Billboard JAPAN


NEWS

2021/12/10

【ビルボード 2021年年間Artist 100】BTSが総合首位に、僅差で上半期トップのYOASOBIを逆転

 2021年年間Billboard JAPAN総合アーティスト・チャート“Artist 100”は、BTSが総合首位に輝いた。

 BTSは、Billboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”イヤーエンドにて、「Dynamite」が総合2位、「Butter」が同6位、「Permission to Dance」が同15位にチャートイン。総合アルバム・チャート“Hot Albums”では、『BTS, THE BEST』が総合1位、『BE』が同7位、『Butter』が同17位となり、6月以降、両チャートにてポイントを大きく積み上げ、秋にYOASOBIを逆転する展開を見せた。ちょうど昨年度でYOASOBIが夏にポイントを急伸させて秋にOfficial髭男dismを逆転したのと同じ構図だ。

 各指標では、BTSはCDセールスとラジオと動画再生が1位で3冠を達成し、ダウンロードとストリーミングで2位、ルックアップ12位、Twitter 7位、カラオケ31位という結果に。一方のYOASOBIはダウンロードとストリーミングが1位で計2冠、ラジオと動画再生で2位、CDセールス39位、ルックアップ7位、Twitter 8位、カラオケ3位で、両アーティストを比べると、CDとカラオケ指標で明暗が分かれつつも、BTSはアルバムのフィジカル指標が大きくポイントを積み上げた。とはいえ、BTSとYOASOBIの総合ポイント差は約2万ポイントで、3位のOfficial髭男dismと約80万ポイント差であり、いかに両アーティストがダントツの激しい首位争いを繰り広げたかを良く示している。

 YOASOBIは“JAPAN HOT 100”イヤーエンドにて、「夜に駆ける」(総合3位)、「怪物」(同5位)、「群青」(同8位)、「ハルジオン」(同26位)、「アンコール」(同32位)、「ハルカ」(同37位)、「三原色」(同45位)、「もう少しだけ」(同48位)、「たぶん」(同59位)、「あの夢をなぞって」(同67位)、「優しい彗星」(同70位)の計11曲が100位圏内にチャートイン。“Hot Albums”では『THE BOOK』が総合4位と、ソング・チャートを中心にポイントを積み上げた。“Artist 100”の年間2位に加え、作詞家・作曲家チャートでもAyaseが2位以下に大差を付けて総合1位に立っており、昨年の“JAPAN HOT 100”イヤーエンド1位を獲得後、めざましい活躍を繰り広げ、文句なく2021年を代表するアーティストの一組となった。

 総合3位のOfficial髭男dismは、“JAPAN HOT 100”イヤーエンドにて、「Cry Baby」の総合13位以下に計7曲、“Hot Albums”では『Editorial』(総合10位)と『Traveler』(同46位)の2タイトルがチャートイン。総合4位の優里は“JAPAN HOT 100”で4曲、総合6位のAdoは“JAPAN HOT 100”に3曲がチャートインと、複数曲または複数タイトルをチャートインさせることで“Artist 100”の上位に食い込んでいる。

 このように、BTSの世界的な活躍によって注目されたファンダムの有り様は、楽曲起因で形作られる場合と、もう一方で、アーティスト起因で形作られる場合に、緩やかに分けることができる。

 今年もウィークリー・チャートを賑わせた総合14位のSnow Manと15位のSixTONESは、CDとルックアップのフィジカル2指標が大きく牽引してポイントを積み上げる代表格のアーティストだ。次に示す棒グラフは、それぞれの“JAPAN HOT 100”にチャートインした全楽曲の各指標のポイント合計を月別に切り分けている。これを見ると、ともにシングルのリリース・タイミングでポイントを大きく積み上げ、それ以外の時期は落ち着いたポイントとなっている。これがアーティスト起因のファンダムの典型的なポイント推移といえる。

 同じグラフでBTSとYOASOBIを見てみよう。2アーティストともに、リリース時期とは関係なくダウンロードやストリーミングでポイントを積み上げ続けている。特にBTSに着目すると、Snow ManやSixTONESと同じようなアーティスト起因のファンダムから、2020年から楽曲起因のファンダムに移行したことが分かる。つまり、それぞれの起因によるファンダムを明確に分けることは本来難しい。とはいえ、連続性を生み出し、マーケットが自律的に増幅しやすいのは楽曲起因のファンダムだ。

 これをアーティスト起因で生み出すには、音楽番組に限らずバラエティやドラマなど、地上波テレビを中心としたメディアに大量に露出し続けることが必要となるだろう。その出演枠には限りがあるわけで、アーティストが活路をインターネットに求めるのは当然だ。そしてSNSやストリーミング、動画配信では、楽曲をフックにしたアプローチも有効となり、この状況が結果的に楽曲起因のファンダムを多数生み出し、“Artist 100”のラインナップを大きく変えた。

 次に登場(あるいは飛躍)が待たれるのは、BTSをモデルケースとした、アーティスト起因と楽曲起因の両方を兼ね備えるファンダムに支えられ、様々な局面で世界と繋がりを持つアーティスト達だ。おそらくはそのとき、彼らと共に作り手や送り手も変わっていく。

 「ローカライズ」するために必要なこと。「数字を持っている」のはアーティストか楽曲か。「数字」が語ること。「伝えたいこと」と「伝えられること」の距離。集約するならば、「ヒット」とは何か。

 半世紀を超えて問われ続けてきたこの問いが、新たな意義を持って、あらゆる分野の人々の眼前に立ち現れている。まずは、それに長らく直面を余儀なくされてきたアーティスト達に深い敬意と共感を。ビルボードもまた、デジタルやフィジカルの区別なく、ユーザーが一層楽しめるマーケットの成長に向け、その一助となるためにすべきことの実現を目指す。


Text by 礒崎誠二

【Billboard JAPAN Artist 100 of the Year 2021】トップ10
1位 BTS
2位 YOASOBI
3位 Official髭男dism
4位 優里
5位 NiziU
6位 Ado
7位 back number
8位 LiSA
9位 あいみょん
10位 米津玄師

集計期間:2020年11月23日(月)~2021年11月28日(日)

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