2022/02/14
『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックが5週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
前週から2%ほど減少したが、今週も110,000ユニットと高記録を保持して通算5週目のNo.1を獲得した『ミラベルと魔法だらけの家』。110,000のうち、91,000がアルバム・ストリーミング(SEA)、2,000がトラックごとのユニット(TEA)、17,000がアルバム・セールスで、週間ストリーミングは1億3,482万回を記録した。
サウンドトラックが5週以上首位を獲得したのは、2014年に13週を記録した同ディズニー・アニメーション映画の『アナと雪の女王』以来で、過去20年間ではこの2作しか達成していない。
なお、1位を獲得した歴代のサウンドトラックの最長記録は、1962年から63年に通算54週を記録した『ウエスト・サイド・ストーリー』で、過去30年間に遡ると、『タイタニック』(1998年 / 16週)、『ため息つかせて』(1996年 / 5週)、『ライオン・キング』(1994年から95年 / 10週)、『ボディーガード』(1992年から93年 / 20週)の4作がある。それ以前には、故プリンスによる『バットマン』が、1989年に通算6週を記録した。
先週のソング・チャート“Hot 100”では、本作から「秘密のブルーノ」が2週目の1位を獲得して、サウンドトラックのストリーミング上昇に繋げた。本作からは、その他にも「増していくプレッシャー」、「ふしぎなマドリガル家」、「本当のわたし」、【第94回アカデミー賞】の<歌曲賞>にノミネートされた「2匹のオルギータス」などがヒットしている。
続いて2位には先週の3位からガンナの『DS4Ever』が上昇したが、週間ユニットは前週から13%減少の47,000に落ちている。
今週3位に初登場したのは、米テネシー州メンフィス出身の人気ラッパー=ヨー・ガッティの新作『CM10: Free Game』。初動ユニットは46,000で、そのうち 30,000がアルバム・ストリーミング(4,306万回)、アルバム・セールスは15,000を記録した。2月4日の発売当初は、11曲の通常盤とその11曲を含む全22曲の2エディションが、3日後の2月7日には3曲のボーナス・トラックを追加したデラックス盤がリリースされている。
本作『CM10: Free Game』は、2020年に最高10位を記録した前作『Untrapped』から2年ぶり、通算11作目のスタジオ・アルバムで、TOP10入りはその『Untrapped』を含む5作目、TOP3入りは初の快挙(自己最高位)となる。
7位『I Am』(2013年)
4位『The Art of Hustle』(2016年)
6位『I Still Am』(2017年)
10位『Untrapped』(2020年)
3位『CM10: Free Game』(2022年)
モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』は、先週に続き4位をキープ。週間ユニットも、3週連続で41,000を維持している。
続いて5位には、日本生まれ米NY在住のミツキ・ミヤワキによるソロ・プロジェクト=ミツキの『ローレル・ヘル』がデビュー。初動ユニットは36,000で、そのうちアルバム・セールスが24,000、アルバム・ストリーミングは12,000を記録した。週間セールスとしては今週最大の売り上げで、その24,000のうち17,000枚がアナログ盤によるセールスだった。女性アーティイストの週間LPセールスとしては、2021年12月4日付でアデルの『30』が記録した35,000枚以来の高セールスで、自己最高記録も更新している。
ミツキはこれまで6枚のスタジオ・アルバムを発表しているが、Billboard 200に初めてランクインしたのは前作『ビー・ザ・カウボーイ』の52位で、TOP10入りは本作が初となる。なお、『ビー・ザ・カウボーイ』はオルタナティブ・アルバム・チャートで6位、ロック・アルバム・チャートでは最高7位を記録していて、前々作『ピューバティー2』も、オルタナティブ・アルバム・チャートで19位、ロック・アルバム・チャートで32位をマークした。
また、発売元のレーベルDead Oceansの作品としても『ローレル・ヘル』が初めてTOP10入りしたアルバムで、これまでクルアンビンの『モルデカイ』が保持していた最高31位を大きく上回る最高位を更新した。同レーベルからは、その他にも2作がTOP40入りしている。
『ローレル・ヘル』からは、収録曲の「The Only Heartbreaker」がアダルト・オルタナティブ・エアプレイ・チャートで8位に初のTOP10入りを果たし、アルバムのプロモーションに繋げた。
以下、 ザ・ウィークエンドの『ドーンFM』(35,000ユニット / 49%減少)が先週の2位から6位にダウン、ドレイクの 『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(34,000ユニット / 1%増加)が7位、ザ・ウィークエンドのベスト盤『ザ・ハイライツ』(34,000ユニット / 2%増加)も先週に続き8位をキープして、アデルの『30』(32,000ユニット / 7%減少)が6位から9位に、ドージャ・キャットの『プラネット・ハー』(32,000ユニット / 2%減少)も9位から10位にそれぞれランクダウンした。
ザ・ウィークエンドは、これで『ドーンFM』と『ザ・ハイライツ』の2作を5週連続でTOP10に同時ランクインさせるという快挙を達成。同じアーティストによるアルバムが、5週連続でTOP10に2枚同時ランクインしたのは、2016年から17年のホリデー・シーズンにペンタトニックスのの『ザッツ・クリスマス・トゥ・ミー』と『ペンタトニックス・クリスマス』がランクインして以来で、ホリデー・アルバムを除くと、ジャスティン・ビーバーの『マイ・ワールド』と『マイ・ワールド2.0』が達成した2010年以来、約12年ぶりの記録となる。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは2月18日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ミラベルと魔法だらけの家』サウンドトラック
2位『DS4Ever』ガンナ
3位『CM10: Free Game』ヨー・ガッティ
4位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
5位『ローレル・ヘル』ミツキ
6位『ドーンFM』ザ・ウィークエンド
7位『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』ドレイク
8位『ザ・ハイライツ』ザ・ウィークエンド
9位『30』アデル
10位『プラネット・ハー』ドージャ・キャット
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