2021/11/12
2021年の音楽シーンを生きている僕らが格好良いと思える音
中国で累計興行収入600億円を記録する国民的エンターテインメント作品、映画『唐人街探偵 NEW YORK MISSION』が2021年11月12日(金)よりここ日本でも公開。その日本版主題歌「GIMME THAT feat. 向井太一」を完成させたJUVENILE×向井太一の対談インタビューが実現した。かねてより互いのことをリスペクトする気になる存在だったという2人は、今回のコラボレーションにどんな想いで臨んだのか。ぜひご覧頂きたい。
<JUVENILE×向井太一 お互いに抱いていたアーティスト像>
--今回の映画『唐人街探偵 NEW YORK MISSION』日本版主題歌で初めて共演されたそうですが、ご一緒する前はお互いにどんな印象を持たれていましたか?
JUVENILE:結構前から太一くんのことは知っていて、歌声が格好良いじゃないですか。最近のm-floさんとのフィーチャリング曲もそうでしたけど、タイトルやクレジットを見なくても、歌声を聴けば「あ、太一くんだ」とすぐ分かる。他の誰にも出せない声なんですよね。今後もし近い声の人が出てきたとしても「なんか向井太一っぽくない?」と言われてしまうと思うぐらい、歌声がオリジナルなんですよね。
--唯一無二のシンガーであると。
JUVENILE:だから「何か一緒にやりたいな」とずっと思っていたんですけど、なかなかそんな機会にも恵まれず……と思っていたら、映画『唐人街探偵 NEW YORK MISSION』日本版主題歌という有り難いプロジェクトが舞い込んできたので「ここだ!」と思い、満を持して「一緒にやりませんか?」と声を掛けさせて頂きました。
向井太一:僕もJUVENILEさんのことはずっと知っていて。いちばん最初のイメージは「トークボックス、めっちゃ聴き取りやすいな」っていう。トークボックスでここまで言葉がしっかり耳に入ってくるのは凄いなと思っていて。で、わりとまわりのアーティストと繋がりがあったりして、たくさんヒットも飛ばしている人だったので「いつかご一緒したいな」と思っていたんです。プロデューサーさん経由でプレイヤーとして僕の作品に間接的に参加してもらったことはあったんですけど、こうして直接共演できたのは今回初めてだったので、すごく嬉しかったですね。10年ぐらい前から知っていたのに、何故かお会いしたことがない方だったので(笑)。
JUVENILE:音楽シーンの近いところで活動しているんですけど、何故かタイミングがなかった(笑)。
--そうなると、映画主題歌で満を持してご一緒することになったのは運命的ですね。
JUVENILE:『唐人街探偵』シリーズはとにかくスケールのデカい映画なんですよ。ニューヨークの街でカーチェイスを繰り広げちゃうような作品で、なかなかここまで景気の良い感じの映画って最近ないから、日本版主題歌も豪華な感じにしたかったんです。とにかくパワーがある映画なんで「こっちもパワー負けしないようにしなきゃ」と思って太一くんにお声掛けさせて頂いたんですけど、実現できてよかったです。
向井太一:今までタイアップで関わらせて頂いた中で、ここまでパワーがある作品の主題歌ってやったことがなくて。そういった意味では、僕にとって初挑戦とも言えるプロジェクトでしたね。
<2021年の音楽シーンを生きている僕らが格好良いと思える音>
--具体的には、どんなイメージを膨らませながら「GIMME THAT feat. 向井太一」は仕上げていったのでしょう?
JUVENILE:映画『唐人街探偵』シリーズの日本版じゃない元々の主題歌が、僕の中でちょっと懐かしい感じのビートに聴こえたんですよ。で、映画自体は景気の良い感じだから、最初は懐古的じゃないですけど、ちょっとバブリーな雰囲気の楽曲制作をイメージしていたんですよね。
向井太一:パーティーチューンみたいな?
JUVENILE:そうそう。パリピのイメージ(笑)。ただ、太一くんとリモートで最初に話して、その数日後にも実際に会って参考曲を探したりしている中で、パリピとかバブリーとかそういう感じじゃないかもなと思い始めて。そこから「じゃあ、すでにある『唐人街探偵』のイメージから派生させていくんじゃなくて、ここから新しく『唐人街探偵』のイメージに乗せられるモノを作ろう」と。で、太一くんが「こういうのどうですか?」って参考用に送ってくれた曲がめちゃくちゃ良かったんで、そこで方向性が定まって生まれたのが「GIMME THAT feat. 向井太一」なんです。結果的に「こういう解釈もあるよね」と思ってもらえる楽曲になったんじゃないかな。
向井太一:今までいろんなプロデューサーの方と楽曲を作ってきたんですけど、JUVENILEさんと組ませて頂いたことで、この2人だからこそ自然に表現できる楽曲がまた新しく生まれた印象ですね。本国の『唐人街探偵』主題歌に影響されず、自分たちらしく「格好良いよね、こういう音楽って」と思えるモノが出来たと思います。すでに僕らは「GIMME THAT feat. 向井太一」が流れてくる『唐人街探偵 NEW YORK MISSION』を観させてもらっているんですけど、これはこれでめちゃくちゃ合っていると思いますよ。
JUVENILE:派手な映画って疾走感がある主題歌を当てがちだし、その恒例な感じに合わせるなら、ドンチャン騒ぎのパーティーアンセムみたいなモノも作れたんですけど、今っぽい楽曲ってあんまり速くないんですよ。あと、この2人で日本版主題歌を担当させて頂くのなら、ちゃんと2021年の音楽シーンを生きている僕らが格好良いと思える音にしたかったんです。そういう意味では、映画とのバランスはよく考えながら構築していった楽曲ですね。
--そんな2人のコラボ曲「GIMME THAT feat. 向井太一」。映画『唐人街探偵 NEW YORK MISSION』ではもちろん聴けるわけですが、ライブやイベントなどで披露していく機会もあるんですかね?
JUVENILE:それは向井太一さん次第です(笑)。
向井太一:ぜひぜひ!
JUVENILE:僕はいろんな人をフィーチャリングして曲を作っているんですけど、JUVENILEとのプロジェクトからホームに戻ったとき「自分のワンマンライブでこの曲は組み込みづらいな」と思わせたくないんですよね。今回のコラボで例えるなら、映画主題歌の為にJUVENILEと向井太一が組んで作った曲ではあるんですけど、そのまんま太一くんのライブのセットリストに入っても遜色のない、むしろ「自分のライブで歌いたい」と思ってくれる曲を目指して作っているんですよね。全フィーチャリングアーティストに対してそうしているんですけど、だから「GIMME THAT feat. 向井太一」も歌い続けてもらえたらいいなとは思っています。
<くだらないことを全力でやってくれているところが好き>
--ちなみに、JUVENILE×向井太一でまたコラボできるなら次はどんな楽曲を作ってみたいですか?
JUVENILE:今っぽさを追求するならBPMはもっと遅いし、暗いまではいかないけど……ゆっくりで静かな曲が多いんですよね、最近。
向井太一:そこで逆に僕らがバチバチの激アゲソングみたいな曲をやっても面白そう。自分の中で今は、気分が上がる曲を作りたいなと思っているんですよね。なので、もしまたご一緒できる機会があるなら、そっちに振り切った曲もやってみたいです。
JUVENILE:アーティストって今流行っているモノの先に行きたがるんで、僕もそろそろそういう曲を作っていきたいと思っているんですよね。
--では、最後に「GIMME THAT feat. 向井太一」も必聴の映画『唐人街探偵 NEW YORK MISSION』のそれぞれが思う見どころを教えて下さい。
向井太一:僕はこの作品独特のスピード感に注目してほしいですね。本当に中だるみする要素がなくて、シーンがどんどん入れ替わっていくような映画なので、前情報が一切なくても楽しめる作品だと思うんですよ。なので、身を任せて観て頂ければ楽しめるんじゃないかな。すごく面白いです!
JUVENILE:『唐人街探偵 NEW YORK MISSION』は2作目なんですけど、前作を観ていなくても全然楽しめると思います。難しい設定とかもないし、誰が観ても理解できる面白さ。あとは「アメリカってこうだよね」みたいな(笑)。物凄くベタなんですよ! ナースの女装するとか、パンツ一丁で走り回るとか、くだらないことを全力でちゃんとやってくれているところが僕は好きですね。最近なかなかそういう映画ってないじゃないですか。だから劇場で大いに笑ってほしいですね。その上で僕らの「GIMME THAT feat. 向井太一」もご堪能頂けたら嬉しいです。
Interviewer:平賀哲雄
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