2022/03/07 12:00
King Gnuの「一途」がロングヒットとなっている(【表1】)。この曲はご存知の通り、アニメ映画『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌である。先行配信されたのは、昨年の12月10日で、そのタイミングの12月15日公開分のBillboard JAPAN 総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”では初登場4位だ。これだけでももちろんすごいのだが、映画が公開された12月24日以降を集計した12月29日公開分では2位、そして年をまたいで1月5日公開分でついに1位を獲得。その後もずっと上位にとどまっており、12週連続でベスト10内をキープし続けている。
彼らが最初にブレイクした「白日」は、非常にストリーミングと相性がよく、その後もストリーミングをベースにヒットしているという印象が強い。この「一途」もストリーミングは絶好調で、配信が始まってからは高止まりでストリーミングの指標もトップ10内を推移している。ダウンロードに関してもほぼ同じような動きであり、配信の強さは圧倒的だ。さらには動画再生数も同様に10位以内から外れることなく横ばいになっており、映画のロングランもあって、しばらくこの状況は変わることはないだろう。
加えて、「一途」の強みはフィジカルのCDも売れていることだ。CDリリースは配信に遅れて映画公開日の12月24日だったが、そのタイミングでは当然のように1位を獲得。多少ランクダウンは否めないが、それでも9週目となる最新のチャートでのCDリリースは売上数は31位と未だ上位をキープ。しかも、レンタルの指標となるルックアップ(PCによるCD読取数)は9週間ずっと5位以内という華々しい記録を更新し続けている。映画のターゲットであるファミリー層には、まだまだ配信よりもCDの方が強いことも大きいだろう。このフィジカルでの反響の大きさもまた、ロングヒットの要因なのだ。
ストリーミングを主たる活動の場においたKing Gnuのようなアーティストの楽曲でも、タイアップやヒット状況においては、フィジカルの需要は大きく、チャートへの効果も高い。現状、ストリーミングがメインとなっているアーティストも、このCDリリースを絡めたロングヒットへの動きは参考になるのではないだろうか。
Text:栗本斉
◎栗本斉:旅&音楽ライター、選曲家。レコード会社勤務の傍ら、音楽ライターやDJとして活動を開始。退社後、2年間中南米を放浪し、現地の音楽を浴びる。その後フリーランスとして活動した後、2008年から2013年までビルボードライブのブッキングマネージャーに就任。フリーランスに戻り、雑誌やライナーノーツなどの執筆や音楽評論、ラジオやストリーミングサービスにおける構成選曲などを行っている。
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