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2021/12/17 04:16

松本白鸚、弟・中村吉右衛門さんを亡くし「たった一人の弟でしたから」 「それを乗り越えて、はね返して歌いたい」

 ミュ-ジカル「ラ・マンチャの男」制作発表記念会見が16日、東京都内で行われ、出演者の松本白鸚と松たか子が登壇した。
 本作は、ミゲ-ル・デ・セルバンテスの『ドン・キホ-テ』を原作にしたミュ-ジカル。作者セルバンテスが、劇中劇として田舎の郷士アロンソ・キハ-ナと、キハ-ナが創り出した人物ドン・キホ-テを演じるという、三重構造で物語が進行する。
 白鸚は26歳の時の日本初演版から主役を務め、以降、ライフワ-クとしてセルバンテスとドン・キホ-テを演じ続けてきたが、今回の公演が最後の出演となる。
 白鸚は「男は、負けると分かっている戦いでも、時に戦わなければならないというのがこの作品のテ-マですが、50年以上演じ続けてきたので、自分の生き方とそのテ-マが同じように感じられることがあります。俳優は、お客さまの悲しみや苦しみを、希望や勇気に変えて差し上げるのが務めだと思っています。体は動かなくなりましたが、メッセ-ジだけでも伝えたいと思います」と思いを語った。
 ドン・キホ-テが慕うアルドンザ役を演じる松は、久しぶりの親子舞台共演に向けて、「全部を捧げて、自分のベストを尽くしたいと思っております」と意気込みを語った。
 また、白鸚は11月28日に亡くなった歌舞伎俳優で弟の中村吉右衛門さんについて、「別れというものはいつでも悲しいものです。たった一人の弟でしたから」と悲痛な胸の内を明かした。
 その上で、「いつまでも悲しみに浸ってはいけないと思います。それを乗り越えて、はね返して、いろいろな思い出はありますが、『見果てぬ夢』を歌いたいと思います」と語った。
 舞台は、2022年2月6日~28日に都内・日生劇場で上演。