『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックから、カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティーリョ、アダーサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレーロ、ステファニー・ベアトリス、エンカント・キャストによる「秘密のブルーノ」が4週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

　これまで、ディズニー・アニメーション、実写映画のサウンドトラックから首位を獲得したタイトルは、ピーボ・ブライソン＆レジーナ・ベルの「ホール・ニュー・ワールド」（1週）、ブライアン・アダムス、ロッド・スチュワート＆スティングの「オール・フォー・ラブ」（3週）、そして「秘密のブルーノ」の3曲のみで、最長記録を保持していた「オール・フォー・ラブ」を今週「秘密のブルーノ」が上回り、単独トップに浮上した。その他、TOP10にランクインしたタイトルは以下の8曲がある。

1位「秘密のブルーノ」（2022年 / 4週）『ミラベルと魔法だらけの家』
1位 ブライアン・アダムス、ロッド・スチュワート＆スティング「オール・フォー・ラブ」（1994年 / 3週）『三銃士』
1位 ピーボ・ブライソン＆レジーナ・ベル「ホール・ニュー・ワールド」（1993年 / 1週） 『アラジン』
4位 マイリー・サイラス「ザ・クライム」 （2009年） 『ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー』
4位 ザック・エフロン＆ヴァネッサ・ハジェンズ「自由をつかめ」（2006年）『ハイスクール・ミュージカル』
4位 エルトン・ジョン「愛を感じて」（1994年）『ライオン・キング』
4位 ヴァネッサ・ウィリアムス「風の色」（1995年） 『ポカホンタス』
5位 イディナ・メンゼル「レット・イット・ゴー」（2014年） 『アナと雪の女王』

　『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックも、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で6週目の1位をキープしていて、シングル（Hot 100）、アルバム（Billboard 200）両チャートでの同時首位獲得記録も4週目に更新している。

　サウンドトラックとその楽曲が同時に4週以上首位を獲得したのは、ホイットニー・ヒューストンの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」と『ボディーガード』が1992年12月12日付から1993年2月27日付までの12週を記録して以来、実に29年ぶりで、全ての作品、アーティストを含めると、ドレイクの「イン・マイ・フィーリングズ」と『スコーピオン』が2018年7月21日付から8月11日付までの同4週を記録して以来、約3年半ぶりの快挙となる。

　「秘密のブルーノ」が今週記録した総ストリーミング数は3,220万回で、再生数は前週から10％減少したが、2位以下の全体数が低いためストリーミング・ソング・チャートでは7週目の首位をキープしている。一方、週間セールスも11％減少の7,500に落ち込み、デジタル・ソング・セールス・チャートでは2位から11位に急落した。

　エアプレイにおいては、一部の局が流した回数は週ごとに伸びていて、今週は前週から18％増加の650万回に、週間最高記録を更新している。1位を獲得してから今週までの推移は以下のとおり。

2月5日　150万回
2月12日　360万回（132％増加）
2月19日　550万回（53％増加）
2月26日　650万回（18％増加）

　エアプレイ・チャート（総合）にはまだランクインしていないが、ジャンル別のアダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでは31位から26位に、ポップ・エアプレイ・チャートでは40位から32位にそれぞれランクアップしている。

　続いて、今週2位にはグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」が先週の4位から上昇し、これまでの最高位を更新した。初登場から今週2位に到達するまでの期間は57週で、マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が2019年12月に記録した35週を大きく上回る、過去最長記録も同時に達成している。その他、ロック＆オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれ22週目の首位を、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでも、先週に続き2週目の1位を獲得した。

　先週3位にダウンしたアデルの「イージー・オン・ミー」は、今週も同位をキープ。週間7,730万回（7％減少）を記録して、エアプレイ・チャートでは13週目の首位を獲得した。先週7位にランクインしていたゲイルの「abcdefu」は、今週4位まで上昇しこちらも最高位を更新。同時に、前週から3％増加の5,480万回を記録して、エアプレイ・チャートでも8位から5位にTOP5入りしている。

　以下、ザ・キッド・ラロイ＆ジャスティン・ビーバーの「ステイ」が5位、コダック・ブラックの「スーパー・グレムリン」が6位をそれぞれキープ。7位は先週の8位からエド・シーランの「シヴァーズ」が再浮上し、8位には先週9位にTOP10入りしたジャスティン・ビーバーの「ゴースト」が最高位を更新した。「ゴースト」は今週のポップ・エアプレイ・チャートで1位に到達し、ジャスティンは男性ソロ・アーティストの最高記録となる通算10曲目のNo.1タイトルを獲得した。

　続いて9位には、先週の12位からリル・ナズ・Xの「ザッツ・ワット・アイ・ウォント」が上昇。同曲は、昨年9月にリリースしたデビュー作『モンテロ』のプロモーション効果により、アルバムが2位に初登場した2021年10月2日付で10位にデビューしたため、今週は再ランクインということになる。週間ストリーミングが860万回、セールスも3,200と伸び悩んでいるが、エアプレイが5,230万回と好調。今週はジャスティンに奪われてしまったが、先週のポップ・エアプレイ・チャートでは「モンテロ （コール・ミー・バイ・ユア・ネーム）」、「インダストリー・ベイビー」に続く3曲目のNo.1を獲得している。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは2月25日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「秘密のブルーノ」カロリーナ・ガイタン、マウロ・カスティーリョ、アダーサ、レンジー・フェリズ、ダイアン・ゲレーロ、ステファニー・ベアトリス、エンカント・キャスト
2位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
3位「イージー・オン・ミー」アデル
4位「abcdefu」ゲイル
5位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ＆ジャスティン・ビーバー
6位「スーパー・グレムリン」コダック・ブラック
7位「シヴァーズ」エド・シーラン
8位「ゴースト」ジャスティン・ビーバー
9位「ザッツ・ワット・アイ・ウォント」リル・ナズ・X
10位「Pushin P」ガンナ＆フューチャーfeat.ヤング・サグ