オリヴィア・ロドリゴの『サワー』が4週ぶり、2週目の首位復帰を果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

　6月5日付チャートで1位に初登場した『サワー』は、翌週2位にダウンしてから3週間TOP3をキープした後、登場5週目となる今週4週間ぶりに首位へ復帰した。週間ユニット数は前週から14％減少したが、今週も105,000と高記録を維持していて、初登場から5週連続で10万ユニットを超える快挙を達成している。

6月5日　1位　295,000
6月12日　2位　186,000
6月19日　2位　143,000
6月26日　3位　122,000
7月3日　1位　105,000

　5週連続で10万ユニットを超えたのは、2021年1月23日から2月20日付チャートで達成したモーガン・ウォレンの『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』（今週5位）以来の快挙で、2021年ではこの2枚のみとなる。

　なお、『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』の収録曲数が30曲に対し、『サワー』はわずか11曲でこの記録を打ち出している。アルバム・ストリーミング（SEA）とトラックごとのユニット（TEA）は曲数が多いほど有利になるため、昨今ではトラック数を増やしたり、発売後に新曲を追加したデラックス・エディションをリリースするケースが増えているが、『サワー』は今のところデラックス盤のリリースもなく、『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』の半数以下のタイトル数で高ストリーミングを維持している。

　先週1位に初登場したポロGの新作『ホール・オブ・フェイム』は2位にダウンし、ユニット数も初週の143,000から54％減少の65,000まで落ち込んだ。また、『ホール・オブ・フェイム』に続き2位にデビューしたミーゴスの新作 『カルチャーIII』も、130,500から58％減少の54,000ユニットまで数字を落とし、今週4位に下降している。リル・ベイビーとリル・ダークのコラボレーション・アルバム『The Voice Of The Heroes』は、ユニット数が先週から21％減少したものの（57,000）、順位は4位から3位に上昇した。これは、全体のユニット数が低下していることを物語る。

　前述の『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』を挟み6位に初登場したのは、米カリフォルニア州出身の女性R&Bシンガー＝H.E.R.のデビュー・アルバム『バック・オブ・マイ・マインド』。初動ユニットは36,000で、そのうちアルバム・ストリーミングが29,500、アルバム・セールスは5,500、トラックごとのユニット数は1,000だった。週間ストリーミングは3,962万再生を記録している。

　H.E.R.はこれまでコンピレーション・アルバム2枚、EPを6作リリースしているが、Billboard 200での最高位は2018年にリリースした『I Used to Know Her: The Prelude』の20位で、TOP10入りは意外にも本作が初となる。3月に開催された【第63回グラミー賞】で＜年間最優秀楽曲賞＞と＜最優秀R&Bソング賞＞を受賞したこと、4月に開催された【第93回アカデミー賞】で＜歌曲賞＞を受賞したことが、アルバムのヒットに大きく貢献した。

　以下、デュア・リパの『フューチャー・ノスタルジア』（32,000ユニット）が11位から7位にTOP10復帰し、マネーバッグ・ヨーの『A Gangsta's Pain』（31,000ユニット）も9位から8位に上昇。先週7位にジャンプアップしたボー・バーナムの『Inside (The Songs)』（30,000ユニット）は9位にダウンして、J.コールの『The Off-Season』（30,000ユニット）が10位をキープした。

　次週は、6月25日にサプライズ・リリースされたタイラー・ザ・クリエイターの『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』と、ドージャ・キャットの『プラネット・ハー』が上位にデビューする可能性が高い。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月2日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『サワー』オリヴィア・ロドリゴ
2位『ホール・オブ・フェイム』ポロG
3位『The Voice Of The Heroes』リル・ベイビー＆リル・ダーク
4位『カルチャーIII』ミーゴス
5位『デンジャラス：ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
6位『バック・オブ・マイ・マインド』H.E.R.
7位『フューチャー・ノスタルジア』デュア・リパ
8位『A Gangsta's Pain』マネーバッグ・ヨー
9位『Inside (The Songs)』ボー・バーナム
10位『The Off-Season』J.コール