2021/08/16
ソニーミュージックが、『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル (Elvis Back In Nashville)』を2021年11月12日にリリースすることを発表した。これは、エルヴィス・プレスリーが1971年月5月~6月にナッシュヴィルで行った(彼が同地で行ったものとしては最後となった)スタジオ・セッションの決定版である。この発表にあわせて、『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル』からの第1弾トラック「アイム・リーヴィン」が試聴可能となった。
『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル』は4CD、2LP、デジタルで発売。また、グレイスランドではコレクターズアイテムとして、12インチ・カラー・アナログ盤LP2枚組を発売する。
『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル』はエルヴィスとミュージシャンがスタジオ内で生演奏しながら、のちに発売するための主要楽曲やパフォーマンスを録音している姿をとらえた82曲のオリジナル録音が手付かずの状態で収録されている。これらの貴重なセッションは、エルヴィス最後のナッシュヴィル録音を時系列でとらえている。1971年の米ナッシュヴィルにおけるスタジオ録音の一部は、オーケストラやヴォーカルのオーヴァーダブを施したものが季節商品の『初めてのクリスマス(Elvis Sings the Wonderful World of Christmas)』(1971年)、【グラミー賞】を受賞したゴスペル・アルバム『至上の愛(He Touched Me)』(1972年)、『エルヴィス・ナウ』(1972年)、『フール(Elvis)』(1973年)に収録された。
前作『フロム・エルヴィス・イン・ナッシュヴィル』(2020年11月発売)と同様、『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル』はエルヴィス・プレスリーと彼のメインのバンドの、実際のセッションそのままの姿をとらえており、オーケストラのオーヴァーダブやヴォーカルは伴っていない。エルヴィスが1970年と1971年にナッシュヴィルで行ったセッションの主な違いは、1971年の録音にはバッキング・シンガーの声が入っているものが多いということ。したがって『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル』にはヴォーカルが増強されているものといないもの両方の楽曲が多種多様収録されることになる。
エルヴィスとミュージシャンたちが伝説的な1970年のマラソン・セッションで生み出した多数の素晴らしい録音は『フロム・エルヴィス・イン・ナッシュヴィル』で聴くことができるが、RCAとエルヴィスのスタッフは今回もタイトなバンド、年季の入ったスタジオ、慎重に選ばれたレパートリー、マイクを前にリラックスした自然体のエルヴィスという魅力的なコンビネーションを維持し、短い期間にできるだけ多くの音源を録音することにした。これらのセッションは、エルヴィスのその後のコンサート日程が増えていく中、この先スタジオで過ごせる時間が限られることを見越し、1年分くらいの新曲を生み出すというのが目標だった。RCAとトム・パーカー大佐は、新たなクリスマス・アルバム、ゴスペル・アルバム、ポップ・アルバムに加え「夏と秋にリリースするためのニュー・シングルを数曲」欲しいとエルヴィスに伝えた。それに従い、エルヴィスの音楽コーディネーター兼プロデューサーのフェルトン・ジャーヴィスが、1971年3月15日からまる1週間分昼夜にわたるセッションを予約し、前年に起用したのと同じメンバーのバンドを連れてきた。
エルヴィスが1970年にナッシュヴィルにレコーディングの為に戻ったことは貴重だった。メンフィス録音やステージへの復帰の直後に行われたこれらのセッションは、単にカムバックを維持させる以上の効果があった。これらのセッションによりエルヴィスは素晴らしい新リズム・セクションを知ることとなり、エルヴィスは素晴らしくかつ新しいサウンドを与えられたのだ。ベーシストのノーバート・パットナム、ドラマーのジェリー・キャリガン、ピアニストのデヴィッド・ブリッグスは60年代に、R&Bに影響を受けたスタイルを米アラバマ州マッスルショールズのF.A.M.E.スタジオからナッシュヴィルでのセッション・ワークに移植し、カントリー・ミュージックのリズムの変化に寄与していた。プロデューサーのフェルトン・ジャーヴィスのもと引き合わされたエルヴィス、マッスルショールズの青年たち、セッションギタリストのチップ・ヤング、あらゆる音楽をこなすチャーリー・マッコイ、そしてエルヴィスのバンドのリーダー、ジェームス・バートンは、後年に評価を得ることとなる『エルヴィス・カントリー』を共に作り出した。そのプロセスの中で得たカントリー・ソウルのテンプレートを、エルヴィスは晩年たびたび踏襲することになる。
音楽評論家のデイヴ・マーシュはかつて、あの称賛をもってしても「エルヴィス・プレスリーはおそらく史上最も過小評価されたシンガーの1人だった」と記したことがある。オーヴァーダブを廃した『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル』は、エルヴィスのキャリアの中でも有数の説得力の強さを持った歌声を露わにする。
ディスク1には、「ザ・カントリー/フォーク・サイド」(イワン・マッコール、ゴードン・ライトフット、クリス・クリストファーソン、バフィー・セントメリー、ボブ・ディランによる楽曲がフィーチャーされた、エルヴィスの未実現に終わったプロジェクト)、「ザ・ピアノ・レコーディングズ」(エルヴィスが生声でアイヴォリー・ジョー・ハンターの曲を自身のピアノ弾き語りで歌うもの)、「ザ・ポップ・サイド」(「パドレ[Padre]」、「恋は愚かというけれど[Fools Rush In Where Angels Fear To Tread]」、「マイ・ウェイ」、「アイム・リーヴィン」他)など18曲を収録。
ディスク2には、「ザ・レリジャス・サイド」(クラシックおよびコンテンポラリー・ゴスペル)と「ザ・クリスマス・サイド」(ホリデイ・シーズンの宗教および世俗音楽)に分類された25曲が収録される。
ディスク3には、「ジョニー・B・グッド」や「レディ・マドンナ」の即興パフォーマンス、ボブ・ディランの「くよくよするなよ[Don't Think Twice, (It's Alright)]の壮大なテイク、「ひとりぼっちの夜[Help Me Make It Through The Night]」、「朝の雨[Early Morning Rain]」の新鮮な解釈など、ディスク1のカントリー・ポップのレパートリーにロックンロールの風味を加えた19曲を収録。
そしてディスク4には、「ザ・レリジャス・アウトテイクス」と「ザ・クリスマス・アウトテイクス」の20曲を収録する。
エルヴィス・ウィーク2021(8月1日1~17日)の一環として、『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル』の特別開封イベントが8月12日米中西部時間午後4時/米東海岸時間午後5時(日本時間8月13日午前6時)よりグレイスランドのゲスト・ハウス・シアターからライブ配信された。トム・ブラウンとミキシング・エンジニアのマット・ロス・スパングが司会を務め、『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル』について語り合い、CDとLPのパッケージを視聴者の前で開封された。
◎リリース情報
アルバム『エルヴィス・バック・イン・ナッシュヴィル』
2021/11/12 RELEASE
https://SonyMusicJapan.lnk.to/ImLeavin
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