2021/12/14
MORISAKI WINが12月6日(月)に東京・Zepp Haneda(TOKYO)でワンマンライブ【MORISAKI WIN FIRST FLIGHT -Transit】を開催した。
ドラマや映画、ミュージカルなどで活躍する中、アーティスト活動も積極的に行っていた森崎ウィンは2020年7月に海外展開も視野に入れ “MORISAKI WIN”としてメジャーデビューを果たし、2021年5月26日(水)には1stアルバム『Flight』を発表。当初は5月8日(土)にワンマンライブ【MORISAKI WIN FIRST FLIGHT】を予定していたが、二度目の緊急事態宣言を受けて延期となり、9月20日(月・祝)に初の有観客ワンマンライブとして、恵比寿ザ・ガーデンホールでの開催が実現。さらに、「初の有観客ワンマンライブに来場することが出来なかったファンとも思い出を共有したい」というWINの思いから、12月3日には同公演のライブパフォーマンス音源を全曲収録したライブアルバムを配信限定でリリースした。
今回、追加公演として組まれた本ライブが行われたのは、モノレールで言えば羽田空港の一駅前となる天空橋駅に位置するZepp Haneda(TOKYO)。アジアから世界へと発信するエンターテイナーを目指して活動を始め、アルバムのタイトルはもちろん、歌詞にも大好きな飛行機にまつわるワードを散りばめ、エアバスA380を愛し、ファンをCREWと呼ぶ彼に、これほど相応しいライブハウスはないだろう。
開演時間になるとフロアには「Good evening, ladies and gentlemen. Welcome aboard~」という離陸前の機内アナウンスが流れた。そして、紗幕に真っ赤なライトが照らされ、この日のキャプテン(機長)であるWINの姿が映し出されると盛大な拍手が沸き起こった。そして、メジャーデビュー曲「パレード - PARADE」のイントロが流れ始めると同時に紗幕が落ち、サングラスをつけたWINが登場。宮野弦士(Gt)、クラーキー(Key)、武宮優馬(Ba)、油布 郁(Dr)、長田明宏(Tp)、Shunsei(Ts)、小野健児(Tb)、Sweep(Cho)、NaNa(Cho)という9人編成のフルバンドを従えてキレキレのステップで踊り、アシッドジャズ「Wonderland」ではパワフルでファンキーかつ、メロウで艶っぽいグルーヴを融合。スラップベースが鳴り響く「UNBROKEN WORLD」ではマイケル・ジャクソンの「Heal the World」の<Make a better place>というフレーズが引用されていたが、のちにこのメッセージはしっかりと回収され、彼がいったいどんな思いで歌い、踊り、発信しているのか明確に伝わってくる、特別な1日となった。
ヴォーカルから始まり、次第にスケール感を拡大していくミステリアスでダークなR&B「Blind Mind」では飛行機の両翼についているライトのようにステージの左右を赤と青の照明でわけ、誰の心の中にもある二面性を表現。足音、心音、吐息が重なる「d.s.t.m.」ではハットを被り、「ビリー・ジーン」のマイケル・ジャクソンのような軽快なダンスを披露。ここで、キャプテンから「現在、当機は3万2千フィートに到達しまして、平常巡航しております。ここからはナイトフライトを楽しんでくだい」と告げられ、アコースティックコーナーへと突入。スツールに座り、アコギを抱えたWINは、時代の流れ、日々の変化の早さについて話しはじめ、「たまに変化についていけないなとか、リセットしたいなと思った時に、ありのままの自分を受け入れてくれる場所が必要だと思います。それが、僕にとっては、まさにライブです。音楽をやってる時は無我夢中で、この瞬間だけは頭の中が空っぽになる。皆さんと会話ができるし、自分の未来は明るいんだなっていう方向に進んでいける気がするんです。皆さんにとっても、このライブが、居心地良くて、明日への糧になるような場所になるといいなと思います」と優しく語りかけた。WINの弾き語りを中心にコーラスやエレキギター、フリューゲルホルンやオルガン、そして、口笛が彩りを添えた「START IT OVER」。WINとコーラスの3声によるハーモニーが孤独な夜の風景を引き連れてくる「Midnight」。やがてバンドが加わり、ミニマムな弾き語りからバンドアンサンブルへ、夜から朝へと向かっていく。オートチューンを使ったエレクトロファンク「JUST GO」では最後に絵エフェクトのかかっていない生のウィスパーボイスも吐露。アーバンなムードの新曲「anymore」では見事なファルセットを響かせつつ、途中からハンドマイクでステージ上を自由自在に動き回って躍動。気がつけば自然と心と体が揺れているほど、彼のパフォーマンスは豊かなグルーヴに満ちていた。
ここから場面は一転。キャプテンによる「ナイトフライトが終わって、朝日が差し込んできましたね」という言葉をもって後半戦へと突入。まさに自身がキャプテンとなったイメージで書かれたダンスチューン「Fly with me」ではクルー全員が一緒に踊って楽しみ、「Be Free」では手を挙げてのジャンプを誘発。WINが歌唱中に「やべ、楽し」「あはははは。マジで最高だね~」とこぼしてしまうほどの盛り上がりと一体感が生まれた。そして、「そろそろ高度を下げ始めます。着陸体制に入りたいと思います」というアナウンスを経て、フライトはいよいよ終盤へ。メジャーデビュー前にバースデーライブ用に作ったオリジナル曲だという温かいR&Bバラード「Shall we dance」をしっとりと歌い上げ、「一生、僕の腕の中で夢を見せますからね」とクルーに語りかけると、観客は高く掲げた手を左右に大きく振って応答。本編ラストのオールドスクール風味のソウルナンバー「What U Wanna Do?」ではその手を前後に振って熱気とグルーブが上昇。WINは最後に感謝の気持ちを述べ、「ピース!」とピースサインを届けててステージを後にした。
大きな拍手を受けてステージに走って戻ってきたWINはメジャーデビュー前に自身で作ったオリジナル曲「1.2.3.」をパフォーマンス。ビートに身を委ねて、僕と一緒に夢の世界へと旅だとうよと軽やかに朗らかに歌い上げると、9月の初ワンマンでお披露目した新曲で、「誰かを愛する前に自分を愛することを忘れないで」というメッセージを込めたファンクポップ「Me, Myself and I」で視点を未来へと誘い、2ndシングル「Love in the stars -星が巡り逢う夜に-」でエンターテインメントショウのようなフライトは大団円を迎えた。
「大切な人や大好きな人に簡単に会えない世の中になっているけど、ふと夜空を見上げたら、自分の大切な人も同じ空を見上げてるんだろうなと思うとどこか安心できたりします。この空だけは繋がってるんだという思いを込めて歌います。皆さんの大切な人を思い浮かべて聴いてください」
アコースティックギターの弾き語りで静かに訥々と歌い、2番でバンドが加わっていくことで目の前の視界を広げていくような構成。ロマンチックなラブソングながらも大きな愛を感じるR&Bナンバーを歌い終えた彼は、右手を高く掲げてステージを後にした。
アンコールが終わり、客電が付き、退場BGMが流れ始めても拍手が鳴り止まず、Wアンコールが実現。「マジっすか。オーマイガッ。やばいね」と言いながらステージに戻ってきたWINは、アコギの弾き語りでマイケル・ジャクソン「Heal the World」をカバーした。「UNBROKEN WORLD」で歌っていたように、壊れた世界を元に戻すためにはどうするべきなのか。本稿は彼が観客に伝えた真摯なメッセージで締めくくりたい。
「漢字2文字で書いたら簡単で、“平和”という言葉があります。本当にいろんなことが起きて、改めて“平和”という2文字の重みや捉え方が自分の中で変化してきています。人に本当に必要なものは、ありのままの自分でいれる場所で、その場所に何が生まれているかというと、“愛”なんですよね。この曲を聴いていると、“平和”になるための第一歩を踏み出している気がして、僕自身も“愛”という力が溢れてきます。今日、僕は皆さんからたくさんの“愛”をいただきました。“愛”でこの世界を“平和”にできたらいいなと思います。MORISAKI WINでした」
取材・文:永堀アツオ
写真:Seiji Watanabe
◎公演情報
【MORISAKI WIN FIRST FLIGHT -Transit】
2021年12月6日(火)
東京・Zepp Haneda(TOKYO)
<セットリスト>
0「Overture」
1「パレード - PARADE」
2「WonderLand」
3「UNBROKEN WORLD」
4「Blind Mind」
5「d.s.t.m」
6「START IT OVER」
7「Midnight」
8「JUST GO」
9「anymore」
10「Fly with me」
11「Be Free」
12「Shall we dance」
13「What U Wanna Do?」
<ENCORE>
1「1. 2. 3」
2「Me,Myself and I」
3「Love in the Stars -星が巡り逢う夜に-」
<DOUBLE ENCORE>
4「Heal the World」※マイケルジャクソンカバー
◎配信情報
ライブアルバム『FIRST FLIGHT SEP.20.2021』
2021/12/3 RELEASE
https://lnk.to/MORISAKIWIN_FF
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