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2025/12/29 10:00

<インタビュー>アレックス・デロン(ザ・キャブ) 来日歴は30回以上、10年ぶり再活動を語る

 現地時間2025年10月18日、19日に【When We Were Young Festival】(以下 WWWY)が米ラスベガスで開催された。“私たちが若かった頃”と題した今年のフェスのヘッドライナーをブリンク182とパニック!アット・ザ・ディスコが務め、30~40代があの頃を思い返すようなバンドが1日に50組ほど出演した。10年ぶりに復活したザ・キャブのフロントマン、アレックス・デロンの現地インタビューをお届けする。

――9月26日にEP『Road To Reign: A Prelude』がリリースされました。制作過程のエピソードがあれば教えてください。

アレックス・デロン:実は作曲を始めたのは10年前なんです。いくつかの楽曲はバリで作曲したものです。確か2016年だったと思いますが、休暇でバリに行ったんです。僕たちが再結成するとも思わずに、その時からたくさん曲作りをしていたので、このEPには僕たちの10年が詰まっています。だからとても特別なんです。 時間をかけられたし、いろんなスタイルの曲に挑戦できたし、その間に自分たちも少し成長できたと思います。

――この10年間でバンドはどのように変化したと思いますか?

アレックス:一番大きいのは「成熟」だと思います。特にツアーに出ているとそれを実感します。今はメンバーの多くが結婚して子どももいて、若いころのように全力で突っ走るだけじゃなくなりました。若いときはとにかくスピードが速くて、立ち止まってその瞬間を味わうこともなく、流れに身を任せている感じなんですよね。年を重ねると、そのありがたさをちゃんと理解して、心から感謝できるようになる。今はステージに立つと、その瞬間をしっかり感じて、噛みしめるようにしています。若いころはスピードとパーティーでめちゃくちゃだったけど(笑)、今は一つひとつの瞬間をちゃんと“感じる”ようにしているんです。

――ザ・キャブが最後に日本を訪れたのは2012年です。日本で印象に残っている思い出はありますか?

アレックス:僕は年に数か月は日本に行くんです。日本が本当に大好きで、行きすぎなくらい(笑)。今年の12月もまた行く予定です。毎年12月に行っているんですよ。娘の初めての誕生日も東京で迎えました。そして大阪は世界で一番好きな街のひとつです。日本のファンは本当に情熱的だと思います。日本の人たち全体がそうなんですよね。何かを本当に好きになると、とても情熱的です。それがバンドや音楽、職業であっても、その姿は本当に素敵だと思います。アメリカ人はすぐに気が散って、あれこれ手を出しがちなんですが、日本に行くと人々がその瞬間を心から大切にしているのを感じます。だから、観客が10人でも1万人でも関係なくて、そこにいる人たちは「本当にそこにいたい」と思って来てくれているんです。ロサンゼルスでライブをすると、ちょっとクールぶる人が多いけど(笑)、日本ではみんな本当に楽しそうで、「来られて嬉しい!」という気持ちが伝わってきます。日本の人たちは本当に素敵で、魅力的です。

――よく日本に来られていますが、これまでに何回来日されましたか?

アレックス:多分30回は行ってると思います。毎年行ってますからね。12月には長野や札幌に行く予定です。去年は九州に行って、山でラフティングをしたんです。名古屋、大阪、東京には何度も行ってるので、ほかのところを見たいです。京都から電車で数時間のところとかにね。

――現在オール・タイム・ロウとツアーを回っていますが、どんな気分ですか? 12月にはアジア公演も予定されていますが、日本公演も期待していいでしょうか?

アレックス:シンガポールとマニラに12月に行くんだ。今回なぜか日本は入ってないけど、絶対に行きたい。オール・タイム・ロウ(以下ATL)は素晴らしい。ATLの曲を聞いて育ちました。高校生の時に友達と一緒にATLのライブに行ったこともあって、本当に懐かしいです。今回のツアーは10年ぶりなので、感覚を取り戻している感じです。

――【WWWY】を一言、または一文で表すとしたら?

アレックス:ホーム! 17歳の時にフォール・アウト・ボーイのピート・ウェンツと一緒にパニック!アット・ザ・ディスコのレーベルに所属して、人生のほとんどを音楽と共に過ごしています。だから、ツアーに出て、こういうバンドと一緒いられるところこそ、僕にとって一番落ち着く場所であり、居心地のいい場所なんです。【WWWY】に来ると、まるで家族との再会のように感じられます。子どものころに憧れて見ていたバンドをステージで見られる。友達のパフォーマンスを見ることができる。僕たちのライブに来ていた若いバンドの演奏も見られる。本当に、大きなパーティーであり、大きな再会のようでもあり、まさに「家に帰ってきた」ような気持ちになるんです。

Text & photo by RUMI MAEDA

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