Vo.)の対談が実現した。
2月24日に日本武道館公演を行う4人組ピアノ・ロックバンドのSHE’Sが映画の主題歌・挿入歌を書き下ろすのは今回が初めてで、さらに主題歌・挿入歌の同時起用も初めての試みだ。そんなSHE’Sにとって『ブルーサーマル』は音楽というフィールドから映画という別のジャンルに飛び立つ記念すべき1作目となった。
青く澄み渡る大空を舞台に躍動する大学航空部を描いた本作で声優に初挑戦した堀田は、2021年2月にリリースされたSHE’Sの『追い風』のCDジャケット写真やミュージックビデオに出演している。この映画で再び両者が結びついたことに、なにか縁が感じられるが、そういった再会や映画にかける思いが本対談で明かされた。
――映画『ブルーサーマル』の本編映像をご覧になった感想を教えてください。
堀田:原作や台本を読んだとき、「アニメーションになったら、この世界観がいったいどういうふうに描かれるんだろう」と思っていたんです。映像を観たら、自分が想像していた以上に美しい映像で表現されていて、空の青さもとてもリアリティがあって。アニメーションが描き出す世界観って本当にすごいんだなと、改めて思いました。
井上:漫画では白黒だった部分にも色が着いていて、より世界が広がるような感じがしました。とくに今回は、空が舞台の作品なので青色が重要だと思うんですが、いろんな青色で空が美しく描かれていて。僕自身、原作漫画を読みながらワクワクして曲を描いていたので、それがよりリアルになって目の前に飛び込んできたという感覚でした。すでに原作を読まれている作品ファンの皆さまも、映画で初めてこの作品に触れるという方も、どちらも楽しめる映像作品になっていると思います。
――井上さんは、堀田さんが演じる都留たまきをどう感じましたか?
井上:ものすごくピッタリだと思いました! たぶん、漫画を読みながらキャラクターの声を想像することって皆さんもよくあると思うんですが、堀田さん演じるたまきは、まさに僕が想像していたたまきそのままで。「堀田さん、すご!」と思いましたね。
堀田さんには以前SHE’SのMVとジャケット写真に出演してもらっていてご一緒させていただいたんですが、実はそのときはスケジュールの都合であんまりしっかりとお話することができなくて撮影のときにご挨拶させていただいたくらいだったんですよ。だから、今回、「堀田さんはどんなお声でお芝居をするんだろう?」と思っていたんです。そうして映像を観たら、まさにたまきで。とくに怒っているときの声は素晴らしかったですね。「堀田さんは本当になんでもできるな!」と思いながら聴いていました(笑)。
堀田:うれしいです、ありがとうございます!
――堀田さんは、SHE’Sによる主題歌「Blue Thermal」と挿入歌「Beautiful Bird」、それぞれにどんな感想をいだきましたか?
堀田:どちらの楽曲も、作品の一部として彩りを与えてくださっていると思いました。とくに、主題歌はアップテンポで爽快感があって、つい口ずさみたくなる素敵な曲で。既に何度も聴かせていただいて、私、たぶんもう歌えると思います(笑)。
井上:ありがとうございます(笑)。
堀田:挿入歌は、たまきと空知(大介)の二人きりのシーンで使われる曲ですが、青い景色が多い本作のなかでそのシーンだけ少し空の表情が違うんですよ。空知との関係性がちょっと動くこともあって、私自身もアフレコ中、そのシーンはほかのシーンとはまた違った気持ちで取り組んでいました。アフレコのタイミングではまだそこに挿入歌がつくことを知らなかったんですが、本編映像で曲が流れてきた瞬間に「ここに曲が入るのか! ピッタリだなぁ……」と感じました。映像にとって音楽ってとっても大切ものなんだと、改めて思いましたね。
――二曲とも、原作を読まれながら書き下ろしされたそうですが、それぞれどんなことを意識して作曲されたんですか?
井上:「Beautiful Bird」はどんなシーンで使われるのかをあらかじめ教えていただいていて。セリフも、景色もすごく美しい、雲海が見えるシーンだったので、音楽が映像を邪魔したらいけないなと感じました。なので、なるべく楽器の数を少なめにし、細かく刻むよりも雄大なメロディーにすることで、景色に溶け込むような、景色が見えるような、そんな曲にしたいと思いながら作りました。
「Blue Thermal」は映画のラストに流れるということもあり、この作品が伝えたかったこと、空の楽しさや美しさが見えるような楽曲にしたいと思いました。自分たちが普段使っている楽器だけでなく、オーケストラ楽器も積極的に取り入れて、音の広さを表現しています。
――歌詞についてはいかがでしょう?
井上:僕は曲を書き下ろすときに、作品のなかに出てくるセリフ、とくに作家さんが大事にしていると思うセリフは、歌詞にも取り入れたいと思っています。普段の楽曲は自分が思っていることだけを曲にするけど、(タイアップの楽曲は)作品のそばにあるという立ち位置の曲になるので。だから今回も、原作を読み込み、小沢かな先生が伝えたいであろうセリフを自分なりに汲み取って、歌詞に取り入れながら作っています。
――先ほどもお話にありましたが、堀田さんは以前、SHE’Sの「追い風」のMVに出演されていました。本作で再会したことにはどこか運命的なものを感じますが、お二人はこの巡り合わせを知ったときはどんなお気持ちでしたか?
井上:ビックリしました!
堀田:本当に! 「追い風」でご一緒したのも最近でしたもんね。
井上:そうですね。「追い風」の配信がスタートしたのが、2021年1月だったんですが、『ブルーサーマル』のお話を僕らがいただいたのも同年の4月ごろで。半年も経っていないスピード感だったので、「すごい縁やね、楽しみやね」とメンバーみんなで話しながら曲を作っていました。
堀田:私、マネージャーさんからいきなり「主題歌を担当するのは……お世話になった方です」と言われたんですよ(笑)。
井上:めっちゃ気になるヤツ(笑)。
堀田:「え!? 誰だろう?」って思っていたらSHE’Sさんで。またこうしてお仕事で一緒できるご縁をいただけて、本当にありがたかったです。初めてのアニメ主演作でSHE’Sさんが楽曲を歌ってくださることに安心感がありましたし、とても助けられているなと感じました。本当にありがとうございました。
井上:こちらこそ、ありがとうございました。
――最後に、お二人はこの作品をどういう方々に観てほしいですか?
堀田:3月公開ということで、4月からの新年度にワクワクやドキドキといったいろんな気持ちを持っている方にピッタリの作品だと思います。今はまだまだ前向きな気持ちになれない日々が続いていますし、時代的にもすぐ携帯を見てしまうなど、すごく下を向いて歩いてしまうことが多くて。私自身も最近そういうことが多かったと思っていたんです。ただ、この作品を観終わったとき、空を見上げたくなるような、前向きな気持ちになることができました。ぜひ映画館の大スクリーンで、『ブルーサーマル』をたくさんの方に観ていただけたらうれしいです。
井上:僕は、これから大学生になる人や、進路に悩んでいる子にぜひ観てほしいと思います。本作は、たまき自身が思ってもいないところから航空部に入るきっかけが生まれて物語が始まっていくんですが、自分の思ってもないところから運命的にやりたいことに出会うことって、現実でもあると思うんです。作品やからとかじゃなくて、自分にも起こりうることだと思うから、やりたいことが見つからなくて悩んでいる子たちには何か刺さることがあるんじゃないかな、と。もちろん、すでにやりたいことがあって頑張っている人たちにも、夢や憧れを追いかける姿や、たまきたちの努力や友情も描かれているから、そういう部分を楽しんでいただけると思います。ぜひ色々な人に観ていただきたいですね。
◎公開情報
『ブルーサーマル』
2022年3月4日(金)より、全国公開
原作:小沢かな『ブルーサーマル ―青凪大学体育会航空部―』(新潮社バンチコミックス)
監督:橘正紀
出演:堀田真由、島﨑信長、榎木淳弥、小松未可子、小野大輔ほか
配給:東映
(C) 2022「ブルーサーマル」製作委員会
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像