2024/12/24 10:00
マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が通算17週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
12月14日付で約1年ぶりに首位に復帰した「恋人たちのクリスマス」は、先週(12月21日付)、そして今週(12月28日付)もトップを維持して、今シーズン3週連続、通算17週目の首位を獲得。マライアにとっては、1995年から1996年に16週間を記録したボーイズIIメンとのデュエット曲「ワン・スウィート・デイ」を上回る自己最長記録で、どちらも19週間を記録したリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード」、シャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」に続く単独の史上3番目の記録に到達した。
シャブージー「ア・バー・ソング(ティプシー)」 (2024年/19週)
リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年/19週)
マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(2019~2024年/17週)
モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」 (2023年/16週)
ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」(2017年/16週)
マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」(1995~1996年/16週)
上記の曲は全てルミネイトによる集計が始まった1991年以降に首位を獲得したタイトルで、それ以前よりも長く首位を獲得しやすくなったことが分かる。
1994年にリリースされた「恋人たちのクリスマス」は、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降、ホリデー・シーズン毎に最高位を更新して、2017年12月に初めて9位にTOP10入りし、翌18年には3位まで上昇。発売25年目の2019年12月21日付で遂に通算19曲目の首位に輝いた。首位獲得19曲は、ザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ史上2番目の記録で、女性アーティストとしては最多記録を保持している。
2013年から集計が始まったストリーミング・ソング・チャートでも先週に続き1位をキープして、同チャートでの首位獲得総週を通算21週目に更新し、2019年に20週間を記録したリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」を上回り、単独の史上最長記録を達成した。
「恋人たちのクリスマス」は、これまで2019年に3週間、2020年に2週間、2021年に3週間、2022年に4週間、2023年に2週間、そして今年は3週間、6シーズン連続で首位を獲得して、初めて首位を獲得した2019年12月21日付から今週(2024年12月28日付)までの期間を5年1週間に更新している。
マライア・キャリーは、デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年から今年まで、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4つの年代で首位を獲得した初のアーティストで、その「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年8月4日付から今週(2024年12月28日付)までの期間を34年5か月に更新し、ブレンダ・リーが「アイム・ソーリー」(1960年7月18日付)から「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(2024年1月6日付)で達成した63年5か月3週間に続く、史上2番目の記録をさらに更新した。
今週の集計期間中(2024年12月13日~12月19日)には、ストリーミングが4,800万回(13%増加)、エアプレイが2,870万回(12%増加)、セールスは11,000(80%増加)をそれぞれ記録。今週セールスの伸び率が高かったのは、12月6日にリリースされた発売30周年記念の7インチと12インチのアナログ盤、カセットテープ、CDによる売上が上昇したからで、デジタル・ソング・セールス・チャートでは先週の4位から1位に到達し、初めて首位を獲得した2005年12月から通算5週目の首位を獲得している。エアプレイ・チャートでは、先週の17位から16位にワンランクアップした(最高位は11位)。
これまでホリデー・ソングとして首位を獲得したのは、1958年12月22日~1959年1月12日付まで4週間1位を記録した、ザ・チップマンクス&デヴィッド・セヴィルの「ザ・チップマンク・ソング」、昨シーズンに3週間を記録したブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」、今週で通算17週目に記録を伸ばした「恋人たちのクリスマス」の3曲だけで、引き続き「恋人たちのクリスマス」が最長記録を保持している。
今週「恋人たちのクリスマス」が17週目の首位を獲得したことで、マライアは首位獲得総週を通算96週目に更新し、2位以下と大差をつけてトップを独走している。
96週 マライア・キャリー
60週 リアーナ
59週 ザ・ビートルズ
56週 ドレイク
50週 ボーイズIIメン
「恋人たちのクリスマス」は、ホリデー・ソング・チャート“Holiday 100”でも今週通算64週目の首位を獲得していて、同チャートの集計が始まった2011年から総週72週間のうち64週間を「恋人たちのクリスマス」が首位を独占するという大記録を維持している。また、ビルボードが発表した“史上最高のホリデー・ソング100曲”のリストでもトップにランクインした。
先週に続き、今週もTOP5をホリデー・ソングが独占。ブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」は2位キープして、先週4位にランクインしていたワム!の「ラスト・クリスマス」(1984年リリース)は3位に上昇し、再び最高位に到達した。
「ラスト・クリスマス」は、12月13日にCDと3種類のアナログ盤(ブラック、スノーフレーク・ホワイト、ゾートロープ)がリリースされたことで、セールスが前週比164%の8,000に急増。それから12月15日にNetflixのドキュメンタリー番組『WHAM!: Last Christmas Unwrapped』が公開された反響もポイントに反映した。同番組では、メンバーのアンドリュー・リッジリーへのインタビューや、2016年に死去した故ジョージ・マイケルのアーカイブ映像などが記録されている。
先週3位に上昇した故ボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」(1957年リリース)は4位にランクダウンして、故バール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」(1964年)は先週に続き5位をキープした。
上記5曲に続き、今週はTOP10に2曲のホリデー・ソングが新たにランクイン。アリアナ・グランデの「サンタ・テル・ミー」(2014年リリース)は先週の14位から9位に、ケリー・クラークソンの「アンダーニース・ザ・ツリー」(2013年リリース)は15位から10位に上昇して、いずれも初のTOP10入りと最高位を更新した。なお、両曲のこれまでの最高位はどちらも11位だった。
アリアナ・グランデは、「サンタ・テル・ミー」が今週ランクインしたことで今年3曲目のTOP10入りと通算記録を23曲目に更新。ケリー・クラークソンは2016年3月に「ピース・バイ・ピース」が8位にランクインして以来約8年ぶり、通算12曲目のTOP10入りを果たした。
「サンタ・テル・ミー」は、今週の集計期間にストリーミングが2,770万回(17%増加)、エアプレイが890万回(3%増加)、セールスは1,000(12%増加)にそれぞれ上昇。「アンダーニース・ザ・ツリー」は、ストリーミングが2,840万回(19%増加)、エアプレイが920万回(16%増加)、セールスは2,000(1%減少)を記録した。なお、ストリーミングの週間再生回数は「サンタ・テル・ミー」より「アンダーニース・ザ・ツリー」の方が高いが、ストリーミングの集計方法は定額制の有料サイトや広告付きのものなど、再生されたサービスによって比重が異なるため、順位が入れ替わることがある。
「サンタ・テル・ミー」は、現時点でホリデー・ソングとしてTOP10にランクインした一番新しい曲で、「アンダーニース・ザ・ツリー」はその前にランクインした2番目の曲となる。それよりも前にランクインしたのはケニー・Gの「オールド・ラング・ザイン」(1999年リリース)で、リミックスのリリース効果等により2000年1月に最高7位を記録した。
他に、1990年代のホリデー・ソングとしてTOP10にランクインしたのは、今週1位の「恋人たちのクリスマス」(1994年リリース)だけで、その前にはニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの「ディス・ワンズ・フォー・ザ・チルドレン」(1989年リリース)が同年に最高7位を記録している。
アリアナ・グランデ「サンタ・テル・ミー」(2014年リリース)
ケリー・クラークソン「アンダーニース・ザ・ツリー」(2013年リリース)
ケニー・G「オールド・ラング・ザイン」(1999年リリース)
マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(1994年リリース)
ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック「ディス・ワンズ・フォー・ザ・チルドレン」(1989年リリース)
その他、故アンディ・ウイリアムスの「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」(1963年リリース)が先週の11位から7位、故ディーン・マーティンの「レット・イット・スノー」(1959年リリース)が12位から8位にそれぞれ上昇して、今週はTOP10中9曲をホリデー・ソングが独占した。なお、「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」はこれまでの最高位が5位、「レット・イット・スノー」は7位を記録している。
今週のTOP10にホリデー・ソング以外の曲で唯一ランクインしたのは、レディー・ガガ&ブルーノ・マーズの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」で、先週に続き6位をキープした。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月27日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
2位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
3位「ラスト・クリスマス」ワム!
4位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
5位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス
6位「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ
7位「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」アンディ・ウイリアムス
8位「レット・イット・スノー」ディーン・マーティン
9位「サンタ・テル・ミー」アリアナ・グランデ
10位「アンダーニース・ザ・ツリー」ケリー・クラークソン
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