2021/12/14
アデルの「イージー・オン・ミー」が7週目の首位をキープした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
10月30日から11月20日、12月4日から今週18日付チャートまで通算7週目の1位を獲得した「イージー・オン・ミー」は、週間ストリーミングが15%減少の2,070万回、セールスも12%減少の9,200にそれぞれポイントダウンしたが、先週とほぼ同率の8,540万回(1%減少)を維持して、エアプレイ・チャートでは3週目の首位をキープしている。
今週7週目の1位を獲得したことで、「イージー・オン・ミー」は「ローリング・イン・ザ・ディープ」と並ぶ自身2番目の記録に更新した。
10週「ハロー」 (2015年)
7週「ローリング・イン・ザ・ディープ」(2011年)
7週「イージー・オン・ミー」(2021年)
5週「サムワン・ライク・ユー」 (2011年)
2週「セット・ファイヤー・トゥ・ザ・レイン」 (2012年)
その「ローリング・イン・ザ・ディープ」は2ndアルバム『21』、最長記録を保持している「ハロー」は3rdアルバム『25』、そして「イージー・オン・ミー」は先月発売された4thアルバム『30』からのリード・シングルで、7週以上首位を獲得したリード・シングルを3作連続で輩出したのは、アデルが史上初の快挙。
7週を超える首位獲得曲を3曲以上もつアーティストは、他にドレイク(5曲)、マライア・キャリー、リアーナ(各4曲)、ビヨンセ、ボーイズⅡメン(各3曲)の5組がいて、アデルは彼らに続く6番目のアーティストとなる。
そのマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」は、ホリデー・シーズンの反響を受けて先週の3位から2位に上昇。前週から26%増加の3,250万回を記録して、ストリーミング・チャートでは通算12週目の首位を獲得した。セールス・チャートでは、今週6,900(20%増加)を売り上げて9位に、エアプレイ・チャートでは、2,460万回(4%増加)を記録して31位から24位にジャンプアップしている。
ストリーミング・チャートの集計が開始した2013年1月以降、ホリデー・ソングとして1位を獲得したのは「恋人たちのクリスマス」のみで、Hot 100で首位を獲得したのも、アルビン&ザ・チップマンクスの「ザ・チップマンク・ソング」と同曲の2タイトルしかない。
Hot 100では、2019年12月(3週)と2020年12月(2週)の2年連続で首位を獲得していて、次週以降1位に上昇すれば3年目に記録を塗り替えることになる。また、ホリデー・ソング・チャート“Holiday 100でも、チャートの集計がはじまった2011年から合計48週目、2015年から16年のホリデー・シーズン以降では33週連続でトップをキープするという快挙を達成していて、今年も例年通りの独走状態が続く。
クリスマスが近づいているため、今週は「恋人たちのクリスマス」の他にもブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」が4位から3位、バール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」が7位から5位にそれぞれ上昇。ボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」は5位から6位にダウンしたが、先週TOP10入りした3曲はいずれもTOP10をキープした。
その4曲に続いて、アンディ・ウイリアムスの「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」も先週の11位から10位にランクインし、今週はTOP10中5曲をホリデー・ソングが占めた。「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」も、ストリーミングが2,130万回(11%増加)、エアプレイが1,860万回(13%増加)、セールスも1,700(13%増加)にそれぞれ上昇している。
なお、各曲の最高位は以下の通りで、いずれもストリーミングが強化された2019年から2020年に記録を更新した。
「恋人たちのクリスマス」1位
「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」2位
「ホーリー・ジョリー・クリスマス」4位
「ジングル・ベル・ロック」 3位
「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」5位
今週は、ホリデー・ソング以外でも7位にシザの新曲「I Hate U」がTOP10入りしている。同曲は、今年8月にSoundCloudで発表され、12月3日に正式なシングルとしてリリースされた話題曲。TikTokでバイラル・ヒットしたこともあり、初週のストリーミングは2,670万回と好発進を切った。セールスは4,600、エアプレイは485,000をそれぞれ記録している。
TOP10入りは、マルーン5の「ホワット・ラヴァーズ・ドゥfeat.シザ」(2017年 / 9位)、「オール・ザ・スターズwithケンドリック・ラマー」(2018年 / 7位)、「グッド・デイズ」(2021年 / 9位)、ドージャ・キャットの「キス・ミー・モアfeat.シザ」(2021年 / 3位)に続く5曲目で、TOP10に初登場したタイトルは、同7位にデビューした「キス・ミー・モア」に続く2曲目のランクイン。
「I Hate U」は、今週のR&B/ヒップホップ・ソング・チャートと、R&Bソング・チャートでトップに立ち、前者では初、後者では2018年の「ザ・ウィークエンド」(1週)以来約3年ぶり、2曲目の首位を獲得した。
リル・ナズ・X&ジャック・ハーロウの「インダストリー・ベイビー」は6位から8位、グラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」は8位から9位に順位を下げたが、「インダストリー・ベイビー」はラップ・ソング・チャートで16週目、「ヒート・ウェイヴス」は、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートで、それぞれ12週目の首位をキープしている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月17日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「イージー・オン・ミー」アデル
2位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
3位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
4位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
5位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス
6位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
7位「I Hate U」シザ
8位「インダストリー・ベイビー」リル・ナズ・X&ジャック・ハーロウ
9位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
10位「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」アンディ・ウイリアムス
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