2021/11/16
現地時間2021年11月14日、アデルが今週金曜日にリリースする最新アルバム『30』を引っさげて、米CBSの特別番組『Adele: One Night Only』に出演し、同アルバムの初となるTVプロモーションを行った。本番組では、アルバム『30』から4曲を含む全10曲のパフォーマンスとオプラ・ウィンフリーとのインタビューが放送された。
2015年の『Adele: Live in New York City』以来のTVコンサートとなった本番組は、集まった有名人の顔ぶれや、素晴らしい新曲、そしてプライベートにまつわる新事実などからもわかるように、音楽業界で最も愛されている才能の一人のカムバックを示すものだった。ここでは、本番組の7つのハイライトを紹介する。
1. 会場
米ロサンゼルスの有名なグリフィス天文台で撮影された『Adele: One Night Only』は、ヴィジュアルも素晴らしかった。湾曲したベンチとその後ろにある円柱のピカピカで半光沢の白さは、ステージ上の才能あるミュージシャンの温かさと相まって、威厳を感じさせた。広いステージには、生き生きとしたバック・シンガー、情熱的なストリングス・セクション、そして一連のミュージシャンが加わった。一般的にアデルのライブは、彼女がマイク前からほとんど動かずに力強く歌ったり、活気あるMCが中心となるが、今回はグリフィス天文台を背景に映し出された一連のビデオ・プロジェクションが舞台を盛り上げた。
「When We Were Young」の演奏中には、アデルの幼少期の写真が映し出され、広々とした会場がさらに親密に感じられた。天文台の近くに位置する象徴的なハリウッド・サインは、大スターの一人が本当にカムバックしたことをとりわけ思い出させてくれた。
2. 著名ゲスト
スターはスターを呼び、アデルのショーにはスターが勢ぞろいしたかのように思われた。ドレイク、セレーナ・ゴメス、トレイシー・エリス・ロス、メリッサ・マッカーシー、リゾ、ゴードン・ラムゼイ、エレン・デジェネレス、タイラー・ペリー、エイヴァ・デュヴァーネイ、ガイル・キング、ドウェイン・ウェイド、ガブリエル・ユニオン、チャイルディッシュ・ガンビーノ、セス・ローゲン、レオナルド・ディカプリオなどの著名人たちが、アデルの4枚目のアルバムのプレビューのためにグリフィス天文台に集結した。しかし、このように有名人が一堂に会してもこの夜の真の目的が失われることがなかったのは、アデルのパーソナルな雰囲気を演出する能力の賜物である。
3. アルバム『30』のプレビュー
アデルは、待望のニュー・アルバム『30』から4曲を披露した。米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で4週連続1位を獲得したシングル「イージー・オン・ミー」の初ライブ・パフォーマンスは、期待通り素晴らしかった。また、彼女は同アルバムからのセカンド・シングルで、自虐的な歌詞が胸を打つ切ないバラード「I Drink Wine」を初披露した。同アルバムから最後に披露された「Hold On」と「Love Is A Game」は、間違いなく名演奏だった。「Hold On」は、アデルの典型的なテンポをわずかに上げた希望のアンセムで、「Love Is A Game」は、愛の試練についてのドラマチックな熟考で、すでにタイムレスな風格を持っていた。
4. 衣装
アデルは、このコンサートのために、スキャパレリのゴージャスな黒のカスタムメイドのドレスを着用した。コンサート中、彼女はこのドレスがメリル・ストリープとゴールディ・ホーンが共演した1992年のコメディ映画『永久に美しく…』を思い出させるとジョークを飛ばしたが、ガウンを着て歩こうとする愛らしい姿でも視聴者を魅了した。また、耳元にはスキャパレリの土星の形をしたイアリングをしていた。土星が元の位置に戻るには30年を要することから、サターン・リターンはアルバム『30』のプロモーション活動の大きなテーマになっている。アルバムのタイトルから、カスタムメイドのイヤリング、会場選び、新しい土星のタトゥーまで、今回アデルはテーマの一貫性を重視しているようだ。
オプラのローズ・ガーデンでのインタビューでは、アデルは白のクリストファー・ジョン・ロジャーズのカスタム・パンツスーツに、ルブタンのヒール、スワロフスキーのクリスタルが施されたジャケットを着用した。
5. プロポーズ作戦
「Make You Feel My Love」の感動的な演奏の直前には、ステージ前でクエンティンという男性が長年の恋人であるアシュリーにプロポーズし、彼女はイエスと答えた。この愛の素晴らしい表現とアシュリーの驚いた反応は、番組に甘いひと時をもたらした。
アルバム『30』の多くは、アデル自身の離婚や、愛に悩んでいた関係に基づいている。プロポーズで、その重苦しさとのバランスを取るのは、賢い選択だった。さらにプロポーズは、番組に歓迎すべきサプライズの要素を加えた。
6. ステージ上での愉快な会話
アデルは、花火を使用したり、ダンサーと息のあった振り付けをするといった演出は行わないが、ステージ上での気さくな会話のコツを知っている。彼女の快活な性格と再びコンサートができるという純粋な感謝の気持ちは会場を和ませた。リゾに声をかけ彼女のドレスを褒めたり、9歳の息子のアンジェロが彼女のパフォーマンスを見るのは今回が初めてだと大袈裟に話したり、話すたびに、歌うのと同じように観客を虜にした。この日の彼女のステージ上での最高のMCは、「Make You Feel My Love」で、プロポーズされたアシュリーがまだ呆然とした表情をしているのを見て、キャッキャと笑ったことだろう。
7. オプラとの深く掘り下げた会話
『Adele: One Night Only』はコンサートとインタビューを掛け合わせた構成で、アデルの過去6年間のブランクや新曲とお馴染みの曲のパフォーマンスの背景を視聴者に紹介した。オプラは、自身のローズ・ガーデンでの親密なインタビューで知られているが、アデルとの会話は隠し事がなく感動させられるものだった。核家族の概念に悩んでいるという会話の中で、アデルは「自分の結婚生活がうまくいかなかったことが恥ずかしい」と述べた。ここまで率直な発言は、このように注目を集めるインタビューでは珍しいことである。そして、誰しもがアデルほど正直ではない。
アデルの減量に対する反応についてオプラが尋ねると、「誰かが自身の体についてどう感じているか、その正当性を確認するのは私の仕事ではありません」とアデルは述べた。表舞台に立つようになって以来、体型に強い関心が寄せられ、物のように扱われた女性として、アデルの絶妙なニュアンスの理解は、この回答やインタビューを通して役立った。アデルが音楽以外のことを打ち明けるのを聞く機会はあまりない。そのため、今回のインタビューはとても貴重なものとなった。
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