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2021/06/30

ジャスティン・ヴァーノン&アーロン・デスナーによるビッグ・レッド・マシーンの2ndアルバム完成、テイラー・スウィフトなど参加

 ザ・ナショナルのアーロン・デスナーとボン・イヴェールのジャスティン・ヴァーノンによるプロジェクト、ビッグ・レッド・マシーンの2ndアルバム『ハウ・ロング・ドゥ・ユー・シンク・イッツ・ゴナ・ラスト?』が2021年8月27日にリリースされることが発表された。

 アーロン・デスナーは子供の頃から米シンシナティ郊外の地下室で双子のブライスと共に様々な楽器を演奏することを学び、感情的なアウトレットや深い人間関係を、音楽を通して常に追求してきた。ザ・ナショナルの主要なソングライター、様々なフェスティバルの創設者、米ニューヨークにある自身のスタジオ、Long Pondでレコーディングされたテイラー・スウィフトの2枚のアルバムのコラボレーター、こうした活動を通し、デスナーは他にはないミュージシャンのコミュニティを作り上げた。

 「音楽を前進させたい」という彼が持つ豊かな精神と欲求は、2008年にボン・イヴェールのジャスティン・ヴァーノンとスタートさせたビッグ・レッド・マシーンの2ndアルバム『ハウ・ロング・ドゥ・ユー・シンク・イッツ・ゴナ・ラスト?』で、最も深く感じ取ることが出来る。

 自分たちの楽しみから始めたとデスナーが語るビッグ・レッド・マシーンは、2018年にセルフ・タイトルのデビュー・アルバムをリリース。デスナーが「構造化された実験主義」と呼ぶこのアルバムは、インプロヴィゼーションから進化し、ライブで上手く機能するトラックを作るところに焦点があてられた。2019年、ヴァーノンがLong Pondを訪れた時、新しいビッグ・レッド・マシーンの素材は形になり始めた。最初の週で「Reese」、「8:22am」、「Latter Days」(ヴァーノンとアナイス・ミッチェルが歌うオープナー)といった曲が作られ、「Latter Days」で歌われた子供時代のイノセンスやノスタルジアの損失がアルバム全体を定義するテーマとなった。

 その後の数か月、二人は可能な限り会い、作業を進めた。パンデミックの初期、テイラー・スウィフトはデスナーにアプローチし、二人は後に『Folklore』『Evermore』となるコラボレーションをスタートさせた。自ら「creative blur(クリエイティブ・ブラー)」と表するこの時期、デスナーはスウィフトとビッグ・レッド・マシーンの作業を同時に進めていた。「僕にとって非常に成長した時期だった。テイラーとそのプロセスから多くのことを学んだ。そして、未完成だったビッグ・レッド・マシーンの曲を彼女と共有した。テイラーは本当に刺激的で、とてもポジティヴなフィードバックと励ましをくれた。ビッグ・レッド・マシーンは自分が行っている他の全てのものと如何に関連しているのか、ということを理解する助けとなったんだ」とデスナーは語る。

 フリート・フォクシーズのロビン・ペックノールド(「Phoenix」)、ベン・ハワードとディス・イズ・ザ・キット(「June’s a River」)、ナイーム(「Easy to Sabotage」)、シャロン・ヴァン・エッテンとリサ・ハニガンとマイ・ブライテスト・ダイアモンドのシャラ・ノヴァ(「Hutch」)、そしてテイラー・スウィフト(「Birch」と「Renegade」のうち後者は2021年の3月、米ロサンジェルスのスタジオ、Kitty Committeeでレコーディングされ、同じ週、スウィフトとデスナーは【グラミー賞】で<アルバム・オブ・ザ・イヤー>を獲得した)と、アルバムでは多くのコラボレーターや友人達がアイデアの相互交換を行っている。

 「このレコードに参加しているすべての人には、オープン性、創造的な寛大さ、そして全てを繋ぐ感情的な品質がある」とデスナーは語る。また、「Brycie」や「Magnolia」等、デスナー自らが歌う必要がある曲がいくつかあることも明らかとなった。「長い間バンドにいて、他の誰かがヴォーカルであると、それに頼るようになってしまう。実際、僕はマット(・バーニンガー / ザ・ナショナルのヴォーカリスト)の声と彼の言葉を愛していた。しかし、自分で“Brycie”を歌うことで、ビッグ・レッド・マシーンは、他の人と一緒に曲を作れるだけでなく、自分で曲を完成させることもできるプロジェクトだとわかったんだ」とデスナーは語る。「アーロンは数年前に“Brycie”を聴かせてくれた。僕は美しい曲なのでもっと歌うべきだ、と思っていた。アーロンの声は僕にとって本当に良い音に聴こえるんだ」とヴァーノンは続ける。

 「ジャスティンは信じられないほどの才能をもっているが、彼はまた破壊的でもある」と、デスナーは代表的な例として「Birch」の最初の音を指して言う。 「それは絶対的に素晴らしいんだけど、最初に聴いた時、非常に驚いた。彼と一緒に仕事をしていると、そのように驚いて頭が壁にぶつかる瞬間が沢山あるんだよ」とデスナーは続ける。「コラボレーターとしてのアーロンの最大の才能は、彼にとって非常に自然な感情的な音を進化させ、実験する能力だ」とヴァーノンは語る。

 アルバムのタイトル、『ハウ・ロング・ドゥ・ユー・シンク・イッツ・ゴナ・ラスト?』はスウィフトによりつけられた。彼女はアルバムのテーマを直感的にまとめた。「1年前、僕らは一緒に仕事をしたことさえなかったんだ。コミュニティが拡大し続け、このアルバムに貢献したすべての人が音楽の中心にある感情に自然に繋がっているのは本当にクールなことだよね」とデスナーは語る。

◎リリース情報
アルバム『ハウ・ロング・ドゥ・ユー・シンク・イッツ・ゴナ・ラスト?』
2021/8/27 RELEASE
JAG415JCD / 2,500円(plus tax)
<トラックリスト>
1. Latter Days (feat. Anaïs Mitchell)
2. Reese
3. Phoenix (feat. Fleet Foxes and Anaïs Mitchell)
4. Birch (feat. Taylor Swift)
5. Renegade (feat. Taylor Swift)
6. The Ghost of Cincinnati
7. Hoping Then
8. Mimi (feat. Ilsey)
9. Easy to Sabotage (feat. Naeem)
10. Hutch (feat. Sharon Van Etten, Lisa Hannigan and Shara Nova [My Brightest Diamond])
11. 8:22am (feat. La Force)
12. Magnolia
13. June’s a River (feat. Ben Howard and This Is The Kit)
14. Brycie
15. New Auburn (feat. Anaïs Mitchell)
※その他、日本盤ボーナス・トラック追加収録(予定)

Photo: Graham Tolbert

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