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2021/08/09

【米ビルボード・アルバム・チャート】ビリー・アイリッシュ2作目の首位、故プリンス『ウェルカム・2・アメリカ』初登場4位

 ビリー・アイリッシュの新作『ハピアー・ザン・エヴァー』がNo.1デビューを飾った、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 本作は、2019年3月にリリースしたデビュー作『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』から約2年ぶり、2枚目のスタジオ・アルバムで、Billboard 200では2作目の首位獲得、通算5作目のチャートインを果たした。

14位『ドント・スマイル・アット・ミー』(2017年)
1位『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』(2019年)
55位『ライブ・アット・サード・マン・レコーズ』(2019年)
87位『Prime Day Show x Billie Eilish』(2021年)
1位『ハピアー・ザン・エヴァー』(2021年)

 なお、前作『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』は非連続で3週間1位を獲得し、同年の年間アルバム・チャートでも1位を記録。翌2020年の【第62回グラミー賞】では<最優秀アルバム賞>を、【2020 ビルボード・ミュージック・アワード】では<トップ Billboard 200 アルバム賞>受賞し、これまで500万ユニットを超える大ヒットに至った。

 『ハピアー・ザン・エヴァー』の初動ユニットは238,000で、2021年の週間ユニット数としては5番目に高い記録を更新。その内訳153,000がアルバム・セールス、84,000がアルバム・ストリーミング(SEA)、1,000がトラックごとのユニット(TEA)だった。週間ストリーミングは全16曲で1億1,387万回を記録している。

 今週最大の売り上げを記録した週間セールス153,000のうち、73,000がアナログ盤(LP)、46,000がCD、10,000がカセットテープ、24,000がデジタル・ダウンロードと半数近くをレコードの売り上げが占めた。ニールセン・ミュージック/MRCデータが集計をスタートした1991年以降の週間レコード売上枚数としては、今年の6月12日付チャートでテイラー・スウィフトの『エヴァーモア』が記録した102,000枚に次ぐ2番目に高いセールスで、アナログ盤の売上枚数だけでみても今週2位にランクインしているザ・キッド・ラロイの『ファック・ラヴ』の総ユニット65,000を上回っている。

 2021年の週間セールスとしては、その『エヴァーモア』(192,000)、同じくテイラーの『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』(179,000)に次ぐ3番目に高い記録で、デビュー週としては『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』(4月24日付チャート)に続く2番目の記録となる。『ハピアー・ザン・エヴァー』が高セールスを記録した理由として、8バージョンあるアナログ盤、サイン付きのパッケージなど10種のCD、3種類のボックスセット、ポスター付きの限定盤、数種類のカセットテープ等、バージョンの異なるパッケージ・リリースが挙げられる。

 先週の1位から2位にダウンした前述の『ファック・ラヴ』に続き、オリヴィア・ロドリゴの『サワー』も先週の2位から3位に順位を落としたが、初登場の6月5日付チャートから11週連続でTOP5をキープしている。今週は、ビリー・アイリッシュ(19歳)、ザ・キッド・ラロイ(17歳)、オリヴィア・ロドリゴ(18歳)と10代のアーティストがTOP3を独占した。

 続いて4位にデビューしたのは、2016年4月に急逝した故プリンスの『ウェルカム・2・アメリカ』。本作は、11年前の2010年にレコーディングされたアルバムで、TOP10入りは通算20作目、ベスト盤や過去のアルバムを除くオリジナル・アルバムとしては、2009年に3位を記録した『ロータスフラワー/MPLサウンド』以来の最高位を更新した。初動ユニットは55,000で、そのうち50,000がアルバム・セールス、4,000がアルバム・ストリーミング、1,000がトラックごとのユニットとセールスがユニット数のほとんどを占めた。

 ドージャ・キャットの『プラネット・ハー』(55,000ユニット/4%減少)が3位から5位に、モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(44,000ユニット/1%減少)が4位から6位にそれぞれダウンし、7位にはケンドリック・ラマ―の所属レーベル<Top Dawg Entertainment>に在籍するラッパー=アイザイア・ラッシャッドの新作『The House Is Burning』が初登場した。本作は、2016年の2ndアルバム『The Sun's Tirade』(最高17位)以来約5年ぶり、3作目のアルバムで、TOP10入りは初の快挙となる。初動ユニットは41,000で、そのうち36,000がアルバム・ストリーミング、アルバム・セールスは5,000程度と全体の9割をストリーミングが占めた。週間ストリーミングは全16曲で4,689万回を記録している。

 新作の登場により、リル・ベイビーとリル・ダークのコラボレーション・アルバム『The Voice Of The Heroes』(30,000ユニット/6%減少)が6位から8位、デュア・リパの『フューチャー・ノスタルジア』(29,000ユニット/2%増加)が10位から9位、ポロ・Gの『ホール・オブ・フェイム』(27,000ユニット/7%減少)が8位から10位にそれぞれ順位を入れ替えたが、ユニット数の大幅な変動はない。


Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは8月13日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ハピアー・ザン・エヴァー』ビリー・アイリッシュ
2位『ファック・ラヴ』ザ・キッド・ラロイ
3位『サワー』オリヴィア・ロドリゴ
4位『ウェルカム・2・アメリカ』プリンス
5位『プラネット・ハー』ドージャ・キャット
6位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
7位『The House Is Burning』アイザイア・ラッシャッド
8位『The Voice Of The Heroes』リル・ベイビー&リル・ダーク
9位『フューチャー・ノスタルジア』デュア・リパ
10位『ホール・オブ・フェイム』ポロG

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