2021/12/29
マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が先週に続き首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
先週約1年ぶりに返り咲いた「恋人たちのクリスマス」は、集計期間がクリスマス・ウィークということで、今週は各ポイントがさらに上昇。前週から26%増加の4,750万回を記録して、ストリーミング・ソング・チャートでも通算14週目の1位を獲得した。
エアプレイ・チャートでは、週間3,200万回(25%増加)を記録して23位から13位に跳ね上がり、その週最も伸びた曲に贈られるAirplay Gainerを獲得。デジタル・ソング・セールス・チャートでも、9%増加の8,100ダウンロードを記録して7位から6位に順位を上げた。
ホリデー・ソング・チャート“Holiday 100では、チャートの集計がはじまった2011年から合計50週目の首位を獲得。2015年から16年のホリデー・シーズン以降では、35週連続で首位をキープしている。
「恋人たちのクリスマス」のHot 100での首位獲得は通算7週目で、マライアはその他「ドリームラヴァー」(1993年 / 8週)、「ファンタジー」(1995年 / 8週)、「ワン・スウィート・デイ with ボーイズIIメン」(1995年 / 16週)、「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年 / 14週)の計5曲、7週を超えるNo.1ヒットがある。7週を超える首位獲得曲を5曲以上もつアーティストは、マライアとドレイクの2組のみで歴代トップ。続いて、ボーイズIIメン、アデル、ビヨンセ、リアーナがそれぞれ3曲で達成している。
ホリデー・ソングとしては、1958年に4週を記録したアルビン&ザ・チップマンクスの「ザ・チップマンク・ソング」を大きく上回る首位最長記録で、ホリデー・ソングにカテゴライズされる曲がHot 100で首位を獲得したのは、この2曲しかない。
「恋人たちのクリスマス」が今週トップを維持したことで、マライアは首位獲得総週を通算86週目に更新。現在までに60週を記録したリアーナと大差をつけ、こちらも歴代最長記録を保持している。Hot 100での首位獲得数は19曲目で、20曲をもつビートルズに続く歴代2番目、女性アーティストとしては最多記録となる。
「恋人たちのクリスマス」のチャートイン数は今週で50週目を迎え、50週目で1位を獲得した初のタイトルという記録も打ち出した。なお、これまでトップを維持していたのは、1996年11月2日付チャートで46週目に1位を獲得したロス・デル・リオの「恋のマカレナ(ベイサイド・ボーイズ・リミックス) 」だった。
「恋人たちのクリスマス」が初めて首位を獲得した2019年12月21日付チャートから、今週(2022年1月1日)までの期間は2年11日で、こちらもチャビー・チェッカーの「ザ・ツイスト」が記録した1年3か月3週間(1960年9月19日から1962年1月13日)を上回る歴代最長記録となる。
また、マライアがデビュー曲「ビジョン・オブ・ラブ」で自身初の1位を獲得した 1990年8月4日付チャートから今週までの期間は31年5か月で、こちらもソロ・アーティストの歴代最長記録。なお、それに続くのは「悲しきジプシー」(1971年)から「ビリーヴ」(1999年)の27年5か月を記録したシェールだが、彼女はそれ以前にソニー&シェールのデュオとしても「アイ・ガット・ユー・ベイブ」(1965年)で1位を獲得しているため、グループの曲を含めるとシェールの33年7か月が最長記録となる。
マライアは、その「ビジョン・オブ・ラブ」で初めて首位を獲得した1990年から2000年、2005年から2006年、2008年、そして2019年から2022年までの計18年間で1位を獲得し、こちらも歴代最高記録を更新している。それに続くのが、それぞれ10年の記録をもつポール・マッカートニー/ウィングス、マイケル・ジャクソン、マドンナの3組だが、 ポール・マッカートニーはビートルズの記録も含めると17年、マイケル・ジャクソンはジャクソン5での記録を含めると計11年間で、それぞれ1位を獲得した。
「恋人たちのクリスマス」に続き、今週はホリデー・ソングが続々とランクアップしている。
先週2位に上昇したブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」は、同位をキープ。前週から33%増加の4,750万回を記録して、ストリーミング・チャートでも同2位にランクインし、今週のStreaming Gainerも獲得した。続いて3位は、先週の4位からボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」が、4位にはバール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」が5位からそれぞれ上昇し、今週はHot 100とストリーミング・チャートのTOP4をホリデー・ソングが独占した。上位4曲はホリデー・シーズンの定番曲で、2020年と2021年のチャートでも同位にランクインしている。
5位にダウンしたアデルの「イージー・オン・ミー」を挟み、アンディ・ウイリアムスの「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」が先週の7位から6位に上昇。アンディ・ウイリアムスが初めてTOP10入りしたのは、「ロンリー・ストリート」がランクインした1959年10月12日付チャートで、今週までの期間を歴代最長の62年2か月3週間に更新している。なお、昨年のチャートでは5位まで上昇したが、今年は最高位を更新できなかった。
一方、先週9位にTOP10入りしたワム!の「ラスト・クリスマス」は、今週7位に上昇し最高位を更新。前週から21%増加の4,100を売り上げて、今週のSales Gainerも獲得した。ワム!名義の曲では通算7曲目TOP10となり、メンバーの故ジョージ・マイケルは14曲のソロ曲をTOP10に送り込んでいる。
続いて8位には、先週の11位からホセ・フェリシアーノの「Feliz Navidad」が上昇。昨年に続き2年連続でTOP10入りを果たしたが、最高位の6位には達しなかった。
そして10位には、先週の13位からザ・ロネッツの「そり滑り」がTOP10入りし、こちらは最高位を更新。週間ストリーミングは2,710万回(27%増加)、エアプレイは1,710万回(10%増加)、セールスは1,000(9%増加)にそれぞれ上昇している。
ザ・ロネッツのTOP10入りは、1963年10月に3週間2位を記録した「ビー・マイ・ベイビー」に続く2曲目で、ブランクを58年2か月に更新し、前述の「ホーリー・ジョリー・クリスマス」が2019年に達成した56年7か月2週間を上回る、歴代最長記録を打ち出した。
前述のとおり、今週は集計期間がクリスマス・ウィークということで、5位の「イージー・オン・ミー」と、先週の6位から9位にダウンしたザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「ステイ」以外、TOP10中8曲ホリデー・ソングが独占した。なお、2021年1月2日付チャートでは、歴代最多の9曲がランクインしている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月31日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
2位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
3位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
4位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス
5位「イージー・オン・ミー」アデル
6位「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」アンディ・ウイリアムス
7位「ラスト・クリスマス」ワム!
8位「Feliz Navidad」ホセ・フェリシアーノ
9位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
10位「そり滑り」ザ・ロネッツ
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