2021/10/18
King & Prince、TWICE、BE:FIRSTと2021年10月13日発表のBillboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”には新曲が続々と上位チャートインしている。ロング・ヒット勢とのせめぎ合いは今後も続くと思われるが、気になるニューカマーもまだ控えているので今後の展開は読めない。そのなかでも、前週10月6日発表のHot 100で5位、そして当週18位をキープしているINIの「Rocketeer」は注目すべき一曲だ(【表1】)。
INIはGYAO!で配信されていたオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』から生まれたボーイズ・グループである。昨年11月にオーディション・メンバーの募集を開始し、今年6月に最終メンバーが決定。9月26日にデビュー曲「Rocketeer」が配信となった。このデビュー曲発表までに様々なプロモーション施策が行われており、話題作りも入念で、スタッフの気合の入り方もひしひしと感じられる。このオーディション番組からは、JO1もデビューして成功しているのも納得だ。
「Rocketeer」は先述の通り、先週から今週にかけて少しランクダウンしているが、まだまだ粘り強さを見せそうな予感がする。というのも、ストリーミング関しては2位から13位へと大きくダウンしたものの、動画再生数に関しては1位から5位、Twitterのつぶやき数では1位から2位と、配信後2週目も上位をキープしているからだ。しかも、フィジカルのCDリリースが11月3日に控えているというのも大きい。おそらくそのタイミングでも大きくチャートアップするはずだ。もちろん、目標は首位獲得だ。あとがどういったメディア露出をし、一般層に認知していくかがキーとなるだろう。
INIはアイドル性の高いボーイズ・グループとはいえ、この「Rocketeer」はラップを主体にしたかなりハードでコアな楽曲だ。こういった曲でデビューすること自体が、BTS以降の新世代という感覚があるし、おそらく国内だけでなく世界を視野に入れているに違いない。今後は番組の視聴者以外をどこまで取り込み、音楽シーンでどういう立ち位置を取るかが課題だといえる。まずはフィジカルのCD発売後の動きに期待したい。
Text:栗本斉 / Photo: (C)LAPONE ENTERTAINMENT
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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