2013/02/25
レディオヘッドのギタリストとして知られるジョニー・グリーンウッドが映画音楽を担当した『ザ・マスター』が、3月22日より日本にて公開される。
『マグノリア』、『パンチドランク・ラブ』、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などを手掛け、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭を始め、世界的映画祭にて数々の賞を受賞してきたポール・トーマス・アンダーソン監督による最新作『ザ・マスター』。現地時間2月24日に開催された第85回アカデミー賞にて主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞の3部門にノミネートされ、惜しくも今回は受賞を逃したが、第二次世界大戦で心に傷をおった元兵士の主人公のホアキン・フェニックス演じるフレディ、フィリップ・シーモア・ホフマン演じる新興宗教団のカリスマ的指導者である“マスター”とその妻役、エイミー・アダムスの名俳優たちの迫真の演技が衝突する人間の深層心理に迫った衝撃作となっている。
村上春樹原作、松山ケンイチと菊地凛子W主演の『ノルウェイの森』、若手注目株エズラ・ミラーの怪演が話題となった『少年は残酷な弓を射る』などの映画音楽などを手掛け、アンダーソン監督の前作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に続く、2度目の起用となる今作。
監督は、再びジョニーを起用したことについて「彼のプレイは本当にユニークだ。僕にとって彼の意見はとても重要で、その音楽に合わせて編集をした部分もあったよ。彼は素晴らしいコラボレーターだし、僕の映画のなかで大きな位置を占めるボイスなんだ。」と語っており、ジョニー自身も「ポールは、数多くのものを音楽に入れて、いかに効果をあげるかというアイデアをたくさん持っている。その中には音楽以外のことも含まれてたりするんだけど、それが役立って、かなり自由にやれたよ。」と監督との仕事についてコメントしている。
さらには「僕は、この時代の楽天主義が気に入ったんだ。カリスマ性のある人物や新しい方法で“病気”を直すという考え方、それから熱心な信奉者にもね。何だか面白いよね。新しいことを始めようとするアメリカの中間層がいて、その中に傍観者のように立っているフレディが、意義を見出そうとするんだ。」と作品について語っている。
本作のインスピレーションを得るために、監督と共に1950年代に電子音楽の先駆者の一人として、磁気テープとマイクを駆使して前代未聞のサウンドを編み出したオットー・ルーニングの音楽についても話し合ったそうで、この技法を応用したスコアは、登場人物の錯乱する心理状態を巧妙に表現したインパクトがある作品に仕上がっている。
◎『ザ・マスター』オリジナル・サウンドトラック トラックリスト
01. Overtones (Jonny Greenwood)
02. Time Hole (Jonny Greenwood)
03. Back Beyond (Jonny Greenwood)
04. Get Thee Behind Me Satan (Ella Fitzgerald)
05. Alethia (Jonny Greenwood)
06. Don't Sit Under The Apple Tree (With Anyone Else But Me) (Madisen Beaty)
07. Atomic Healer (Jonny Greenwood)
08. Able-Bodied Seamen (Jonny Greenwood)
09. The Split Saber (Jonny Greenwood)
10. Baton Sparks (Jonny Greenwood)
11. No Other Love (Jo Stafford)
12. His Master's Voice (Jonny Greenwood)
13. Application 45 Version 1 (Jonny Greenwood)
14. Changing Partners (Helen Forrest)
15. Sweetness Of Freddie (Jonny Greenwood)
◎映画情報
『ザ・マスター』
脚本・監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ホアキン・フェニックス / フィリップ・シーモア・ホフマン / エイミー・アダムス
音楽:ジョニー・グリーンウッド 配給:ファントム・フィルム
INFO: http://themastermovie.jp/
3月22日(金)TOHOシネマズ シャンテ、新宿バルト9ほか全国ロードショー
Photo:(C)MMXII by Western Film Company LLC All Rights Reserved.
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