2021/05/20
米ローリング・ストーン誌のカヴァー・ストーリーで、BTSのリーダーのRMが、インスピレーションを与えてくれたラッパーや、自身のラッパーとしての進化、そしてグループの音楽がK-POPであると考えているかどうかについて語っている。
RMは「私は、ヒップホップの黄金時代であるナズ、エミネムから聞き始めました。そして転機となったのは、ドレイクが2010年にリリースした“Thank Me Later”でした」と、自身のラップ・スタイルに影響を及ぼしたアーティストについて語った。「あのアルバムは、ラッパーが実際に歌っていて少し異色で、ちょっとした衝撃を受けました。以来、多くのラッパーが歌い始め、ジャンルを超えて曲のラップとメロディーの間に歌を入れるようになりました。そう、あれが節目だったんです」と振り返った。
また、「Rap Monster」として元々知られていたRMは、韓国が米国のように多民族国家でないという事実が、母国の音楽にどのような影響を与えているか掘り下げた。「音楽の根底に、異なる感性が存在します」とRMは説明し、「もちろん、韓国のラッパーには、独自で異なる抒情があり、それぞれの状況と困難を一連のプロセスに落とし込んでいます。韓国人として、明らかに、これらは私の心に響くものです」と続けた。
さらに、RMは早くからラッパーになりたいのか、ポップスターになりたいのか決めるのに苦労したことも明かしている。彼は、幼い頃から散文や詩を書いており、ヒップホップに出会ったことで音楽制作に力を注ぎ始めた。「はい、純粋なアーティストになるのか、純粋なラッパーになるのかと考えていました。だから、ポップ・グループとしてデビューした当初は、自分のアイデンティティを再構築し、自分のアイデンティティとは何かを熟考しなければならないことがありました」と語った。「そして、最初は良い結果が出ませんでした。ファンも多くありませんでしたし、素晴らしい結果もない。嘲笑されたことも時々ありました」と振り返った。
幸いなことに、RMはやがて自身のアイデンティティを確立し、自分を表現するとともに観客に伝えることができるようになり、初期に抱いていた葛藤を克服することができた。もう一つの思いがけない変化は、何が本物で純粋なのかという境界がほとんどなくなってしまったことだ。「自分が書いたものを披露することができる限り、それは自分の夢の延長を後押ししていて、ずっとやりたかったことなんです」と彼は述べた。
しかし、思慮深いRMにとっておそらく最も実存的な質問は、BTSとは何か、だろう。ポップなのか、K-POPなのか、それとも完全に独自のものなのか?「うまく説明できませんが、私たちには韓国人、あるいは東洋人が持っている特徴がいくつかあります。その2つを融合させようと試み、新しいジャンルを作ったという感じています。ある人はK-POPと呼ぶでしょう。ある人はBTSと呼ぶかもしれない。あるいは、東洋と西洋が融合した音楽と呼ぶかもしれませんが、私たちがやっているのはそういうことだと思います」と説明した。
「かつてのシルクロードでは、東洋人と西洋人が大きな道で出会い、物を売ったり買ったりしていたという考えがあります」とRMは続け、「私はこの物語が繰り返され、何か新しく、面白い現象が起きていると思います。私たちはこの大きなハリケーンの目の中に存在していることを、とても光栄に思います」と語った。
近年では、韓国人のメンバーがいなくても、K-POPのサウンドやヴィジュアルを兼ね備えたグループが登場しているため、K-POPとは韓国人のために韓国語の曲を歌うことだと思っている人々がいるとRMは述べた。しかし、米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で1位を獲得し、BTSにとって全米最大のヒットとなった、グループ初の英語シングル「Dynamite」はどうだろうか?
「私たちは、曲を英語で歌いました。けれど私たちメンバーは韓国人ですから、K-POPの曲だと言う人もいるでしょう」とRMは言う。「または、英語なのでポップ・ソングと言う人もいるかもしれません。私たち自身は、人々がK-POPとして見ているのか、そうではないのか、実はあまり気にしていません。重要なのは、私たち全員が韓国人で、ポップ・ソングを歌っているということです。それが、自分たちのジャンルがBTSだと言った理由なのです。この議論は音楽業界にとってとても重要なようですが、私たちメンバーにはあまり意味がないことなのです」と述べた。
米ローリング・ストーン誌の2021年6月号では、BTSを大特集しており、メンバー全員の表紙のほか、各メンバーがそれぞれフィーチャーされた表紙の全8種が収められたボックス・セットのプレオーダーが開始されている。
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